最も多くの国で愛飲されている飲み物であるコーヒー。世界中の人に愛され、日本でも多くの種類のコーヒーが嗜まれています。コーヒー専門店は全国各地に存在し、焙煎された豆だけでなく、生豆を売るところも増えてきました。
最近では自宅でコーヒーを嗜む人も多くなってきました。そこで今回は、生豆からこだわるコーヒーの嗜み方について、お伝えします。
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目次
コーヒーとは
そもそもコーヒーとはなんでしょうか。コーヒー豆は本当は豆ではなく、コーヒーノキと呼ばれるアカネ科の常緑樹の種子です。
コーヒーノキの実には、通常1つの実に2つの種子が入っており、その種子を精製したもののことを「生豆」と呼んでいます。この生豆を焙煎すると、私たちがよく見る茶色のコーヒー豆となるのです。
コーヒーの歴史
コーヒーの伝説
コーヒーの発見には、大きく分けて2つの伝説があります。6世紀ごろのエチオピアを起源とするヤギ飼いのカルディの伝説と、13世紀のアラビアを起源とする僧侶シェークオマールの伝説です。
コーヒーの飲用の歴史
飲用の歴史は10世紀初頭にアラビアの医師ラーゼムが医薬として使用したのが最初と伝わっています。
13世紀中頃になって初めてイスラム教の一般教徒にコーヒーの存在が知られるようになり、14世紀中頃には当時のコンスタンチノープルに世界最古のコーヒー店「カーネス」が誕生しました。その後は度々コーヒー弾圧を受けながらも、世界中に広がっていきました。
日本におけるコーヒーの歴史
日本には18世紀に長崎の出島にオランダ人が持ち込んだと言われています。当時は江戸幕府の鎖国政策真っ只中であったことや、コーヒーの風味が日本人には合わなかったことから、なかなか日本ではコーヒーが普及しませんでした。
そんな中で1856年に初めてコーヒー豆の輸入が行われました。1864年には横浜で外国人居留地に住む西洋人に向けたコーヒーハウスが開店しています。
その後欧風の食生活が日本に紹介されるようになると、日本でもコーヒーが嗜まれるようになり、1868年に正式にコーヒー豆が輸入されるようになりました。初めは上流階級の一部だけが嗜んでいたコーヒーですが、大正初期には一般層にも普及されていきました。
コーヒーの種類
コーヒーノキにはいくつか種類がありますが、飲用に栽培されているのはアラビカ種とカネフォラ種ロブスタの2種類です。アラビカ種はストレート飲用に向いていて、カネフォラ種ロブスタはブレンドやアイスコーヒーで使用され、深いコクやパンチを与えます。
コーヒーノキは同じ品種でも産地ごとに自然環境や栽培法、加工方法によって味が変わります。そのため、ストレート飲用するものは産地によって分けられます。次の4つが代表的なものです。
- モカ(イエメン・エチオピア)
- ブルーマウンテン(ジャマイカ)
- キリマンジャロ(タンザニア)
- コナ(ハワイ)
また、コーヒーは飲み方の違いによっても分けることができます。主な飲み方の違いは次の5つです。
ブレンド
いろんな種類の豆の特徴を生かしつつ、複数のコーヒー豆が配合されたものです。ホットでもアイスでも美味しくいただけます。
アメリカン
浅煎り豆で抽出されたさっぱりした味わいのコーヒー。濃いコーヒーが苦手な人におススメです。
カフェラテ
エスプレッソに蒸気で温め泡立てたミルクをブレンドしたもの。イタリア生まれのコーヒーです。
カプチーノ
イタリアで好まれるコーヒー。エスプレッソに蒸気で温め泡立てたミルクを大量に入れます。カフェラテよりも泡の量が多めです。
カフェモカ
エスプレッソにチョコシロップと泡立てたミルクを入れたものです。甘くマイルドな味で女性に人気が高いコーヒー。
コーヒーの効果
コーヒーにはカフェインを代表とする、さまざまな薬理成分が含まれています。そのため、医学・薬学の両方から研究対象になっているほど。最近の研究では病気のリスクが減るという研究結果も報告されています。そんなコーヒーの優れた効果を見ていきましょう。
覚醒作用
コーヒーの効果として多くの人がすぐに思い浮かぶのが、覚醒作用ではないでしょうか。
