小さなダニは、私たちの目には見えにくいので、普段生活していても家の中でその姿を見ることは滅多にありません。しかし、それはただ見えないだけで、ダニがいないわけではないのです。
実際は、家の至る所にたくさんのダニが潜んでいる可能性があります。そして、そのまま放っておいてしまうと、家の中でダニがどんどん繁殖してしまうことにもなりかねません。
ダニは様々な健康被害を引き起こす、とても厄介な害虫です。小さなお子さんがいるお家などでは、特に気をつけたいですね。ダニを繁殖させないためにも、的確な対策方法を取って、ダニの被害を防ぎましょう。
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ダニのもたらす被害
それでは、ダニによって具体的にどんな健康被害がもたらされるのか、詳しく見ていきたいと思います。
かゆみ
まずダニと聞いて、多くの方が一番に思いつく被害がかゆみですね。ダニは人を刺すというイメージがありますが、実はすべてのダニが人を刺すわけではありません。意外にも、家の中に多いとされるチリダニやコナダニは人を刺すことはないのです。しかし、そこで安心してはいけません。
実は人を刺して体液を吸うツメダニや、吸血性のあるイエダニは、このチリダニやコナダニを餌とすることがあるため、チリダニやコナダ二が家の中にたくさん生息していると、それを狙ってツメダニやイエダニも家の中に発生してしまうのです。
ツメダニに刺されて体液を吸われると、少し時間が経過してからかゆみや赤みが出てきて、腫れることもあります。一か所ではなく、まとまって何か所も刺されることが多く、首や足など肌の柔らなくない部分も刺すことがあります。
ツメダニに刺されて一番辛いのは、激しいかゆみがいつまでも収まらないことです。長い時にはかゆみが一週間以上続き、刺された跡も一か月ほど消えません。
イエダニに吸血されると、赤く腫れあがり中心には水疱ができます。何度も刺す習性があるため、体中に何か所も刺された跡が出来ることがあります。刺された後すぐに激しいかゆみも現れます。お腹や太ももなど肌の柔らかい部分を刺すのを好むため、肌の柔らかい女性や子供が刺されやすい傾向にあります。
肌の露出した部分も刺すツメダニとは対照的に、イエダニは服で隠れた部分を刺すという特徴があります。寝ている間に、パジャマの間に入り込んで刺されてしまうということもあるので、要注意です。
アレルギー性疾患
さて、チリダニやコナダニがツメダニやイエダニを発生させる原因になると書きましたが、チリダニやコナダニが引き起こす被害はそれだけではありません。実は、アレルギー性疾患の原因にもなってしまうのです。
チリダニやコナダニの死骸や糞が空気中に舞い、人間がそれを吸い込むことによって、アトピー性皮膚炎・喘息・アレルギー性鼻炎など様々なアレルギー性疾患を引き起こします。アレルギー性疾患の原因は8割がダニだと言われており、たくさんの人が知らない間にダニの死骸を吸い込んでしまっているのです。
細菌による二次感染
イエダニに刺されると強烈なかゆみに襲われ、ついつい掻きむしりたくなってしまいます。しかし、その誘惑に負けて刺されたところを掻き壊すと、その傷口から細菌が入ってしまい、二次感染を引き起こして、広範囲にとびひしてしまうことがあります。
小さい子供は、かゆいとつい掻きむしってしまうので、特に注意が必要です。
その他にも、イエダニは、通常ネズミの血を吸って生きています。そして、ネズミがいなくなってしまうと、代わりに人間の血を吸うのです。その時にネズミからの感染症が媒介し、皮膚炎を発症することもあります。
それから、家の中にはあまり見られませんが、山の中や藪の中などに多く見られるマダニも二次感染を気をつけなければいけないダニの一種です。マダニは皮膚に深く食い込むように刺して吸血するダニです。刺された時にマダニを無理やり取ると、マダニの口部分が皮膚の奥に残ってしまい、そこから二次感染を引き起こしてしまうことがあるのです。
