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カビ取り剤の効果と正しい使い方

お掃除の悩みの種、それは落としても落としてもキレイにならない頑固な「カビ」です。主にみられるのは、お風呂場などの水回りだと思いますが、一度生えてしまったカビは取り除くことはできないと思っていませんか?実は、カビを根本から除去し、簡単にカビのお掃除が出来る方法があったのです。

それは、「カビ取り剤」を使用することです。このカビ取り剤を使用することにより、簡単にカビを除去することができ、さらに使い続ける事で防カビまでしてくれるのです。今回は、そのお掃除の味方の「カビ取り剤」について、詳しくお話ししていきたいと思います。

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そもそもカビとは?

カビとは、真菌の仲間で、糸状構造を有することから「糸状菌」とも言われます。1㎜以下の肉眼では見る事の出来ない「微生物」です。分類上の仲間は、酵母やキノコがあります。

カビが発生しやすい条件

カビが発生しやすい条件としては、温度、湿度、空気、養分がそろう事です。まず温度は、20度~30度が活発に発生します。ただし、30度以上になると発生は衰え始め、36度以上では発生が殆ど止まります。
また、低温度でも生えます。例としては、冷蔵庫の中でもカビが生えてしまう事です。

次に湿度は、空気中の水分が多いほどカビは発生しやすいです。空気中の相対湿度(RH)が92%以上で生え方が著しくなるカビもありますが、ほとんどが80%から生えるカビです。カビには酸素が不可欠です。カビの菌糸や胞子が素材の表面に生えるには酸素が必要だからです。菌糸を素材内部に伸ばすのは栄養を得るためです。

カビの養分は、タンパク質、炭水化物、アミノ酸、脂肪、無機塩類などで出来ています。これらの栄養を外から自力で摂取しなければなりません。また、植物に属しても光合成はできないので、有機物質を必要とします。例えば、木材や石膏ボード、接着剤やシーリング材です。ただし、ビタミン類は自力で合成できます。

カビの種類

カビの種類は様々ですが、主に住環境で目につくカビは限られています。湿った場所には、クロカビ・アオカビ・コウジカビ・ススカビ・アカカビなどが生えます。乾いた場所には、カワキコウジカビ・アズキイロカビなどが生えます。

カビの構造

ここでお話しするカビは、身近にごく普通に見られる「コウジカビ」を例にしてお話しします。コウジカビの構造は、分生子柄は大型のもので1㎜くらいまで伸び、基質から立ち上がります。柄の先端は丸くふくらみ、頂のうと呼ばれます。その表面に分生子成細胞である紡錘形のフィアライドを一面につけます。フィアライドの先端からは分生子が出芽状に形成されます。

分生子が成熟すると、分生子を押し出すように新しい分生子が作られ始めます。その結果、フィアライドの先に新しい物から古い物へと続く分生子の鎖が出来ます。頂のうを中心に針山のように分生子の真珠がつき、古くなるとそれが壊れていくのです。この様子は、古くならないうちは肉眼で見る事ができ、ごく小さな毛玉が並んでいるように見えます。分生子は深緑、褐色、黒などの色をしています。

カビ除去のメカニズム

カビの除去のメカニズムとしては、物理的に処理する方法と、科学的に除去する方法があります。物理的に除去する方法としては、見えるカビをこすり落とす方法が一般的です。しかし、奥深くまで根付いたカビは、物理的に取ることは難しいことがあります。
一方、科学的に除去する方法としては、「カビ取り剤」をしようする方法があります。これをつかえば、深く根付いたカビを根本から除去することが可能です。

次ページ:カビ取り剤の種類

カビ取り剤の種類

カビ取り剤は、清掃用品が売っているコーナーを見ても分かるように、様々な種類がありますが、実際にどのようなもので、どのように効果を発揮するのか分かりません。次は、カビ取り剤の種類をご紹介致します。

塩素系カビ取り剤の効果

カビを除去するには、次亜塩素酸ナトリウムがうってつけの成分です。これには、カビの細胞を科学的に変化させたり、分解させる作用があるので、カビ退治には効果的です。又、この成分には漂泊の効果もあるので、カビが出した色素の痕までキレイにできるのです。