眠気覚ましにコーヒーを飲むという人は多いでしょう。コーヒーに入っているカフェインには、中枢神経を興奮させ覚醒させる作用があります。しかし、カフェインは耐性がつきやすいためコーヒーを常飲している場合は、覚醒作用が弱くなってしまいます。
ダイエット効果
コーヒーが含むポリフェノールの中にはクロロゲン酸というものがあります。このクロロゲン酸とカフェインは、脂肪を分解する酵素「リパーゼ」の働きを活性化する機能を有することが、コーヒーはダイエットの味方だと言われるゆえんです。ただし、コーヒーを飲むだけで痩せるというわけではありません。
リラックス効果
コーヒーの香りが好きという人も多いですよね。実はコーヒーの香りにはリラックス効果があることがわかっています。コーヒーの香りをかぐと、右脳の情緒をつかさどる部分が刺激されα波が出ることから、リラックスできます。
二日酔いの防止
新鮮な煎りたてのコーヒーには、リン酸カリウムが含まれています。リン酸カリウムには血液循環を向上させる働きがあり、利尿や排便、発汗作用が促進され、肝臓が担っている解毒の仕事を減らすことができます。
そのため、お酒を飲んだ時にコーヒーを飲んでおくと、肝臓の働きを手助けすることができるので、二日酔いの防止に役立てることが可能となるでしょう。
コーヒーのいろいろ
コーヒーは生豆を焙煎した後にミルで挽き、ドリップしてから飲みます。単純に思われがちな工程ですが、実は焙煎の方法や豆の挽き具合、ドリップの方法によって、味わいがいろいろと変わってきます。同じ種類の豆でも焙煎や豆の挽き具合で違った雰囲気を楽しむことができることでしょう。
ここでは焙煎や豆の挽き具合、ドリップ方法についてみていきましょう。
コーヒーの生豆って?
そもそもコーヒーの生豆とはなんでしょうか。コーヒーの生豆とは、コーヒーノキの赤い実の中にある種子を精製したもののことを言います。実は、この状態では生豆は無味無臭です。コーヒー豆は焙煎されて初めて、私たちが良く知る素敵な香りと味わいが生まれるのです。
焙煎とは、そしてその違い
焙煎とは、油や水を使うことなくコーヒーの生豆を加熱乾燥することを言います。熱の入りが均等になるように、焙煎中にはコーヒー豆を攪拌します。浅煎りの方が焙煎時間が短いため、色合いも明るく味わいは酸味が出てきます。深煎りになればなるほど、色合いは黒く苦い味わいになります。
焙煎には次の4種類があります。
浅煎り
アメリカンコーヒーに向く。酸味が強く苦みはほとんどない。
中煎り
酸味と苦みのバランスがよく、色んなコーヒー豆に適用できる。
やや深煎り
酸味が少なくなり、苦みの方がよく感じられる。コーヒー豆の表面には油がでてくる。
深煎り
酸味はほとんどなく苦みが強い。アイスコーヒーやエスプレッソ向き。表面には油が出ている。
豆を挽く
生豆を焙煎したら、今度は豆を好みの挽き具合にしていきましょう。豆は細かく挽くほど色も味もよく抽出されます。豆の挽き方は次の5種類です。
極細挽き
上白糖ほどのパウダー状。エスプレッソやターキッシュコーヒーに向いている。
細挽き
上白糖とグラニュー糖の間くらい。水出しアイスコーヒーに向く。
中細挽き
グラニュー糖程度。ペーパードリップやコーヒーメーカーに向いている。
中挽き
グラニュー糖とザラメのミドル。サイフォンやネルドリップ向き。
荒挽き
ザラメ程度。パーコレーターなどの長い時間抽出するものに向く。
ドリップの方法
生豆の焙煎方法と豆の挽き具合がわかったら、美味しいコーヒーまであと一歩。コーヒーはドリップ方法でも味わいがずいぶんと変わってきます。ドリップ方法にはたくさんの方法がありますが、ここでは代表的な7種類を見ていきましょう。
ペーパードリップ
自宅で豆からコーヒーを入れるとなったら、ほとんどの人が思い浮かぶのは、ペーパードリップでしょう。ペーパードリップとは、紙のフィルターで抽出する方法です。台形型と円錐型があり、それぞれで淹れ方も味の系統も変わってきます。
ネルドリップ
ネルドリップは、布のフィルターを使ったドリップ方法です。ペーパードリップに比べると、繊維が緩くコーヒーオイルが抽出されやすいため、ダイレクトな味を楽しむことができます。微粒子が繊維にとどまるので、舌触りはなめらかです。少し粗めの豆でじっくり抽出すると良いでしょう。
コーヒーメーカー
