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妊娠時の基礎体温の傾向と特徴

基礎体温を記録していくことで、大まかな排卵日や月経の予測が立てられます。また、基礎体温グラフを付けることでその人が持つ疾患を特定できる場合もあります。

約3~5日間を生き延びる精子に対して、排卵された卵子は約24時間しか生命力を持ちません。妊娠を希望している方は排卵日をきちんと把握する必要があるのです。

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~基礎体温の測り方~

妊娠を希望している女性にまず実行して頂きたいのが、毎朝の基礎体温を記録することです。基礎体温とは、寝ている間などの最も安静にした状態での体温のことを言います。

朝目が覚めた時に、動かずに寝床の中で市販の基礎体温計で舌の裏側に先端部を入れて測ります。寝ている間の体温により近づけるために動かず測りましょう。基礎体温を測る前の睡眠時間は4時間以上を目安として下さい。

起き上がらなくてもいいように、寝る前に基礎体温計を枕元に置いておくと便利です。

~妊娠した場合の基礎体温の変化の仕方~

出典:http://ninnsinntofuninn.com/

基礎体温は通常、低温期と高温期の二つに分かれます。低温期とは月経が始まってから排卵が起こるまでの時期を言います。「卵胞刺激ホルモン」の分泌により体温が下がり、「卵胞ホルモン」の分泌で卵胞(卵子が入った袋のようなもの)を育てていきます。

一方高温期は排卵後に黄体ホルモンが分泌されることから、体温が上昇します。低温期と比べると0.3℃~0.5℃程度上がる方が多いようです。妊娠をした場合にはこの高温期が続き、妊娠に至らなかった場合には排卵日から約2週間程で月経が始まることになります。

出典:http://ninnsinntofuninn.com/

基礎体温が正常な場合には上記のような二相のグラフになりますが、グラフがバラバラだったり、高温期が短い場合や長い場合には月経不順を含め、身体に異常がないかを探る手立てにもなります。

~高温期が短い場合に考えられる疾患~

高温期に入るのは前述したとおり排卵後となります。正常な場合には約10日以上続きます。10日以下の場合に考えられる疾患は、「卵子が未熟」、もしくは「黄体ホルモンの分泌による着床障害(黄体機能不全)」です。

~高温期が長い場合に考えられる疾患~

高温期が21日以上続く場合は、まず「妊娠」の可能性があります。また同じく21日以上続いた後に月経が始まった場合は「流産」の可能性が出てきます。その他には「子宮外妊娠」や別の原因を抱えている場合もあります。早めの受診をおすすめします。

~基礎体温グラフが二相に分かれていない場合に考えられる疾患~

月経がきちんと来ていると思っていても、グラフに変化が見られない場合には「無排卵月経」の可能性があります。無排卵月経とは、実際には排卵はされていないのに月経のように出血することです。

これは破綻出血と呼ばれ、微量のホルモンで子宮の内膜が厚くなり、古くなった内膜が出てきています。グラフに一か月以上変化がない場合は、一度受診をしましょう。

~基礎体温グラフの線がバラバラの場合に考えられる疾患~

睡眠不足や起床時間が不規則な場合など、不規則な生活が続いた場合にグラフの線が乱れることがあります。そして二相に分かれていない人と同様に「無排卵月経」の疑いもあります。単純に上手く体温が測れていない場合もありますので、測った時の状況を思い返してみて下さい。

~排卵日を確認する方法は他にはないの?~

前述させて頂いたように、基礎体温を測ることで排卵日は大まかに予想がつきます。そのほかの方法としては子宮頚管粘液(しきゅうけいかんねんえき)で予測することが可能です。簡単に言うと、膣内の粘液は通常は細菌などの侵入を防ぐために酸性に保たれていますが、排卵日が近づくと子宮頚管からアルカリ性の粘液が多く分泌されるようになります。

子宮頚管粘液は卵白のようなプルっとした状態で、糸を引くように伸びるのが特徴です。基礎体温を付けている方は、体温に変化が現れ始めたらおりものの状態をみましょう。毎日基礎体温が上手く測れなかった方もおりものの状態が変わってきたら、指や綿棒を膣内に挿入し、指に採って伸ばしてみてください。

水のようにサラサラであればまだ排卵の時期ではなく、逆に糸を引くように伸びるようであれば排卵日が近いか、もしくは排卵したということです。

また排卵日を知る方法として、尿の黄体化ホルモンの濃度を測って排卵日を特定する検査薬や、唾液から付属の顕微鏡で結晶を観察して判断するキットも市販されています。

~最後に~

不妊治療の助成金の申請者が平成23年度には68,261人(厚生労働省調べ)いらっしゃったそうです。実際には「治療してまでは…」と考えられる方もいらっしゃいますので、それ以上の数字のカップルが不妊に悩んでいらっしゃることになります。

不妊治療を行ったカップルが、一年以内に妊娠に至るケースは全体の二割程だそうです。「そんなに少ないのか!」と驚かれる方も多いのではないでしょうか。このまま子供ができないのではないかという不安にいつも悩んでいる方々がいます。

赤ちゃんを望んでいる女性が、一人でも多く可愛い赤ちゃんをその手に抱くことができよう祈っております。またこの記事を読んで頂いた方が少しでも知識を蓄え、不安を取り除いて頂けましたら幸いです。

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