虫さされと言えば、蚊をはじめ、アブ、ブヨ、ノミ、ダニなどが思い浮かびますね。
蚊に刺された時の痒みは、みなさんご存知だと思いますが、虫さされの中でも、最も激しい痒みに悩まされるものの一つが、ダニによる虫さされです。
人によっては、眠れないほどの痒みに襲われます。
しかし、それ程激しい痒みなのに、蚊のように、刺している姿を発見することが難しい為か、はっきりと「ダニに刺された」と判断するのは、難しい事が多いです。
記事では、ダニに刺された時に皮膚に現れる症状を紹介しますから、参考にしてみて下さい。
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目次
ダニってどんな生き物?
ダニの種類
ダニと一口にいっても、その種類は多く、2万種類以上あると言われています。
2万種というと、驚いてしまいますが、日本に生息しないダニ、山間部にしか生息しないダニも多いので、身近に生息しているダニはだいたい15種類といったところです。
そして、室内に多いダニは、ヒョウヒダニ(チリダニ)、コナダニ、ツメダニ、イエダニ
の4種類です。
それぞれの特徴は次のとおりです。
1.チリダニ
チリダニというのは、「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」を合わせた総称です。
チリダニは、室内に生息するダニの代表です。
家屋にいるダニの7~9割はこのダニと言われています。
体長は、0.1~0.4mmで、目視で見つけるのは非常に難しい大きさです。
このダニが生息している場所は、マットレス、布団、枕などの寝具、カーペットや畳などの床付近、ソファーなどにも潜んでいます。
このような場所に生息するのは、チリダニが、人間の垢を主な餌としている為です。
このチリダニは、人を刺さないダニと言われていますから、主な被害としては、ダニの死骸や糞が原因となる、アレルギー性疾患が挙げられます。
ダニの死骸や糞を吸ってしまったり、皮膚に触れてしまったりすることによって、アレルギー性皮膚炎や喘息といった症状を引き起こすことがあります。
2.コナダニ
コナダニの体長は、0.3~0.5mmで、黒い紙の上に置けば見えるというレベルの大きさです。
他の多くのダニと同じく、高温多湿を好みます。その為梅雨~夏の時期に増える傾向があるので注意が必要です。
チリダニと同じく、畳やカーペットにも住んでいますが、このダニが好む場所は台所です。小麦粉などの粉類、米櫃の中などを好み、他の食品や医薬品も食料にして増えます。
粉や米に紛れてしまうと、気付かずに食べてしまうので危険です。コナダニを食べてアレルギー症状が出ることがあるからです。
3.ツメダニ
ツメダニは、体長0.3~0.8mm程のダニです。
マンションなど、気密性の高い、比較的新しい家を好む特徴がありあます。
また、チリダニやコナダニなど、他のダニを餌としますので、他のダニが大量に発生するとツメダニも増えてしまいます。
ツメダニの被害は、直接的なもので、人や動物を刺すダニなので、皮膚が腫れたり痒みが出たりします。
4.イエダニ
イエダニは、体長0.6~1.0mmの、ダニで、屋内に住むダニとしては大きめです。
動物(特にネズミ)を刺して血を吸うダニですから、家にネズミなどの害獣が住んでいると、イエダニも同時に住みついている可能性があります。
イエダニは、人間からも吸血しますから、皮膚の腫れや、激しい痒みなどを引き起こします。
5.マダニ
マダニは、草むらなどに生息するダニです。
非常に体が大きく、吸血前でも2mm~3mm程度あり、吸血後は、1㎝程度まで膨れ上がります。
マダニは、他のダニと違い、一度噛みつくとかなり長期間(長い場合で1週間程度)に渡り吸血を続けるという特徴があります。
長期間噛みつかれているということは、マダニが保有している病原菌に感染するリスクが高まるということになります。
重大な病原菌に感染してしまうリスクがあるために非常に危険です。ですから、マダニに刺された場合は、すぐ病院で診察を受けましょう。
また、マダニを捕獲できた時は、感染症のウィルスをマダニが保有しているかどうかを調べる為に、病院に持参するといいでしょう。
次ページ:ダニの生息場所
ダニの生息場所
ダニは何処に生息しているのでしょうか?
