わたしたちの頭をいつも悩ますキッチン収納。限られたスペースにストックされた沢山の道具や食品。そしてモノたちは日々消費され、買い足されていきます。そんな目まぐるしくモノが回転していくキッチンを、どうすればキレイに、使いやすくできるのでしょうか。
無意識・無計画な収納では、使いづらくなる一方。使いやすくなるアイデアなくしては、美しいキッチンへの道は遠い!ごちゃごちゃしてしまうキッチンの気になる収納アイデア、ご紹介します。
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目次
キッチン周りの悩み
上部収納棚に手が届かない
限られたスペースの中で、無駄なく収納スペースを確保できる上部収納。でも位置や高さによっては使いづらくなってしまうことも。
吊戸棚の場合。身長165cmの人であれば、下端が床から約145cm、キッチン台からは75cm前後が使いやすいと言われています。それより低いと、手は届きやすいけれど、対面キッチンの上部にある場合は顔が隠れてしまいます。
それ以上に高い位置となれば、扉の開閉にいちいち背伸びをしたり、手がまったく届かずに毎度踏み台を必要としたり、日用品の収納には向かなくなってしまいます。
また、賃貸の場合は標準的な身長をベースに取り付けられているので、背の低い人には手が届かずに使い勝手が悪いということもあります。
調理台の下の収納は出し入れが面倒
調理台の下の収納は、引き出し式か、観音開きまたは方開き式の場合がほとんどでしょう。引き出し式のメリットは、引き出せるので奥が見やすいこと。デメリットは、積み重ねてしまうと一番下のものがわかりづらく、取りづらいこと。
観音開きや方開きのメリットは、収納を横から見たり、取り出したりすることができるので、モノの場所がわかりやすいということ。デメリットは、棚の奥は工夫しなければデッドスペースになることです。
このように収納のタイプによって特徴が異なるので、間違った収納方法を選択していると、出し入れが面倒になることがあります。
また、よく使うものを奥へしまっていると、出し入れにムダな手間がかかることも。道具の使用頻度も考えて収納場所を決めないと、ストレスフルなキッチンになりそうです。
調理道具が収納しきれない
毎日の料理に欠かせない調理道具。日々料理をする人であれば、ひと通りのものは揃っているでしょう。
家庭にある鍋の平均的な数は4~6個。包丁は2~3本。まな板は2.3枚と言われています。ここに、幾つかのボールやザル、何本かの菜箸やおたまなども加わり、さらにはミキサーやホットプレートなどの大物も…となれば、標準サイズのキッチンでも収納は常に足りない状態ではないでしょうか。
また最近は、100円均一などで気軽に調理の便利グッズが手に入るようになりました。それに伴って、調理道具は増えていくばかり。細々したものから大きいものまで、サイズも多種多様。使用頻度や使用シーンもさまざまなので、収納には頭を悩ませられます。
食器がしまいきれない
ついつい増えてしまう食器。考えなしに増やしてしまうと、限られた収納場所の限界をすぐに迎えてしまいます。家族が増える毎にも自然とアイテムが増えるので、結婚前や出産前から住んでいるお宅の場合は、慢性的な収納不足に陥りがちです。
コップは、家族のメンバーによって使用サイズが異なったり、気分で気軽に購入してしまったり、増えやすいアイテム。また小鉢やお皿は、結婚式の引き出物に採用されることも多く、頂き物として自然と手元に集まってしまうこともあります。有効活用したくても行き場を失い、しまいこんでいるお宅も多いかもしれません。
調味料やストック食品がごちゃごちゃしている
調味料もまた、つい増えてしまうもののひとつ。出汁、しょう油、酒類、スパイスやハーブなど、入れ物も量も多種多様な調味料たちをきっちり整頓するのは大変なことです。しかも日々使うものなので、一旦はキレイにしても、その通りを持続させるのは骨の折れる作業と言えるでしょう。
また週末にまとめ買いするスタイルの家庭では、一週間にストックする食品量はかなりのもの。常備品の収納先はわかりやすくしないと、賞味期限切れの食品が後でたんまり見つかるという悲しい出来事にも遭遇しやすいです。
収納のコツ
在庫チェックはマメに
調味料は安いときに買いだめしていたり、缶詰や乾物は長期にわたって収納していたり、何かと量が増えがちです。前述したように収納量や収納場所を事前に決めて、こまめに在庫管理をしないと、賞味期限が切れて使い物にならなくなることも。