塩素系以外のカビ取り剤

塩素系以外のカビ取り剤は、主に2種類あります。

1つ目は、過炭酸ナトリウムなどをつかった「酸素系」のものです。もう一つは、乳酸などを使った「有機酸系」があります。こちらのものは、塩素系のカビ取り剤に比べて成分も効果もマイルドになっています。よって、塩素系に比べて効果は期待できませんが、成分が弱いため、使用する際に危険があまりありません。お子さんがいる家庭などにはおススメです。

壁紙クロスなどには重曹やお酢が効果的

壁紙やクロスなどに、黒い斑点が出来ていると、もしかしたらそれは「カビ」かもしれません。
しかし、壁紙やクロスなどには塩素系のカビ取り剤を使用するのは危険です。塩素系独特の臭いが部屋中に充満してしまい、身体に害を及ぼす可能性があるからです。また、赤ちゃんなどがいるご家庭では、誤って口の中に入ってしまう可能性もありますので、危険です。

そんな時に、カビ取り剤として使えるのが、「重曹」や「お酢」です。なぜ、カビ取りに「重曹」や「お酢」が効果的なのでしょうか。重曹には、カビが好む石鹸カスや、様々な油汚れを分解してくれる成分があります。又、お酢には殺菌効果があるので、カビを死滅させる効果が期待できます。このような事から、壁紙やクロスには、成分的にも安全な重曹やお酢がおススメなのです。

方法としては、準備するものとして
・お酢
・重曹
・ウエス又は雑巾
この三つです。

次に掃除方法ですが
1・「お酢」をつけたぞうきんなどでカビを拭き取る
2・水に溶かした「重曹」をスプレーで吹きかけ、仕上げに拭き取る
以上です。

とても手軽に行えます。しかし、上記の方法でもキレイにならない場合や、すぐにまた同じような黒いカビが現れたら、それは壁紙やクロスの下にカビが広く繁殖している可能性があります。その場合には、もう自分では除去できない可能性がありますので、業者さんに相談してみると良いと思います。

カビ取り剤の効果を発揮するには空気が必要

効果が期待できるカビ取り剤は、主に「塩素系」のカビ取り剤といわれ、「次亜塩素酸ナトリウム」という化合物が主成分で出来ています。この成分が空気中の「炭酸ガス」と反応して、次亜塩素酸にかわることでカビの組織を分解し、菌糸に含まれる「メラニン」などの色素を漂泊してくれるのです。
なので、カビ取り剤の効果を発揮するには、空気が必要になってくるのです。

 

カビ取り剤の効果を最大限にするための事前準備

せっかくお掃除をするなら、きちんとキレイにしたいですよね。次は、カビ取り剤の効果を最大限にするための事前準備をご紹介します。これをしておけば、カビに効果的な掃除をする事が出来ます。

カビの上の皮脂汚れや石鹸カスを除去しておく

カビの上に皮脂汚れや石鹸カスなどが付いたままの状態だと、カビ取り剤が密着しにくく、効果が十分に発揮できないので、あらかじめ浴室用洗剤を使ってしっかり落としておくことが大切です。黒っぽい汚れでも、カビではなく浴室用洗剤で落とせる汚れの場合もあります。浴室用洗剤でも落ち切れなかったところや、普段カビが生えやすい場所を中心に、カビ取り剤を使うようにします。

水分を十分にふきとっておく

壁や床などが濡れた状態のままカビ取り剤を使用すると、薬剤が薄まったり、密着しにくくなったりして効果が弱まってしまいます。きちんと水分を拭き取るなどしてからカビ取り剤を使用しましょう。

次ページ:適切な用量を確認する

適切な用量を確認する

カビ取り剤を大量に使ったからと言って、カビが落ちるわけではありません。カビ取り剤は空気に触れる事でより効果を発揮するので、大量に使うのはむしろ逆効果です。きちんと容量を確認して使用してください。

壁のカビは目地に合わせて横方向にする

カビ取り剤をスプレーすると、自然に下にたれてくれるので、その性質を利用して、「横方向の溝」にスプレーをすることで、タイルの目地に液が溜まりやすくなり、効率的にお掃除が出来ます。

顔より高い位置は目に入る危険があるので直接ふきつけるのは避ける

これは、薬剤がたれ落ちてきたり跳ね返ってくる事を回避するためです。カビの部分にだけカビ取り剤が付けばよいので、布などにカビ取り剤をスプレーして軽くたたくようにして付けていきます。この際、ごしごしとこする必要はありません。