スイッチひとつで手軽においしいコーヒーを楽しめるのがコーヒーメーカーです。ペーパー抽出タイプやカフェポットを使用したエスプレッソタイプなど、多種多様な種類が発売されています。
サイフォン
演出効果が高く、見ていて楽しいのがサイフォン。
サイフォンはアルコールランプを使用し、フラスコ内の気体膨脹を利用する抽出方法です。淹れた瞬間はとても薫り高いですが、抽出段階でコーヒー豆を焼いてしまうので、風味が犠牲になってしまいます。豆によって向き不向きがあるので注意が必要です。
フレンチプレス
紅茶でよく使われるフレンチプレスですが、実はコーヒーを入れるための道具です。コーヒーがお湯に触れている時間が長いため、コーヒーの深みがダイレクトに味わえます。
マキネッタ
2000年代に入って人気となったエスプレッソ。高圧蒸気で一気にコーヒーを抽出します。スターバックスで人気に火がつきました。そんなエスプレッソを作るために、イタリアの一般家庭にはマキネッタと呼ばれる直火式エスプレッソメーカーがあります。
ウォータードリップ
お湯ではなく、水からしっかり時間をかけて抽出する方法です。ウォータードリップすると、苦みが低減され、まろやかな味わいになります。ハリオなどが家でも使用できるの水出しコーヒーキットを販売しており、自宅でも手軽に作ることができます。
コーヒーの楽しみ方
自宅で本格的なコーヒーを楽しむためには、コーヒー豆は店で挽いてもらうより自分で挽きましょう。
飲む直前に挽くことで豆の酸化を抑えることができ、香りも味わいもよくなります。コーヒーミルは手回しでも電動でも挽き具合に差はありませんが、電動の方が楽に挽くことができるでしょう。ミルの歯にはプロペラ式と臼式があり、プロペラ式は安価で臼式は粉の粗さが安定します。
コーヒーを楽しむうえで最も大切なのは、温度です。エスプレッソ以外では90~96℃が最も適しており、沸騰して数秒冷ましてから使うと良いでしょう。ポットやカップは事前に温めておくと、コーヒーを入れた瞬間に温度が冷めてしまうことがありません。
また、生豆や残ったコーヒー豆は密封して冷蔵庫に入れると鮮度が保たれるでしょう。しかし、出し入れの頻度が高いと水分により豆が劣化する可能性が高くなるので、可能であれば使う分ずつ小分けにしておくと、より鮮度を保つことができます。
オススメコーヒー関連商品
生豆からこだわってコーヒーを嗜むには、まず道具をそろえましょう。しかし、コーヒーに関連する商品はたくさんあって迷ってしまいますよね。そこで種類別のオススメ商品を4つ紹介します。
無印良品「くり返し使えるコーヒーフィルター1枚入り」
ペーパーフィルターの場合、普通はその都度捨ててしまいます。しかし、このフィルターは洗って何度も使うことができる優れもの。ポリプロピレン不織布でできており、約1000回使うことができます。
ハリオ「V60透過ドリッパー」
ハンドドリップには欠かせないドリッパー。
色んな会社から販売されていますが、日本のみならず世界でも人気が高いのが、このハリオV60透過ドリッパーです。円錐型で大きめの穴1つのため、お湯の注ぐ量を調節することで好みの味わいのコーヒーにすることができます。素材もプラスチックや陶器、耐熱ガラスなど種類が豊富です。
ハリオ「V60コーヒーサーバー」
耐熱ガラスメーカーとして有名なハリオのV60コーヒーサーバーは、電子レンジやドリップサーバーとして利用することもでき、それでいて低価格ということから、アマゾンのコーヒーサーバーランキングで1位をキープしているほどの人気商品です。ドリッパー同様、世界中で人気があります。
カリタ「クラシックミル」
ゴリゴリという独特の感触と音色が楽しめる、手回しのミルです。昔ながらのレトロなデザインのため、インテリアとして置いておくと大変おしゃれです。コーヒー本来の香りを損なうことなく、自分好みの粗さに挽け、十分に機能性を持っています。
まとめ
いかがでしたか。コーヒーは古くから嗜まれている嗜好品の1つです。
生豆からこだわると、コーヒーの歴史的背景や淹れ方など、その奥深さに魅了されることでしょう。更に道具にこだわることで、より一層美味しいコーヒーを嗜むことができます。ぜひ生豆からこだわり、今までとは違ったコーヒーを嗜んでみてください。
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