賞味期限の迫ったものは積極的にメニューに取り入れる。賞味期限に余裕があっても、決めた期間内に回転良く使っていく。など、継続的な運用方法を考えていくことが大切です。
いつもストックする食品が決まっている場合は、購入日を決めておくのも手。月に一度の買い物で良ければ、毎月1日としたり、スーパーのポイントアップデーにしてみたり、お得にムダなく購入できれば、スリムな家計になると同時に整理整頓も気持ち良くできるのではないでしょうか。
消費できるものは消費する
すでにストック食品で収納場所があふれかえっている場合は、片付けたい場所にある食品を念頭に置いた献立を考えていきましょう。子どもがいる家庭であれば食材の必要数も多くなるので、数日もすればスッキリとしてくるハズ。
また災害時の備蓄品のチェックも忘れずに。
賞味期限が3年などの長期にわたる飲料水なども、気付いたときには期限が迫っていたということがあります。家族分の飲料水を備蓄していれば、飲むだけではすぐに消費できないので、調理用の水分に利用することをおススメします。特に味噌汁やスープ、煮込み料理では水を多く使うので、消費献立に最適です。
道具を買い過ぎないこと
新しい調理道具の購入を検討するときには、今使っている道具の状態や収納場所などを考慮しましょう。料理の頻度やスタイルを考えて、鍋やフライパンの数や形などを先に決めておく。そして、それに合わせた収納場所をつくっておけば、あとは入れ替えていくだけです。
この「入れ替える」ということが結構重要。増やしてしまうと場所が足りなくなるからです。新しいアイテムを買うときは、今使っているものを処分するときであれば、収納問題を気にせずに、気持ちよく手に入れることができるでしょう。
モノの分別を行なう
「モノを仕分ける」という姿勢も、キレイさを保つポイント。例えば食器の収納場所。普段使いの食器は手の届きやすい食器棚の腰高の位置に、来客用は使用頻度が少ないので、吊戸棚の上部や調理台の下などの取り出しにくい場所でも構わないとする、などなど。
役割別に仕分ける基準を自分の中に持っておくと、毎度悩まずにも手早く判断できるようになります。
その際には、色々な気づきもあるでしょう。「この食器はあまり出番がないな」「家族全員ワンプレートディッシュにすれば、洗い物も減るし、収納場所も少なくて済むかしら…」というような考察は、モノの断捨離をしやすくしてくれるでしょう。
ほとんど使っていない食器を思い切って処分してみたり、出番が多すぎて汚れが気になるものを休ませてあげたり、色々と試してみてくださいね。
吊戸棚を有効利用する
対面式が多いイマドキのキッチンでは、目線の位置に収納をつくれません。そこで、吊戸棚に収納力を頼ったつくりになることが増えています。吊戸棚の有効利用は、キッチンの収納力アップに直結すること間違いナシなのです。
取り付け位置にもよりますが、「下段は踏み台ナシでも届く」という場合は、よく使う小さな調味料や、封の空いた乾物、お茶類などの収納におススメです。調理中に取り出しやすく、かつ湿気の少ない場所なので、ジメジメを嫌うものには最適の場所なのです。
一方で上段は、女性には踏み台が必要だったり、背伸びをしなければならなかったり、出し入れにはひと手間かかる場所。季節ものの道具や、割りばし・紙コップなどのレジャー用品のようにストックの要素が大きいものなど、使用頻度の低いものの収納場所に向いているでしょう。
ラックを活用する
キッチンに作り付けの収納棚がない場合。電子レンジや炊飯器などの家電製品も含めて、収納不足は否めません。そんなときには、手持ちの器械や道具に合ったラックの導入を検討してみてください。オープンラックならサイズや素材・色も豊富。ネット通販でも選択肢が幅広く、好みのものが見つけやすいです。
大切なのはサイズ。キッチンに確実に収まるよう、面倒臭がらずに寸法を正確に測りましょう。サイズ表記には内寸、外寸の2種類があるので、お間違いのないよう。
またセルフで組み立てるタイプも多く、安定感を求めるがゆえに頑丈すぎて、女手では組み立てに苦労したという話も。安価なものも多く、気軽に買ってしまいがちですが、自分に合ったものを慎重に選んでくださいね。
つっぱり道具を上手に使う
今や収納上手の定番アイテムに輝くつっぱり棒。数多くの収納アドバイザーや整理整頓好き主婦たちが活用法を紹介しています。
