近年、カフェや機械などの普及により様々な種類のコーヒーが手軽に楽しめるようになりました。
中でもエスプレッソは、専用のマシーンにより家庭でも手軽に飲めるコーヒーへと変化しつつあります。
そこで今回は、よりエスプレッソを美味しく楽しめるよう、基本的な知識や正しい淹れ方などについて詳しく解説していきます。
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エスプレッソとは?
「エスプレッソ」という単語は日常でよく聞きますが、コーヒーの一種だということしか知らないという方は意外と多いと思います。
そこで、まずはエスプレッソの基本知識についてご紹介します。
エスプレッソの定義
エスプレッソとは、約7~8グラムの新鮮な極細挽きの豆を使い、9気圧で90度の熱湯20CC~30CCを20~30秒かけて抽出したものとされています。
エスプレッソの語源
次にエスプレッソの語源ですが、これは2つの意味がこめられています。
1.『急行・高速』
1つ目は『急行・高速』という意味です。
時間をかけてゆっくりと抽出するコーヒーとは違い、抽出に数十秒しかかけないことからこの名前が付いたそうです。この抽出の速さにより、忙しい労働者が短い休憩時間でもすぐ飲めることから、働く人々に愛されるコーヒーとなりました。
2.『特別な』
2つ目は『特別な』という意味です。
注文が入ってから抽出を始めるので、その人だけのためにいれた『特別なコーヒー』という意味合いでも使われています。
イタリア生まれ、アメリカ育ち
近年日本でもエスプレッソファンが多くなってきましたが、元々はイタリアのナポリが発祥地です。そこから北米へと普及し、現在では世界中で愛されるコーヒーとなりました。
飲みやすい味わいで定評があるエスプレッソ
エスプレッソと聞くと、苦味や渋みの強いカフェイン多めの大人なコーヒーといったイメージが強いのではないでしょうか。しかし実際はそうではなく、誰からも愛されやすいコーヒーです。
質の高いエスプレッソの特徴は、飲みやすい味わいにあります。まろやかな飲み口でコクや苦味、甘味や酸味など、コーヒーの良いところをバランスよく味わうことができます。
砂糖のみを入れる飲み方はよく知られていますが、まるでチョコレートを食べているような味わいでとても美味しいと言われています。
香りも非常に強く、飲んだ後も口の中にしばらく残るほどです。
エスプレッソとコーヒーの違い
家庭でコーヒーを淹れる際、一般的なものは『ペーパードリップ』で淹れることが多いと思います。ここでは、私たちに馴染みのあるドリップ式のコーヒーと比較しながらエスプレッソの特徴をご紹介していきます。
コーヒーよりもカフェインレス
意外にもエスプレッソはカフェインが少ない飲み物です。
同じ量の豆を使ってペーパードリップしたコーヒーに比べ、約半分のカフェインしか入っていません。
コーヒーは好きだけどカフェインの過剰摂取を気にする女性の方や、胃への負担が心配な方には嬉しい飲み物ですね。
エスプレッソは高い圧力によりすばやく抽出する
ペーパードリップとは、ペーパーフィルターを使って挽いたコーヒーを漉しながら抽出していくという「透過法」という種類の抽出方法です。衛生面や片付けが簡単なことから日本では最も普及している抽出方法です。
一方、エスプレッソは専用のマシーンにより高い圧力をかけて抽出します。
ペーパードリップのようにゆっくりと抽出していく方法とは違い、高い圧力によりすばやく抽出する独特な方法なので、豆のエグみや雑味を混ぜることなく、コーヒー本来の美味しさが凝縮された風味の濃厚なコーヒーが出来上がるのです。
