外転枕というものをご存知でしょうか?外転枕は変形性股関節症の術後の管理のために使用されることがある枕です。人工関節全置換術や人工骨頭置換術の手術が行われた後に、脱臼を予防するために使用されます。
このような病気にならないと、外転枕を使うことはほとんどないでしょう。しかし、このような病気にいつなるかは誰にもわかりませんので、情報として知っておくなら役に立つことでしょう。
外転枕は足に挟むもしくは脇の下に挟んで使用します。挟み込むことによって股関節や肩が内転し脱臼するのを防ぐというわけです。
枕と聞くと頭を乗せるのに使うものと思うかもしれませんが、外転枕はそのようなものではなく、腕や足の内転を防ぐための医療器具のひとつです。
この記事では外転枕についてもう少しご紹介してみたいと思います。外転枕はどのように使用されるのでしょうか?術後どれくらいの期間使用されるのでしょうか?ご紹介してみたいと思います。参考にしてみてください。
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外転枕とは?
外転枕と言うと、素人目には回転する枕のような印象があるかもしれません。外転枕は決してそのようなものではありません。そもそも外転とはどのような状態のことを指して用いられるのでしょうか?
外転というのは背骨から腕や足が離れていく動きのことを指して用いられます。つまり両腕を左右に広げる、両足を肩幅に開くなどの運動はすべて外転と呼ばれる運動なのです。
肩や股関節の手術をした後は、このような外転状態をある程度保っておかないと、外転の反対の動きである内転によって関節が脱臼してしまう恐れがあります。
それで外転枕と呼ばれる専用の器具を挟み込んで、脱臼を防ぐというわけです。
外転枕の使用方法2つ
外転枕はどのように使用されるのでしょうか?
先程から少し述べていますが、外転枕は体から腕や足がある程度離れた状態を保つために用いられます。ですから、外転枕は腕や足を乗せるものではなく、腕や足の間に挟み込むようにして使用されます。
腕に使用する外転枕
腕と体の間に挟み込む外転枕は、腕を吊りながら行われます。手術をした後の腕を専用の器具で肩から吊り下げ、その腕と体の間に専用の外転枕を挟み込みます。
外転枕が外れないように枕は胴体の方にも固定されます。このようにして肩が内転するのを防ぎ、それに伴う脱臼を避けることができるのです。
股関節に使用する外転枕
股関節に使用する外転枕はどのようなものなのでしょうか?色々な形がありますが、多くの場合足で挟み込みやすいように三角形の形状をしています。
その外転枕を両足の間に挟み込み、ずれないように付属のベルトで固定します。また、コの字型をした外転枕もあり、横向きの姿勢で片足は枕の下に、もう一方の足はまくらの上において挟み込むようにする場合もあります。
どのような外転枕を使用するかは担当の医師によっても異なることでしょう。
外転枕はどのくらいの期間使用するのか?
外転枕は普段何気なく行なっている動作を制限するために使用されます。もちろんそれは痛んだ箇所、手術した個所を悪化させないために使用されるわけですが、自然な動きができなくなるため、外転枕の使用は体に不快感を与えるものとなるでしょう。
では、外転枕はどれくらいの期間使用する必要があるのでしょうか?
外転枕の使用期間に明確な定めはありません。外転枕を使用する期間は手術した人工骨がいかに体になじんでいるかによって判断されます。それは人それぞれ異なることでしょう。
このような関節の手術をした場合、組織の修復のために3週間ほど必要になりますので、最低3週間は外転枕を使用することになるでしょう。
担当の医師に、どれくらい外転枕を使用する必要があるのかを聞いておくなら、外転枕使用中の不便さに耐えることができるでしょう。
まとめ:外転枕は普通の枕ではなく医療目的使用される器具のこと
この記事では、外転枕がどのようなものなのかということについてご紹介致しました。参考にしていただけたでしょうか?
外転枕はただの枕ではありません。関節を手術した時に伴う脱臼を防ぐために使用される医療器具のことです。
肩や股関節などの手術をした後には、外転枕を使用して関節が内側に入るいわゆる内転と言われる動きを防ぎ、関節が脱臼するのを避けます。
外転枕は普通に行なうことができる体の動きを遮る働きをしますので、長期間の使用は体に不快感を与えるものとなるでしょう。しかし、関節をしっかり治すためには必要な治療です。
担当の医師にどのくらいの期間外転枕を着用する必要があるのか聞いておくなら、治療に専念する助けになるでしょう。
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