睡眠中にいびきをかいたり、寝言を言うことはたまにあることですね。それと同様に、寝ているときに急に笑い出すことはありませんか。こういった場合、自分では自覚がなく、家族に後で知らされてびっくりする場合がほとんどでしょう。
人が睡眠中に笑う原因は様々ですが、ことによっては病気の可能性も考えられます。もしそういった症状がある人は、一度自分の症状を詳しく確かめてみた方がいいでしょう。
本記事では、睡眠中に笑う症状の理由と、その症状に関連する病気についてご紹介します。ご自分や家族が寝ているときに笑ってしまう方は、本記事でその原因についてチェックしてみて下さいね。
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睡眠中にどう笑っている?
睡眠中に笑うといっても、理由や症状は様々です。症状としては、以下のようなものが見られます。
- 急に「ふふふ…」と笑い出す。
- 笑いながら寝言を言う
- 自分の笑い声ですぐに目が覚める
- 起きているかのようにげらげら笑う
理由は後述しますが、“起きているかのようにげらげら笑う”という症状が見られる方は注意した方がいいでしょう。
睡眠中にどうして笑うのか
人が睡眠中に笑う状況・理由は、以下のように分類することができます。
レム睡眠
人は寝ているときに、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を交互に繰り返しているのです。レム睡眠中は脳が働いているので、夢を見ます。このとき、脳の指令が身体に伝わって動いてしまわないように、脳が自分で伝達を制御しています。
しかし、何らかの理由で脳の制御が弱まることで寝言を言ったり、笑ったりという症状が起きてしまいます。決して喜ばしい症状ではありませんが、寝ているときにときどき笑う程度であれば心配はないでしょう。
自律神経のバランスの乱れ
自律神経のバランスが乱れてしまうと、睡眠時に交感神経の働きが活発になり、眠りが浅くなってしまいます。つまり、レム睡眠の割合が多くなってしまうのです。その結果、睡眠中に頻繁に笑ったり寝言を言ったりという症状が起こることになります。
寝ているときに笑う、という症状自体に大きな問題はありませんが、浅い眠りが長時間続くことで疲れがとれにくくなり、やがて疲労が蓄積していくことになってしまいます。
自律神経のバランスが乱れる原因として主なものの一つが、ストレスです。
不規則な生活を送ることで生じる身体的ストレスや、さまざまな要因による精神的ストレスが考えられます。心当たりがある場合は、そのストレスの元を取り除くことで眠りも深くなります。
レム睡眠行動障害
注意していただきたいのが、睡眠中にゲラゲラ笑うという症状がある場合です。この症状が見られる場合は、レム睡眠行動障害を起こしている可能性が考えられます。
レム睡眠時は脳が覚醒している一方、脳からの指令が抑えられるため身体が動かないようになっている、そして何らかの理由でその制御が弱まるために笑いや寝言が見られる、というのはご承知の通りですね。
この制御がさらに弱まると、夢の内容そのままに身体が動いてしまいます。これをレム睡眠行動障害といいます。
レム睡眠行動障害とは
レム睡眠行動障害は50~60代の男性に多く見られる睡眠障害の一種で、下記のような症状を伴います。
- 暴力的な夢や、追い詰められているような夢を見る
- 睡眠中に叫ぶ、怒鳴る、泣く、大笑いなどが見られる
- 睡眠中に殴る、蹴る
- ひどいいびき、歯ぎしり、うめき声
- 立ち上がる、動き回る
そして、さらには睡眠中に怒鳴りながら暴れるという症状にまで発展していきます。また、夢の内容をはっきり覚えている症状も特徴的です。
レム睡眠行動障害が警告してくれること
この睡眠障害は、症状そのものの恐ろしさというよりも、他の病気の前駆症状である可能性が高い点に注目されます。
全体の60%は原因不明ですが、この睡眠障害が見られる場合は以下の病気になる可能性が考えられます。
- 脳変死疾患
- パーキンソン病
- 脊椎小脳変性症
- 脳腫瘍
しかし、既に上記の病気にかかっている可能性も同時にあります。レム睡眠行動障害の症状がはっきりとみられる場合は、早めに病院に行くことをおすすめします。
まとめ:ひどい場合は病院へ
本記事では、睡眠中に笑ってしまう3つの理由と、それから考えられる病気についてご紹介してきました。その理由について、もう一度おさらいしてみましょう。
- レム睡眠
- 自律神経のバランスの乱れ
- レム睡眠行動障害
睡眠中に笑う症状が見られても、大抵の場合は気にすることはありません。しかし、大声で笑うような症状がはっきりと見られるようであれば、早めの受診がベターです。
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