なぜエスプレッソは少量なのか
エスプレッソと言えば、小さめのカップにコーヒーが少量入っていることが多いですが、この少ない量にはエスプレッソならではの理由があります。
ドリップ式のコーヒーは、約10g豆から150ccのコーヒーを時間をかけて抽出します。それに比べエスプレッソは、約8gの豆から20~30㏄のコーヒーを高い圧力をかけて素早く抽出していきます。
多くの量をマシンを使って抽出しようとすることは可能ですが、それではエスプレッソ特有の雑味のない美味しさを作り上げることが出来ず、本来の良さが失われてしまいます。
エスプレッソ本来の美味しさは、短い時間で圧力をかけて抽出される少量のコーヒーにこそあるのです。
次ページ:エスプレッソのおいしい淹れ方
エスプレッソのおいしい淹れ方
エスプレッソについての理解が深まったところで、次は『おいしい淹れ方』についてお話していきたいと思います。
まず、自宅でエスプレッソを楽しむ際には、専用ポットを使用し直火でつくるか、マシーンを使ってつくるかの二つ方法があります。
直火式のポットの場合、値段は手頃で始めやすいのですが、苦味が出やすくエスプレッソ特有の細かな泡『クレマ』を出すことが難しいのです。
本格的なエスプレッソを楽しみたい方にはやはりマシーンを使うことをおすすめします。
ここでは、バリスタの草分けとして世界中で活躍し、2度の日本バリスタチャンピオンの経歴を持つ『横山千尋』さん流の、マシーンで美味しいエスプレッソの淹れる方法をご紹介します。
1.バスケットの水気をとる
まず、マシーンの一部のバスケットと呼ばれる、コーヒーの粉を入れる部分の水気をしっかりと取ります。粉は水分に触れた瞬間から美味しい成分が溶け出してしまうため、乾いた布などでしっかりと水気を取り除いておきましょう。
2.カップをあたためる
エスプレッソを淹れるカップにお湯を入れ温めておきます。これにより、淹れたときに温度が下がることなく美味しくいただけます。
3.粉を入れる
バスケットいっぱいに粉を入れ、すりきって均し、粉を押し固める専用の器具「タンパー」を使って均一に押し固めていきます。
粉の量で出来上がるコーヒーの量も変わってきますので、何杯分が出来るのかを確認しておくと良いでしょう。また、この際バスケットの淵などに粉が付いているとうまく圧力がかからなくなってしまう原因になるので、きれいに落としておきましょう。
4.お湯の温度を調節する
マシーンが抽出できる状態になったのを確認したら、まずはお湯を出します。
この際蒸気が噴き出すような音が出るので、この音がおさまるぐらいまでを目安にお湯を出してください。これは初めのうちに出る約100度の熱めのお湯を出し切り、エスプレッソの適温90度にするためです。
5.抽出する
バスケットをしっかりとセットします。次にお湯を入れて温めておいたカップからお湯を捨て、こちらもマシーンにセットします。あとは抽出を開始し、美味しいエスプレッソが淹れ終わるのを待つだけです。
注意点
お湯を止めるタイミングには注意が必要です。
エスプレッソの適正量は30CCですが、見た目の目安としては抽出されたエスプレッソが少し薄くなってきたぐらいでお湯を止めてください。時間にすると約20~30秒間の抽出がベストです。
豆の挽き具合によって時間も変わってくるので、何度かチャレンジしながら調節していくと良いと思います。
美味しく淹れるコツ
エスプレッソを美味しく淹れるコツは、豆の量です。バスケットに入れる豆の量で味は非常に変わってきます。豆の挽き方や淹れる量などを調節しながら、自分にあったエスプレッソを淹れてみてください。
エスプレッソの豆は何を使うべき?