棒を2本使って、ゴミ袋を吊り下げる&前から押えてずり落ち防止。調理台の前に壁があれば、棒を2本立てた間にワイヤーネットやワイヤーラックなどを渡し、調味料や調理道具の収納棚に。
またオープンラックにまな板やお皿を立てて収納したいときに、棒を棚に対して垂直に前後2本配置。収納したいモノの厚みに合わせて間隔を空けながら何本か立てていけば、間仕切りとしても利用できます。つっぱり棒の可能性はまさに無限大です。
フック使いを楽しむ
つっぱり棒と並び、収納のスタンダードアイテムであるフック。特にS字フックは一家にひとつ、2つ、3つとある人気アイテムですね。S字フックと掛ける場所があれば、何でも収納できちゃうまさに便利道具。最近は100円均一でも耐荷重や取り付け方のバリエーションが増え、かけられる場所やモノの幅が広がってきています。
つっぱり棒との組み合わせワザで、コンロの前に調理道具をぶら下げて収納。またつっぱり棒がつっぱれない場所でも、S字フックが固定できれば、フックに棒をのせて使うことも可能です。
キッチンツールのような軽いものから、お鍋やポットなどの重たいものまで何でもOK。「これもいけるんだ!」という一風変わった達成感もある、ぶら下げ収納。あなたも楽しんでみてはいかがでしょうか。
筆者のおすすめアイテム3選
ファイルボックス
~調理道具はファイルボックスで立てる!~
手鍋やフライパンなどの道具は、調理台の下に収納することがほとんどですよね。そしていくつかある道具を何も考えずに重ねて収納しがち。でも、一番下になったお鍋やフライパンは明らかに取りづらい…。そこで活躍するのが、書類を整理するファイルボックス。
ボックス型で自立するものを道具の数に合わせて配置。その一つひとつに手鍋やフライパンを縦に収納していくと、上から取り出しやすく、見た目も整頓された収納の出来上がりです。
プラスチックやポリプロピレンなどの素材を選べば、ボックスを拭き掃除することも可能。清潔感も文句ナシでしょう。調理道具以外にも、お皿の収納などにもおススメです。
詰め替え容器
~調味料は容器を統一する!~
どうにも煩雑になってしまう調味料たち。しょう油、みりん、酒などの液体調味料の容器は、ビンやペットボトル、紙パック。一方で塩、こしょう、さとうは袋で購入して入れ物に入れ替えますよね。そしてハーブやスパイスなどは、小さなビンやプラスチック袋…。
こんなにもパッケージが異なるので、買ったままの状態でストックしようとすれば、ごちゃごちゃするのも無理ありません。思い切って、すべて同じ入れ物を用意してあげましょう。すべての寸法が揃うので、収納しやすくなります。また統一感が出て、見える収納としても良いかもしれません。
ちなみに収納の見栄えにこだわりたい人は、あらゆるものを決めた容器に詰め替えてみてください。無駄なパッケージデザインを削除することで、非日常感が出てグッとおしゃれになります。100円均一でも大手雑貨店でもあらゆる詰め替え容器が販売されているので、自分好みの一品を探してみてくださいね。
バスケット
~バスケットで食品をわかりやすく仕分ける!~
ストック食品の仕分けにはバスケットがおススメ。キッチン収納には、多種多様の食品が所狭しとストックされています。仕分けが甘いと、どこに何があるのかわからなくなり、使用機会を逃してしまいます。
そこで、種類別や使用頻度別など自分が運用しやすいように細かく仕分けし、それぞれをバスケットに入れてから収納。見やすく取り出しやすくなることで、買い足し時期もわかりやすく、また二重買いのロスも防げます。
バスケットはプラスチックやかごのようなもの、また最近ではアイアンバスケットも人気。趣味や使いやすさに合わせて選びましょう。
まとめ
大切なのは、「自分に合ったやり方」そして「楽しみながら工夫すること」。整理整頓はやろうと思えばいくらでもできますが、自分がそれを好んでやっていなければ苦痛でしかありません。
キッチンは食品やゴミなどを扱う場所なので、清潔さを保つことが第一。その上で、自分のできる範囲でキレイさを追求できれば、気持ち良く家事を行なえる場所になるのではないでしょうか。正解はありません。自らのアイデアを楽しみながら、日々の家事に取り入れていってくださいね。
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