子犬のころは身体の機能が未発達のため、排尿を我慢できずに色々なところでおしっこをしたり、夜におねしょをすることはよくあります。しかし、それらの行動も成長してくると共に次第に姿を見せなくなります。
しかし、成犬になってから突然おもらしをすることもあります。
そんなとき、子犬の頃のように放っておけば治ると思っていてはいけません。そこで、本記事では、そんな犬のおねしょの原因と対処方法をご紹介していきたいと思います。
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成犬のおねしょの原因
犬は人間と違い、言葉でのコミュニケーションができません。そのため、トラブルがあったときは何が原因であるかは、飼い主が犬の状態を見て判断しなくてはいけません。
成犬がおねしょをする場合、主な原因に考えられるのは下記の7つです。
- 先天性の尿管異常
- 泌尿器系の異常
- 神経系の異常
- ホルモンバランスの変化
- 水の多飲
- 年齢によるもの
- ストレスや疲れ
それぞれを端的に解説していきます。
①先天性の尿管異常
先天的に尿管に異常のある異所性尿管がある場合、おねしょをすることがあります。尿管が膀胱を迂回しているため、膀胱に尿をためておくことができません。
若い純血種のメスに多くみられますが、手術により対処できる場合があります。
②泌尿器系の異常
腎臓炎、尿道結石、腫瘍などでもおねしょをすることがあります。犬の尿はph6.0~6.5が適性値ですが、それ以外の状態が続くと結石ができやすくなります。
また、尿の色も通常より濃すぎたり、無色透明である場合は泌尿器系の異常が疑われます。また、雄犬の場合、前立腺肥大や前立腺腫瘍などといった前立腺疾患による尿失禁も多いでしょう。
③神経系の異常
交通事故や椎間板ヘルニア、骨盤骨折などがおねしょの原因になる場合もあります。それらのトラブルが原因で泌尿器系を調節する神経が乱れてしまい、排尿の調整がうまくいかなくなります。
そのため、排尿がなかなかできなかったり、ちょっとした拍子に尿が漏れることがあります。
④ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの乱れがおねしょにつながることもあります。ホルモンバランスの乱れにより、尿道の括約筋が機能を果たさず、失禁をするとされています。
避妊をした8歳前後のメスの成犬に多く、治療にはホルモン剤の投与が行われます。
⑤水の多飲
水を飲み過ぎたことで多尿となり、睡眠中におねしょをしてしまうこともあります。水のとり過ぎが原因の場合は過剰な水分を減らせばすぐに症状はなくなります。
しかし、膀胱炎、糖尿病、急性腎不全といった他の症状が原因で水分過多になるときには治まらず、早めの治療が必要です。ちなみに、多飲は一日100ml/kg以上の量を飲むことを指します。
⑥老化によるもの
人でも年齢があがると、咳やくしゃみといった刺激で尿漏れをおこすことがありますが、犬の場合は安静時や睡眠時におこることが多く、一般的なおもらしの原因ともされています。
老齢により膀胱に尿をためておくための尿道筋が弱くなることが原因です。大体8~9歳以降の犬に出てくるでしょう。
⑦ストレスや疲れ
犬がおねしょをする前に何か変わったことはありませんでしたか?環境の変化によるストレスや疲れが続くときにおねしょをすることがあります。
喜ぶときにしてしまう「嬉ション」をしやすいといった、もともと尿道括約筋が弱い犬に出やすいようです。
また、その他にも、肥満や便秘がおねしょの原因になることもあるようです。自分の飼っている犬のパターンを知り、対処していきましょう。
犬のおねしょ対策
まずはおねしょが病気由来であるかどうかを獣医師に見てもらいましょう。尿の状態や獣医師の診察で異常がみられる場合は、手術や薬の服用での治療が可能です。
しかし、残念ながら全てのケースが完全に治るとは言い切れません。
そこで、家庭でおねしょ対策をするときはこのようなことを意識してみましょう。
- おねしょシーツやオムツを使う
おねしょをした後片付けるのは大変です。そのため、いつおねしょをしてもいいように専用シーツやオムツを使って乗り切りましょう。余った子供用のオムツにしっぽの穴を開けて使用する人や、オムツ用にマナーホルダーなどを使う人もいるようです。
- おねしょをして汚れたシーツを片付ける
犬にはマーキングという性質があるため、一度おしっこをすると、同じ場所でおねしょをしやすくなります。そのため、できるなら汚れたシーツは一度片付けたほうがいいでしょう。もし難しいようなら、熱湯とタオルでおしっこの部分を叩きながら取ったり、臭い消しのスプレーを使って臭いが残らないようにしましょう。
- 散歩をこまめにする
散歩によって排尿の機会を増やすことも大切です。また、散歩は犬のストレス解消にも効果的です。こまめな散歩をして飼い犬とのコミュニケーションを密にしていきましょう。
- 食事を見直す
安全性も考えて手作りの食事を与えている方もいるのではないでしょうか。しかし、手作りの食事には水分が多いため、それがおねしょの原因になる可能性があります。 - 他にも、与えているドライフードが栄養過多になっている場合もあります。一度食事を見直してみてはどうでしょうか。
- おねしょをしても叱らない
睡眠中のおねしょは無意識にしてしまうことが多く、叱っても治ることはありません。逆に叱られることがストレスになり、おねしょが酷くなることもありえるので、極力叱らないようにしていきましょう。
まとめ
ここまでで成犬のおねしょの原因と対策をご紹介してきました。対策は以下の通りです。
- 獣医師に診察してもらう
- おねしょシーツやオムツを使う
- おねしょをして汚れたシーツを片付ける
- 散歩をこまめにする
- 食事を見直す
- おねしょをしても叱らない
このような対策と、ペットの性格や気質を見てその子に合った対処をすることで、ペットにも自分にも負担の少なく過ごせるのではないでしょうか。
ペットも人と同じ生き物です。犬も人と同じようになかなか思うようにはいきませんが、いざ、おねしょをしたときには、本記事を参考にして、お互いが少しでも楽に過ごしていけるようにしていきましょう。
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