正しい使い方を確認する(こすらない)

カビ取り剤をかけた後は、すぐにブラシなどでこすることはやめて下さい。カビ取り剤は、カビに浸透して、化学反応によりカビの組織を分解、漂泊して落としているので、ごしごしこすってしまうと成分が上手く浸透せずに効果が得られない可能性があります。きちんと効果を得るためには、そのまま待ってください。

カビ汚れが集中している箇所はティッシュペーパーをかぶせて垂れさせない

薬剤がたれやすいので、垂直面や浴室の隅、ゴムパッキンなどのしっかり効かせたい箇所は、細くしたティッシュペーパーなどを使って、カビ取り剤を湿布しましょう。

適切な使用時間を確認しておく

カビ取り剤を浸透させることに徹しすぎて、長時間おいてしまうと材質を傷める危険があるので、使用する際の説明書きをきちんと確認して、使用時間を守ってください。

1度で落ちなかったら何度か実施してみる

上記でもお話しした通り、長時間おくことはできないので、1度で落ちなかった場合には、数分おいて水でよく洗い流すことを、何度か繰り返す方法を取ってください。

おすすめカビ取り剤

カビ取り剤には様々な種類があります。ここでは、その中でも特におススメしたいカビ取り剤をご紹介したいと思います。

バイオ お風呂のカビきれい カビ予防 (交換目安:約6カ月)

こちらのカビ取り剤は、浴室の天井中央に取り付ける事により、バイオがカビや悪臭の原因となる物質を抑える防カビ剤です。繁殖しながら、浴室内を酵素でコーティングし、その活動を繰り返すことにより、浴室内のカビの繁殖を防ぎ、汚れにくくしてくれます。

ルック おふろの防カビくん煙剤 せっけんの香り 5g×3個パック

こちらのカビ取り剤は、除菌成分の「銀イオン」の煙が、天井や換気扇の裏までいきわたり、黒カビの原因菌(カビ胞子)をまるごと除菌してくれるカビ取り剤です。1~2ヶ月に1回の定期的な使用により、「銀イオン」の防カビ効果が高まります。カビ取り剤を使わない普段の掃除だけで、きれいな浴室を保つことが出来ます。

カビトルデス PRO 防カビ剤配合(持続効果 約1ヶ月) 強力密着ジェルタイプ 150g

こちらのカビ取り剤の特徴は、なんといっても「赤色のジェル」です。ジェルタイプなのでカビにしっかりと密着し、有効成分が奥まで浸透してくれて、カビを効果的に除去してくれます。ジェルタイプなので、飛び散る心配もありません。又、赤色の樹脂ビーズ入りなので、塗ったところが分かりやすくて便利です。塩素系にありがちな特有のツンとした臭いも少なく、不快感がありません。

カビキラー特大サイズ 本体 スプレータイプ 1,000g 【カビ取り剤】

こちらのカビ取り剤は、落ちにくいカビの根の奥にも強力に浸透するカビ取り剤です。お風呂場のゴムパッキンなどに入り込んだしつこいカビにも浸透し、効いてくれます。又、容量も1000gと大容量なので、年末の大掃除などの隅々まで掃除をしたいときにおススメです。

カビ革命 液体 (ストレートタイプ) 500ml

こちらのカビ取り剤は、従来の「カビを殺す」といった考え方とは違い、「カビを生やさない」といった新発想の薬剤です。これは、カビの菌や細菌表面の水の出入りを壊し、カビや菌自体を繁殖させないという仕組みになっています。防カビとしておススメです。

まとめ

いかがでしたか?カビは微生物なので、そのまま放置しておくとどんどんと繁殖していってしまします。カビは、人の身体に害を与えるものなので、家族のためにもきちんと除去してあげて下さい。

今回ご紹介したカビ取り剤の中の、「塩素系」と呼ばれるものはとても成分が強く、使い方に注意をしなければ有害なガスを発する恐れがありますので、きちんと使用方法を確認し、守ってお使いいただくようお願い致します。

頑固なカビは取れないと諦めていた方、カビ取り剤を使って頑固なカビを一気に除去してみて下さい。

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