マダニから引き起こされる感染症はどれも重い症状のものが多く、軽視できません。代表的なものとしては、血が止まらなくなってしまう重症熱性血小板減少症候群や、紅斑が体中に広がるライムボレリア症、致死率の高いダニ媒介性脳炎などがあります。
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ダニが現れる条件・場所
それでは、ダニはどのような環境を好んで生息するのか、見ていきましょう。
気温
20℃から30℃くらいの気温が、ダニがもっとも繁殖しやすい気温です。時期で言えば梅雨時期から夏にかけてが繁殖する時期だと言えます。一方で、極度な寒さや暑さには弱く、50℃の暑さの中にしばらくいると、ダニは死んでしまいます。
湿度
ダニの繁殖に湿度は欠かせません。ジメジメとした場所が大好きなダニが活発に繁殖するには、湿度が55%以上でなければいけません。梅雨の時期は、ダニの繁殖に気をつけようと言われるのは、この湿度が理由だったんですね。
暗いところ
ダニは夜行性なので、暗いところを好んで生息します。畳の下や、カーペットの裏、布団の中などが良く知られるダニの生息地です。ダニを捕まえたい時は、家の中をしばらく暗くしておくと、隠れている場所から外へと出てくることがあるので、その機会を狙って捕まえることができます。
寝具類
ダニがもっとも好む繁殖地が布団の中だと言われています。湿度・温度・暗さと、ダニが好きな環境が全て揃ってしまっていますので、これは必然と言えるでしょう。布団、枕、ソファなどにも注意が必要です。
ダニ対策方法
では、具体的にどのような対策を取れば、ダニを効果的にやっつけ、ダニからの被害を防ぐことができるでしょうか。
環境の管理
やはり最も重要なのは環境の管理ですね。ダニは湿度がないと生きていけないので、まずは家の中になるべく湿度がこもらないようにしなければいけません。窓を開けてこまめに換気をしたり、エアコンをドライ設定にして湿気を除去することが大切です。
梅雨時期は雨続きで、湿気が家の中に留まりがちです。気温も上がって来るので、ダニにとってはパラダイスですね。洗濯物も外に干せないので、部屋干しになってしまう時もあると思いますが、そうすると家の中の湿度が上がってしまうので注意が必要です。
雨の日は、除湿機などを追加して使用すると、洗濯物が乾くだけでなく、ダニ対策もできるので、一石二鳥ですね。
それから、ダニが好んで生息する場所を清潔に保っておくことも、重要になってきます。最もダニが繁殖しやすいと言われる布団ですが、私たちは寝ている間に大量の汗をかきますので、どうしても布団の中は湿ってしまいがちです。
定期的に外に干して、布団の中が湿らないようにしておく必要があります。布団が湿らないようにすることで、ダニの繁殖は防ぐことが出来ますが、それだけではすでに布団の中にいるダニを除去することはできません。
そこで活用したいのが、スチームアイロンです。スチームアイロンからは、かなり高熱のスチームが出てきます。ダニは50℃以上で死滅してしまうので、このスチームをあてることで、布団の中に隠れているダニをやっつけることができます。
ダニは布団の奥深くに潜んでいることが多いので、まずは部屋を暗くして、ダニを布団の表面へとおびき出しましょう。1時間くらい待てば大丈夫です。そして、当て布を当てながらスチームアイロンをかけます。しっかりと熱がダニをアタックしてくれるように、数秒間同じ場所にスチームを当て続けておきましょう。
これを繰り返しながら布団全体にスチームアイロンをかけていきます。
これで布団の中のダニは死滅しますが、その死骸はまだ布団の中に残っています。死骸だけでなく、糞や卵も中にある可能性があります。これをそのまま放っておくと、アレルギー性疾患の原因となってしまいますので、これらも忘れずに除去しなければなりません。
最も効果的なのは、掃除機で吸い取ることです。布団の端から端まで隈なく掃除機をかけて、中に残された死骸や糞などをしっかり吸い取りましょう。枕やソファ、ぬいぐるみなどもダニが隠れやすい場所ですので、同じようにして隠れているダニを定期的に駆除するとよいでしょう。
