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思春期の子供とピアノ

ピアノを習っている子どもたちが、続けるか辞めるかのターニングポイントに立たされるのが、中学校進学時期です。部活も始めたいし、試験も始まるし考えただけで忙しそうです。このままピアノはできないだろう、小学生の間にここまで弾けるようになったしもういいだろう、と辞めていってしまう生徒の多くは、そう理由付けしています。しかし中学生からが、これからずっと先の自分とピアノの関係を築いていける時期になるのです。

やり方次第で、続けていくことは可能なのです。そのための努力をしないで辞めてしまうことは、【逃げる】ことと同じかもしれません。辞めてしまうと、築き上げたものは倍の早さで崩れていき、ゼロと等しいくらいまで落ちることもお忘れなく。

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心と身体が成長し、演奏力・表現力ともにアップする


中学生になると、どんどん大人に近づいてきます。大人から見るとまだまだ子どもなのですが、本人たちは自分の考えを持ち、それまでになかった仲間意識、団結力を友達と築けるようになります。たくさんの人と出会い影響を受け、さまざまな事に興味も持つでしょう。勉強だけではなく、一つ一つの出来事が心を発達させる大切な時期なのです。

ピアノに負けない体になる

小学生の頃は足が届かなくて、足台を使ったり、筋力がなくてペダルを使えなかったり腕や肘に力が入ってしまう弾き方になったりと、思うような演奏はできなかったかもしれません。体が大きくなることで、椅子に落ち着いて座れることができ、上半身が脱力しやすくなります。指先の筋力や関節も強くなりますから、今まで出せなかった音が出るようになります。外見だけを見ても、ステージ映えしますし格好もつきます。

先生との会話が成り立つ

もちろん、小学生でもきちんとお話はできるのですが、中学生になると同じレベルで会話をすることができます。自分の考えを意見するようになりますし、先生の意見を求めるようにもなります。わからないところを徹底的に追求するようになるので、自然な表現力が得られます。

レッスンの変化


小学生までより忙しくなる生活の中で、ピアノの練習時間やレッスン時間を作ることは難しくなってきます。ピアノが好きな気持があるならば、続けられる方法はいくらでもあるのです。それを考えないで結論をだしてしまうことは、とても残念なことですね。

時間の使い方次第で隙間はできる

自分の一日の生活時間をグラフにしてみましょう。一週間分作った時に、一番ゆとりのある曜日が無いかを調べます。最初からキチキチに入れてしまうと、新生活に慣れない中で苦しくなってきてしまいますから、一番ゆとりのある時に、15分だけでもピアノの時間を入れてみます。一ヵ月、二ヵ月と過ごしていく中で、それは変化してくるかもしれませんが、『ピアノ』の存在を忘れてしまうことはありません。

生活にメリハリがついてくる

先ほどのやり方でピアノの時間を作った時に、他の自分の生活時間も見えてきます。想像以上に時間があったり、一週間で自分が忙しくなる時がわかったり、ピアノ以外にも使い道がみつかってきます。学校、部活、勉強、塾、友達との付き合いなど、忙しい中にもメリハリがついた、計算された生活を送ることができます。自分で時間をコントロールできると、どれだけ忙しくなっても、変わっていっても対応できるようになるでしょう。

レッスン内容の変化

今までコンクールに出場してきた生徒は、時間の使い方が出来るようになっていれば引き続きコンクールに出場することはできます。今までよりも自然で豊かな表現力を身につけることで、大人っぽい演奏ができるようになりますが、中学生以上になると出場者は減ります。

やはり、練習量が減ってしまうことで自信をなくしたり、曲を仕上げる時間が、今までよりもかかってしまうためです。一人一人ピアノが占める割合は違いますが、ピアノを弾き続けたいという気持ちがあれば、趣味として学んでいくこともいいのではないでしょうか。この頃になると、親には言えない悩みもでてくるでしょうし、対立することもあります。そんな時、違った大人に話すことで悩みも解決したり、鬱憤を晴らすこともできるでしょう。時には、おしゃべりだけで時間が過ぎてしまうことだってあるかもしれません。

受験期に入るとピリピリモード

部活も引退すると、いよいよ受験モードになります。気持ちの準備もないまま、勉強せざるを得ない状況に持って行かれてしまう子どももいます。息抜きの時間をうまく作れず息詰まったり、周りからのプレッシャーを感じたり、ピリピリした緊張感が漂っています。

そんな中でピアノをするなんてとても無理、と思われるかもしれませんが、上手に使えば緩和剤になるのです。レッスン時間が決まっていれば、それに合わせて勉強時間を調整できますから集中します。無理なレッスンはしないですから、息抜きの時間にもなりますよ。練習曲やクラシックばかりするのではなく、好きなアーティストの曲や映画音楽などすることで、楽しみながらピアノに向かうこともできます。

まとめ

中学生が一番難しい相手なのかもしれません。大人や社会を批判して全く受け付けようとしない子もいます。小学生の時はあれだけおしゃべりだった生徒が、急にしゃべらなくなったり返事すらしなくなったり、練習できずにイライラしていることを隠せない子もいます。そんな時期だからこそ、ピアノをしている時間だけはリラックスして楽しんでもらいたいと思います。きっと親も先生もわが子や生徒の辛い姿は見たくありません。

だから、いつまでも同じ接し方や対応をするのではなく、子どもの主張も認めながら、正しい方向に導いてあげることが関わっている大人全員の指名だと思います。ピアノは技術を教え学ぶだけでなく、身内ではない大人に自分のことを親身に考えてもらえるということを忘れてはいけません。親も、他人にはわからない、意見されたくないと耳を塞ぐのではなく、自分の改めなければならない所を知り、子どもと共に成長していかなければなりません。思春期の子どもは、大人全員が見守ってやらなければならないと思います。

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