お風呂は日常における手軽な健康法の一つですが、長く浸かり過ぎてのぼせてしまったりうっかり寝てしまいそうになったりして危うく溺れそうになるなど、一歩間違うと危険も潜んでいるものなので気を付けなければなりません。
ですが具体的にどう気を付ければ良いのか、どれくらいの温度の湯船にどれくらいの間どのように浸かるのが一番良いのか、色々な情報が行き交っていて結局何が正しいのか分からなくなってしまいがちですよね。
そこで本記事では、どんな長風呂が良くて悪いのか、その他危険を伴う入浴と正しい入浴の仕方について勉強していきたいと思います。お風呂にまつわる正しい知識を身につけて、長く楽しくバスタイムを過ごしましょう。
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長風呂はどう危険なのか
昔から「お風呂は肩まで浸かってゆっくり100数えてから出なさい」なんていうのが有名で、幼い頃そうして育ってきた方も多いのではないでしょうか。
それが本当に100秒間のことであれば1分40秒ですのでそんなに長い時間ではありませんが、おそらくお風呂には長くたくさん浸かった方が良いという昔の人の偏った知識から広まった例えであると思われます。
一概に長風呂が悪いというわけではありません。では一体長風呂にはどんな危険が潜んでいるのでしょうか。一つずつご説明していきます。
1.乾燥肌
一つ目は、乾燥肌の原因となります。
美容の為にゆっくりお風呂に浸かって汗をかくようにしていた方には衝撃的すぎる真実かと思いますが、長時間お風呂に浸かっていると体が温まって毛穴が開いたことで水分が蒸発しやすくなったり、角質が水分を抱え込んで膨張してしまいます。
つまり、お肌の潤いを保つ為の成分である皮脂とセラミドを流出してしまったりするので肌の乾燥が進んでしまうのです。
特に女性の場合はメイクを落とす際に本来必要な油分までもを一旦取ってしまっているので、すでに肌が乾燥した状態であることが多く長風呂によってさらに乾燥に拍車をかけているのです。お風呂の湿度に紛らわされてはいけません。
また汗をかくことで毛穴の汚れが取れるというのも誤解で、無理やり汗をかきすぎるとただの汗かきな体質になってしまいます。
2.心筋梗塞
普段、体は汗をかこうとすると血液がドロドロになって流れにくくなります。
さらに、平熱であれば血小板はスムーズに流れやすい形をしているのですが、体温が2度上昇するとそれがたちまちうまくいかなくなってしまいます。いつ血管が詰まってしまっても不思議はない状態となるのです。
それに加え42度なんて熱いお風呂に入ろうものなら血圧が激しく上下しますし、胸まで浸かることで心臓に負担がかかるので心筋梗塞をはじめ、脳出血や脳梗塞などの危険も招きます。高血圧の人であれば入浴後2分間で急激な血圧の上昇に見舞われて、倒れてしまうこともあるのです。
3.ストレス
現代人は社会生活においてストレスを感じることが多く副交感神経があまり働いていないのだそうで、お風呂に浸かるとその副交感神経が働き出し、体を癒してくれるのです。
しかしのぼせるほどの長風呂をしてしまうと、副交感神経が交感神経に代わりたちまちストレスを誘引してしまうのです。
また熱いお湯は一見体が温まるイメージですが、実は皮膚を強く刺激してしまい体にとってストレスとなります。
さらに、疲れが取れるからと30分以上ゆったりと長風呂をすることで、疲れを取るどころか長距離走をするのと同じくらいの体力を消耗してしまうのです。
どうしたら長風呂を楽しめるのか
あらゆる危険性を学んでいただいたところで、次はどのような入浴方法が正しいのかお教えしていきたいと思います。
お湯の浸かり方は主に3つありますので、3通りに分けてご説明していきます。
1.半身浴
長風呂をしたい人に一番おすすめしたい入り方が半身浴です。
半身浴とは、浸かったときに胸の下あたりに水位が来るようにお湯をはって入ることです。これならば30~40分程入っても大丈夫です。
上半身が寒いと感じる場合には、肩にタオルなどをかけておくと良いです。また、お湯が冷めないようにフタを途中までかぶせるようにしましょう。
2.全身浴
半身浴では寒い、やっぱり全身浸かりたいという人は、10分以内にとどめればあまり体の負担にはなりません。ただし温度はぬるめの38~39度で。
前半は半身浴で後半はお湯を足して全身浴をするという手もありますし、分散浴と言って、10~15分湯に入って、2~3分お湯から出るというのを繰り返す入浴法もあります。このほうが同じ温度のお湯に続けて入る通常の入浴より、体が温まって湯冷めしにくいと言います。
3.寝浴
半身浴と同様、長く入るのに向いているのがこの寝浴です。
お湯の浮力を利用して、半身浴よりもリラックス出来ます。また、一見全身浸かっていて体に負担がかかるのではと思ってしまいますが、お湯に浅く浸かっているので水圧の影響が減り、心臓への負担は通常よりも軽くなります。
家庭の浴槽で寝浴をする場合は、お湯を少なめにはって浴槽に対角線状に横たわったり、通常通りお湯をはっても、お風呂用の椅子を浴槽の中央付近に置いて、そこにお尻を乗せて横になれば、プカプカと浮いて、安らぎ効果を得られます。
これら3つの入り方と併用して、お湯に保湿効果のある入浴剤を入れると、前述した乾燥の問題にも対処できて安心です。
まとめ:安全を考慮した長風呂なら大丈夫!
結局のところ、娯楽には危険が付き物とでも言いましょうか。熱いお湯に浸かることに快感を覚えてしまうのには実は科学的根拠があって仕方のないことだったりするのですが、上記のような危険が潜んでいるということを決して忘れないようにしましょう。
お風呂を楽しみたいのであれば、激しい運動の後や飲酒後、または食後すぐにお湯に浸かるのは我慢していただきたいです。
正しい入浴の仕方をした上で音楽を聞くなり読書をするなり、好きなことをする時間にあてて長風呂を楽しんで下さい。
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