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「こどもの城」はどんなところだったのでしょう
昨年閉園となってしまったため、行ったことがないという方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、まず、「こどもの城」がどんな施設であったかご説明しておきます。
・1985年に開館。公益財団法人「児童育成協会」が運営
・営業時間:12:30~17:30 定休日:月曜日
・入館料:子供400円(3歳未満無料) 大人500円
・渋谷と表参道の間に位置し、青山通り(国道246)沿いにおおよそ10,000平方メートルの敷地面積を誇る大型総合児童センター
・入口には岡本太郎氏の「こどもの樹」という大きなモニュメント
作品からいくつもの顔が飛び出していて「人間の数だけ、それぞれの姿があり、子供たち一人一人の個性を大事にのびのび自由に生きる」そんな姿が表現されています。
・「青山劇場」と「青山円形劇場」という2つの劇場が併設
・施設内には屋内アスレチックや室内プール、プレイホール、ビデオライブラリー、造形スタジオ、音楽スタジオなど、子供が遊びを通して学べるような施設が充実
「こどもの城」での思い出
1985年から運営されていただけあり、三世代に渡り、利用していた家族も少なくありません。劇場やプールもあるので毎年~毎週通っていたヘビーユーザーも。みなさん「こどもの城」には様々な思い出があるようです。
「第一子の妊娠期にココのマタニティスイミングに通っていました。プールで知り合いができて、その後の子育てや子供を遊びに連れてきて、プールで知り合ったママの子と一緒に子供を遊ばせたり。私の子育ては妊娠期からホントに『こどもの城』に助けられていました」(50代/女性/春ばあば)
「壁一面にペンキ(?)で落書きできるスペースが楽しかったな~。アルミコップみたいなのに絵の具が入っていて、筆で思いっきり描けるから、気づけばずーっとそこにいた気がする」(30代/男性/がんまん)
「子供の頃の思い出を抱きながら息子と閉館滑り込みで行きました!プレイマットがあるスペースでは、ねんねやハイハイ時期のコからボーリングやボードゲームなど小1~高1のコなんかに向けたスペースもあったり、休憩にもなるビデオライブラリーがあったり、改めて大充実!」(30代/男性/おとうふさん)
「3歳の娘は積み木やおままごとも楽しんでいたようでしたが、一番ハマっていたのはペットボトルなどでできた手作り楽器。決してリズムは刻めていないのですが(笑)ニコニコ笑顔で太鼓やマラカスを演奏している様子をみてコチラもニコニコ。そんな娘はもうすぐ成人式」(40代/男性/連休に風邪ひくなんて)
「室内にある『わくわくらんど』というアスレチックのような施設が楽しかった記憶があります。室内ながら、吊り橋やトンネルなど、だいぶテンション上がって遊んでたな~」(30代/男性/春巻きマキマキ)
「5歳と3歳の娘を連れて行ってきました!屋内施設と屋外施設に様々な遊具がありましたが、天気が良かったので屋外施設へGO!普通の三輪車を始め、二人乗り三輪車や手こぎ四輪車など見たことないような乗り物に娘たちは大興奮でした!」(30代/男性/にんにんパパ)
「小学生の頃、低学年から中学年まで『こどもの城』のプールにバスで通っていました。すごくキレイだったし、学区外の友達ができたことを覚えています」(30代/女性/ひろめ)
「『ピーターパン』も『アニー』も『ミスサイゴン』も初めて演劇に触れたのは青山劇場でした。そこから色々な劇場で演劇を見た後に、青山円形劇場の面白さに出会いました。本当に劇場だけでも残して欲しかったです」(50代/女性/アイスクリーム)
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なぜ「こどもの城」は閉館してしまったのか
大人気だった「こどもの城」の閉館を決めたのは、館長ではなく「国」だったようです。厚生労働省の発表によると、閉館の理由は二つ。一つ目は「建物の老朽化」。もう一つは「子供をとりまく社会環境の変化」だとか。
建物の老朽化について
冒頭でも記述したように「こどもの城」のオープンは1985年。閉館は2015年。たった30年で劣化・老朽化するものなのでしょうか。築30年といえば、中古マンションで散々出回っているような年数。改築を繰り返しながら営業を続けているデパートも多くありますよね。
しかも2012年の段階でレストランが新装開店していたり、外装の修繕が行われていたとか。それを目にしていた利用者は納得いきませんよね。そんな現実もあり、猛反対から当時は署名運動も行われていたようです。それでも老朽化から閉館という決断に至った、大きな要因となったのは、次でも挙げられる、法改正から毎年の修繕費が捻出されなくなったということのようです。
社会環境の変化について
法改正というより「社会保障と税の一体改革」。これが起こった際にできた一つの法律。それが「子ども・子育て支援法」。「こどもの城」の運営に関わる補助金は「児童手当法」という法律の元、発生していました。それが「子ども・子育て支援法」に変わると補助金は降りなくなってしまったようです。
元々の「児童手当法」は全国の児童館のレベルアップを謀るため、遊びのプログラムが開発や育児支援の研究への資金として予算が出ていました。それが「子ども・子育て支援法」に変わると、全国の児童館は各自治体の費用内でレベルアップすべし、とのこと。東京都にももちろん自治体費用は分配されますが、費用としてはかなり減ってしまいます。
また、「こどもの城」事業本部長からの発表によると「日本の子供の健全育成の状況が、昔よりは良くなったから、国立児童センターとしての役割はそろそろ終わったんじゃないだろうか」とありました。その他の児童館も遊具や施設が充実してきたとしても、こんな大人も嬉しい好立地でリーズナブルな国立児童センターは他にないのではないでしょうか。
その跡地に建設予定なのは・・・
閉館にあたり各方面から物議を醸し出した「こどもの城」ですが、そうまでして閉館した跡地には何ができる予定なのでしょうか。
今年1月、東京都は「こどもの城」の跡地を「首都災害医療センター」という首都圏の医療拠点とする旨、発表を行いました。これは2020年のオリンピックに伴う国際化からのテロや首都圏直下型地震を想定したもので、隣にある現・都有地で住宅展示場のある土地は元・青山病院。ここも併せて開拓予定のようです。
東日本大震災が起こった2011年以降、首都直下地震が起こった際の被害想定を東京都がしたところ、被害想定は死者9,700名、負傷者14万7,600人に及ぶのだそう。そんな事態に備えての「首都災害医療センター」の設立です。現在、東京都には災害時の救急医療の基盤となる病院である「基幹災害拠点病院」が2つあります。
渋谷区にある「都立広尾病院」と立川市にある「国立病院機構災害医療センター」がその2つ。しかし都立広尾病院は大地震には耐えられないかもしれないという老朽化状態。今後は「首都災害医療センター」と「国立病院機構災害医療センター」の2トップで対応していく予定のよう。
まとめ
目まぐるしく変わる東京の景色。渋谷駅は50〜100年に一度の大規模再開発に入りましたね。ここまでその余波が来ているか否かは定かではありませんが、テロや首都圏直下型の地震に備え、全国民を助ける施設と生まれ変わってくれるようです。どんな施設になるのか、今後も目が離せません。
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