エスプレッソ用の豆があるわけではありません。
豆自体はドリップ式で使用するものと変わらず、焙煎方法や豆の挽き方を変えることでエスプレッソに適したコーヒー豆にしていきます。浅煎りよりも深煎りで、豆は細かく挽いたものがエスプレッソ向けと言えるでしょう。
ゆえに選び方としては、味や酸味、コクや苦味など、自分がどんな風に味わいたいかで豆を選ぶと良いと思います。産地やブレンドの仕方によって随分と変わってくるので、自分好みの豆を見つけましょう。
一般的にエスプレッソに合う豆として知られているのは「アラビカ種」と「ロブスタ種」という豆をブレンドしたものになります。これにより味わい深い濃密なクレマが出来やすく、味に深みのあるエスプレッソが完成します。
是非お試しください。
次ページ:エスプレッソのおいしい飲み方
エスプレッソのおいしい飲み方
すぐ飲み終える
エスプレッソはこれまでもお話しした通り少量で楽しむ飲み物です。
一般的なコーヒーのようにゆっくりと飲むものとは違い、エスプレッソは3~4口ほどで飲み終えるのが一般的な飲み方とされています。その後に口の中に残る香りや旨みを楽しみながら余韻に浸るのもまたエスプレッソの良さと言えるでしょう。
砂糖を入れる
日本人の多くはエスプレッソに何も入れずそのまま飲むと思いますが、本場イタリアの方々は多めの砂糖を入れて、デザート感覚でエスプレッソを楽しみます。「砂糖を入れてエスプレッソは完成する!」と言う人もいます。
エスプレッソを飲み干した後は、カップの底に残った砂糖をスプーンですくってまた楽しむといった飲み方をするイタリア人も多いそうです。
是非甘さをプラスして楽しんでみてください。
完璧なエスプレッソは3層、味の違いを楽しむ
本格的なエスプレッソは実は3層に分かれており、それぞれの味の違いを楽しむことこそがエスプレッソの醍醐味なのです。
まず一番上にあるのが、黄金色の泡の『クレマ』。上項でもお話しした通り、このクレマはエスプレッソマシーンによりきめ細やかな泡が出来上がり、エスプレッソの甘みを出す大切な役割をしています。
その下にあるのが『ボディ』。3層の中で最も薄い色をしており、コクと濃厚な旨味が凝縮された部分です。本格的なエスプレッソは、このボディに雑味のないコーヒー本来の美味しさが感じられます。
一番下に沈んでいるのが『ハート』。別名アロマと呼ばれるほど、香ばしい香りが凝縮された部分です。
これらがキレイに3層に分かれているほど完璧なエスプレッソとされており、極上の甘み・旨み・香りを楽しめるのです。
人気のエスプレッソマシン3選
美味しいエスプレッソを淹れるには、優れたエスプレッソマシンが大切です。そこで、自宅でも美味しくエスプレッソを淹れられるおすすめのマシンをご紹介していきたいと思います。
①入門編におすすめ!デロンギ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC152J
高価なものが多いエスプレッソマシンですが、こちらのデロンギのエスプレッソマシンは15000円以下で買えるリーズナブルなマシンです。
魅力的なのは価格だけではなく、使い方もわかりやすく、お手入れ方法も簡単なので、これから始めてみようと思っている方にはピッタリなマシンだと思います。
https://item.rakuten.co.jp/biccamera/4988371022370/
②ラテアートにおすすめ!ボンマック(BONMAC) エスプレッソメーカー BME-100
こちらのマシンはスチーム力に優れており、高品質なスチームミルクを手軽に作れるので、ラテアートにも挑戦できます。
あまり聞きなれないメーカーですが、UCCのグループ会社の国内メーカーなので安心です。価格も17,000前後で買えるので、エスプレッソマシンとしては手が出しやすいと思ます。
https://item.rakuten.co.jp/zeroen/co0805be/
③本格派におすすめ!illy FrancisFrancis X7.1
本格的なエスプレッソを楽しみたいという方には『illy FrancisFrancis X7.1』がおすすめです。
調節が難しいコーヒー粉が専用のカプセルに入った状態になっているので、調節いらずで毎回美味しいエスプレッソを淹れることが出来ます。
また、粉の飛び散りの心配がいないのでお手入れも簡単。デザインもスタイリッシュなので、おしゃれな雰囲気にもなれます。
価格は30000円と、上記の2つと比べると少々値段が張りますが、手軽さと美味しさを考えれば是非使ってみたいマシンだと思います。
https://item.rakuten.co.jp/keycomr/ily01000/
まとめ
いかがでしたでしょうか?
エスプレッソに対してのイメージが少し変わったのではないでしょうか。エスプレッソは様々な淹れ方、味わい方で楽しみ方が何通りにもなります。それもまたエスプレッソの魅了だと思います。
是非、自分好みのエスプレッソの楽しみ方を見つけてみてください。
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