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ダニのえさを除去する
ダニも生き物ですので、餌を食べます。どんなにジメジメと温かく、ダニにとって居心地が良くても、食べ物がなければダニは生きていけません。ですので、ダニの餌を除去することは、ダニの繁殖を防ぐうえで必要不可欠なのです。
それでは、ダニの餌とは何でしょうか?ダニは種類によって、食べる餌が違います。
まずチリダニは、人のフケやアカ、ほこりなどを餌とします。この餌を除去するためには、やはり日頃から部屋の隅々までしっかりと掃除機がけや拭き掃除をして、ほこりなどが溜まらない環境を保つことが重要です。
コナダニは、食品を餌とすることが多く、小麦粉や鰹節、お菓子の食べカスなど、幅広く食べてしまいます。ダニは寒い環境が苦手なので、開封済みの食品はなるべく冷蔵庫で保存するようにすると良いです。冷蔵庫に入れられないものは、ジップロックなどを活用して密封して保存し、ダニが入り込む隙がないようにしましょう。
ツメダニは、チリダニやコナダニを餌とするので、これを除去するためには、こまめな掃除や食品管理をしっかり行い、チリダニやコナダニを家の中で繁殖させないことです。
イエダニはネズミに寄生して血を吸うので、イエダニの餌を取り除くためには、ネズミの駆除をしなくてはいけません。しかし、ネズミは屋根裏や壁の裏に住み着いて巣を作るため、素人が駆除するのはなかなか難しいです。駆除したと思っても、数か月後にまた戻って来ることもあります。
しっかりと駆除するためには、やはり専門業者にお願いして、徹底的に駆除してもらいましょう。それが、イエダニの駆除にもつながっていきます。
マダニは血液を餌としますので、血液を吸われないように、マダニがいそうな場所に行くのは避けたり、公園などではなるべく肌の露出がない服装をすると良いでしょう。動物の血も吸うため、ペットの犬や猫にも注意が必要になってきます。
マダニは草むらなどに隠れて、人間や動物の血を吸うチャンスを窺っているので、散歩の際に犬にくっついて連れて帰ってきてしまうこともあります。そのような場合は、犬に食べさせるネクスガードのようなマダニ駆除薬をすぐに使用することをオススメします。
薬を使う
ダニが大量に発生してしまったら、ダニアースやバルサンなどのくん煙殺虫剤を使用するのも一つの方法です。部屋の隅まで薬剤が行き渡るので、一気に駆除できますね。医薬品なので、使用する際には使い方をしっかりと守って、細心の注意を払って使用しましょう。
ベルミトール水性乳剤アクアという液体殺虫剤も、イエダニの駆除にはとても効果があります。これは液体を水に薄めて噴霧器で散布するので、布団などには使用できませんが、駆除の難しい屋根裏などのイエダニを効果的に駆除することができます。ベルミトール水性乳剤アクアの詳しい情報は、こちらを参考にしてみてください。
駆除だけでなく、ダニの予防にも薬を使うことができます。アース製薬からは、ダニバリアという商品が販売されています。スプレー、シート、ゲルなど様々なタイプが売られており、殺虫剤を使用していないので、子供やペットがいるお家でも安心して使用することができます。
ダニが嫌がる天然成分を配合してあり、置いておくだけでダニが寄り付かないという優れものです。ダニバリアが気になる方は、ぜひ下記のリンクから、商品の詳しい情報をチェックしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしょうか。ダニは目に見えにくい分だけ怖いですが、きちんと対策を取っておけば大丈夫です。梅雨から夏にかけて、ダニが繁殖しやすい時期は、特に念入りにダニ予防をして、安心で快適な夏を過ごしたいですね。
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