ダニが好むのは、高温多湿の場所です。
具体的な数字を上げるなら、気温20~30℃、湿度60~80%ぐらいの環境で、活発に活動します。これは、日本の梅雨~夏の時期の室内環境と一致します。
ですから、この期間、対策を怠ると、ダニはどんどん増えますが、人間は、刺されるまでは、意外と気がつきません。
それは、ダニが非常に小さい虫だからです。
大量に発生した時には、埃が動いているように見えたり、粉が溜まっているようにみえたりして、目視で確認できますが、数匹存在している程度では、気付かないのが普通です。
そんなダニに対処する為には、ダニが家の中で生息している場所を知っておくことが大切です。
1.カーペット・絨毯
カーペットや絨毯は、人が上を歩くたびにフケや垢、髪の毛などが落ちて絡まります。
これらのゴミは、ダニの餌になります。
しかも、カーペットや絨毯は、なかなか洗ったり干したりし難いので、どうしても汚れはそのままになり、湿気もこもりがちです。
この為、餌が豊富で高温多湿という、ダニにとって最適な生息環境になってしまうのです。
ダニを増やさない為には、こまめに掃除機をかけて、ダニを吸い込むといいでしょう。
2.布団・毛布・枕
布団などの寝具は、直接人の肌に触れるので、垢などが付着しやすい場所です。
また、人が睡眠中に出す体温と水分で、高温多湿のダニにとって最適な環境にあります。
布団にダニが増殖すると、寝ている間に刺されたり、ダニの死骸や糞による呼吸器系のトラブルにつながったりするリスクが高まりますから、重点的に対処したい場所のひとつです。
カーペットや絨毯と同じように、布団にも掃除機をかけることを習慣にするといいでしょう。
もちろん、天日干しをしたり、布団乾燥機を使ったりして、ダニの駆除を心がけることも重要です。
3.畳
畳は、意外とダニに好まれます。
人が上を歩くたびにフケや垢、髪の毛などが落ちて食料になるだけでなく、畳の繊維はダニの棲みかになりやすいのです。
昔は、畳を上げて天日干しする習慣がありましたが、最近は、住環境の変化もあって、畳の天日干しをする光景は見られなくなりました。
除湿機を使って除湿する、スチームアイロンの蒸気をあててダニを駆除する、掃除機をマメにかける、などが対処法になります。
4.ぬいぐるみ
ぬいぐるみは、フケや垢が着きやすく、子どもが触ることで、食べ物や唾液なども付着します。
また、一般に、頻繁に洗ったり干したりもあまりされませんし、布団のようにカバーをかけることも出来ません。
その為、ダニにとって住みやすい場所となっています。
布団と同じで、掃除機をかける、天日干しをする、布団乾燥機を使うなどが対処法になります。
ダニ刺されの跡と特徴
ツメダニの刺し跡
ツメダニはもともとは人を刺さないダニですが、たまに他の動物と間違えて刺してしまうことがあります。
刺される部位は、露出が少なく皮膚が柔らかい場所で、ヒザ、モモ、腕の内側、脇の下周辺、首周辺などです。
ツメダニに刺された場合、細かい刺し痕が広範囲に広がります。
これは、一度刺しただけでは満足せず、何度も刺すからです。
刺されて直ぐではなく、刺されてから数時間~二日程経ってから強い痒みを感じ、患部は赤くなります。
痒みが、一週間以上も痒みが続く場合があり、刺された後も長く残りますので、厄介です。
イエダニの刺し跡
イエダニは、ネズミなどの血をエサにしていますから、本来人は刺さないのですが、ネズミが駆除されたりしていなくなると、人の血を吸います。
刺される部位は、特に皮膚が薄い場所で、お腹周り、太もも内側、二の腕などです。 お肌が柔らかい子どもや女性が刺され易いともいえます。
刺された跡は、1㎝強の赤い斑点が出来、時には、水疱が現れることもあります。
刺された直後~2日後に強い痒みが一週間から1カ月ほど持続し、その後もしばらく刺し跡が消えずに残ります。
南京虫の刺し跡
ダニと間違えられやすいのが、南京虫(トコジラミ)の噛み跡です。
ツメダニやイエダニと大きく違う点は、南京虫に噛まれると、小さく2ヵ所の対の噛み跡が残ることです。
南京虫は5-8㎜くらいの大きさがあるので、目視で見つけることが出来ます。
たいてい、ベッドなどの木目の間に住んでいますから、もしかしたら・・・と思ったら探して駆除するといいでしょう。
次ページ:ダニ刺されと蚊に刺され、ノミ刺されの区別の仕方
ダニ刺されと蚊に刺され、ノミ刺されの区別の仕方
刺された時期
ダニは一年中屋内に潜んでいますが、活動期は6~9月です。
機密性が高いマンションなど秋になっても暖かい部屋の場合は秋になっても活動することもあります。 時間帯は、夜が多く、昼間の場合は、暗い部屋や場所で活動しています。
蚊も夏が活動の時期です。時間帯としては、夕方~夜に活動が活発になります。
ノミは時間帯には関係なく刺してきます。
刺される部位
ダニは、皮膚の柔らかい部分を狙います。具体的な場所としては、お腹や太もも、二の腕の内側などです。また、蚊は露出している部分を刺すのが基本的ではありますが、ダニは服を着ているなどして露出していない部分をも刺すことがあります。
そのような場合は、ダニにかまれたのではないかと疑いましょう。
ノミは飛びはねて届く範囲で、露出してる場所を狙います。具体的な場所として脛やふくらはぎなど膝下です。ただし、ベッドにノミがいる場合はどこでも噛まれる可能性があります。
目に見えるかの違い
蚊は飛びますし、羽音もしますから、目立ちます。
ノミの体長は1~3mmくらいですし、飛び跳ねますから、目立ちます。
ですから、注意していると目で見て確認することが出来ます。
しかし、ダニは非常に小さいので、よほど注意してみなければ分かりません。
しかも、暗い場所で活動するので、非常に見つけにくいです。
症状・痒さの違い
蚊やノミもかゆいですが、ダニの痒みは非常に激しいものです。
また、痒みが出る期間も長く、1週間から1ヵ月くらいは続きます。
刺されてから直ぐに、痒みが出ない事が多いのも、ダニの特徴です。
ダニに刺された際のアレルギー
ダニに刺された場合、直接的な反応として、皮膚の腫れがあります。
非常に強い痒みに襲われますが、かきむしってはいけません。
特にイエダニに刺された時は、かきむしることで、とびひ等の別の感染症の原因となってしまう事もあります。
刺された時は、まず傷口をよく洗い、冷やしましょう。
塗り薬は、皮膚科で処方して貰ってもいいですし、薬局で買う事も出来ます。この薬で良いだろうと安易に決めるのではなく、皮下科等に行って、お医者さんや専門家の指示を仰ぎましょう。
<h3>蕁麻疹が出る?</h3>
「ヤケヒョウダニ」の死骸や老廃物に対するアレルギー反応で蕁麻疹が出る人がいるようです。
また、ツメダニやイエダニなどに刺されて、激しい痒みを経験していると、その酷い痒みの記憶がトラウマになることがあります。そうすると、次にダニに刺された時に、蕁麻疹が現れるという例があります。
まとめ
家屋など室内に生息するダニを中心に、ダニの生息場所や、対処法、ダニに刺された跡の見分け方などを、ご紹介しました。
ダニの寿命は2~3ヶ月と言われていますが、生きている間に毎日卵を生み、どんどん増えていきます。
また、ダニの死骸や糞は、呼吸器疾患などの健康被害を引き起こします。
そして、記事にもあるように、ダニに刺されると、強烈な痒みに襲われます。
ですから、刺される前に、家のダニ対策をして、リスクを減らすことが大切です。
一番のダニ対策は、こまめな掃除です。
カーペットや絨毯、畳、布団、ソファー、ぬいぐるみには、ダニが生息しやすいので、
天日干しやアイロンなどで、ダニを駆除し、掃除機で吸い取るといいことが分かりましたね。
また、ダニが好むのは、高温多湿の環境です。
梅雨時など、湿度が高い時には、換気して湿度を下げるように心がけることも大切です。
それでも、ダニに刺された時には、洗う、冷やす、医者や専門家の指示を受けて薬を使うかどうかを判断するというのが、対応の仕方でした。
もしも、蚊とは違う痒みに襲われた時には、ダニを疑ってみてください。速めに処置をするように心がけましょう。
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