夏も終わりのこの時期ですがまだまだ暑い日が続いています。近年は温暖化のせいもあり猛暑日も多く熱中症注予報や警報なども出されることもあります。暑い日には我慢をせず、クーラーをうまく活用して夏を乗り切りたいものですね。
暑さを我慢せずにクーラーを使う・・・といっても電気代は気になります。一日中付けていたら幾らになるのか、クーラーをかけっぱなしにした時の身体への影響は?等々、いろいろと考えてしまうのではないでしょうか。
余談になりますが、クーラーとエアコンという言い方があります。
エアコンとクーラーはどう違うのでしょう。
エアコンというのはエアーコンディショナーということで空気の状態を調節するものです。
クーラーは冷房ですのでエアコンの機能の一つなのです。つまりエアコンの機能の中にはドライ、送風、暖房、冷房という機能があるということです。
ここではエアコンの機能のうちクーラーの電気代を抑え賢く快適に夏を乗り切る方法を考えてみましょう。
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目次
エアコンの正しい使い方
先ずはエアコンの正しい使い方ですが、意外とちゃんと知っているようで知らないまま使っていることが多いのではないでしょうか。
まず、エアコンを使い始める前はフィルターの掃除をしましょう。それだけでも電気代が4%節約できます。そして部屋の窓はしっかり閉めて自動運転で扇風機を併用しましょう。
また、意外に気にしていないのが室外機です。吹き出し口の前に物を置いたり、室外機用カバーをつけて室外機を覆ってしまったりしていませんか?部屋の熱い空気を外に出す役目のある室外機の吹き出し口をふさいでしまうと、せっかく吐き出した熱い空気をまた吸い込んでしまい、部屋を涼しくする力が弱くなってしまします。
また室外機に直射日光が当たってはいませんか?直射日光に当たっていると室外機が熱くなってしまい電気を多く使ってしまいます。
地面に反射した太陽の光に照らされていても、周りの温度が高くなり、室外機は熱を捨てられなくなってしまうことになります。その結果電気を多く使うことになってしまうのです。室外機にも気を配り、日陰を作ってあげて使用するのが効率的な使い方と言えるでしょう。
そして、夏を快適に過ごすために大きく関わってくるもう一つ要因が湿度です。湿度が高いと温度が低くても不快に感じるものですよね。
そこで、エアコンのドライ(除湿)機能について考えてみたいと思います。
「ドライの方が電力消費量は少なくて済む」という説は以前からよく言われていることですが、本当でしょうか?
そもそも冷房とドライ(除湿)の違いをご存知ですか?
冷房:部屋の温度を下げることを最優先に作られた機能
ドライ:(除湿):部屋の湿度を下げる機能
と、簡単に言えばこのようになります。
では、どこに違いがあるのでしょうか?
冷房は、部屋の中の熱い空気を吸い込み、その空気を冷やしてまた部屋に戻す。ということを繰り返して設定温度まで下げる。(熱い空気は室外機から外に出す)という仕組みです。
除湿は、まず、部屋の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を冷やして水分を吸収し、ドレインホースによって外に出す。次に、エアコンの中にあるサラサラになった空気を部屋に戻す、という仕組みです。(空気中の水分は温度が下がると水になる、という性質を利用したもの)
ちょっと冷房の仕組みに似ていますね。この方式を「弱冷房除湿」といいます。
そして、除湿にはもう一つの方式があるのです。
「再熱除湿」と呼ばれるもので、部屋の温度を下げずに水分のみを外に排出するという方式です。
これは、吸い込んだ空気を冷やすところまでは「弱冷房除湿」と同じですが、その後エアコン内のサラサラの空気を再び温めてから部屋に戻す。という方式です。
この方式では、冷たい空気が出てくるわけではないので梅雨時期のように温度は高くないが湿気が多いというような陽気には使う価値のある方式です・・・・が、冷やした空気を再び温めるわけですから電力消費量は増えることになります。
では、実際の消費電気料金にどれだけの違いが出るのか気のなるところですね。
設定温度24度での一時間当たりの電気代は下記の通りです。
冷房:およそ11円
弱冷房除湿:およそ4円
再熱除湿:およそ15円
これだけを見れば弱冷房除湿によるドライ設定での利用が一番節約になります。
しかし、弱冷房除湿においても部屋の温度を一定温度まで下げて水分を吸収するという仕組みでしたね。そして、その温度は、だいたい24℃~25℃とされています。
「冷房の正しい使い方」としての温度は28℃で扇風機併用ですから、それを踏まえて考えると「冷房」設定で正しい使い方をするのがお薦めになります。
どうやら最近の高機能のエアコンには、「自動運転」にしておくと、エアコン自らが冷房運転で設定温度まで行い、その後ドライに自動的に切り替えてくれる製品もあるようです。ずいぶん賢くなっていますね。
電気代におけるエアコンの割合
エアコンの節約を考える前に、電気代におけるエアコンの割合を知っておきましょう。
年間を通して比べるとエアコンは一般家庭の電気代の1/4を占めているとされます。
そして、夏の昼間14時ころの在宅世帯の電気使用量のうちですとエアコン使用の占める割合はナント58%にもなるそうです。(経済産業省調べ)びっくりする値ですよね。
その他にもオフィスや商業施設等でのエアコン使用量を考えると・・・・やはり「節約」ということを考えざるを得ません
扇風機の利用
高齢者の方々の中には、エアコンの風を嫌い扇風機だけで過ごしている方も多いようです。
確かに直接エアコンの風に当たり続けるのは辛いところがあります。とはいえ、猛暑の中で部屋の窓を開け扇風機を回したとしても、外の空気も部屋の空気も熱いので心地いい風は来ないのです。かえって熱中症で身体に変調をきたすことになりかねません。
夏の終わりの夕暮れ時くらいの涼しい状態になってくればそれもいいのですが、真夏の猛暑時にはエアコンと扇風機の併用をお勧めします。扇風機は首振りにし頭をできるだけ上向きにして使用してください。部屋の空気をかき混ぜてエアコンの風が身体にも直接当たらず電気代も抑えられます。そうすれば、少しエアコンの温度設定を高くしても扇風機との併用で体感温度もだいぶ涼しくなります。
その上、扇風機を併用するだけで電気代が年間3000円以上も節約できるのです。実行してみる価値は大きいですね。
部屋の環境整備
外から帰って来てエアコンをつける前には空気の入れ替えをしましょう。熱い空気がたまっているとそれだけ電気を使うことになってしまいます。でも、部屋の方が外より温度が低い時は逆効果になってしまうので、室温もしっかりチェックして下さい。
そして、せっかくの涼しい空気を逃がさないように窓やドアをしっかり閉めましょう。日光が入ってくるような部屋ではレースのカーテンだけではなく厚手のカーテンを閉めるのも有効です。
扇風機利用のところでも述べましたが、部屋全体の温度を平均にするために扇風機を首振りにして併用することも大事です。(できるだけ扇風機の頭を上向きにして)
心地よく過ごせる部屋の環境に整えましょう。
≪節約方法≫
温暖化の進む現代では、夏を快適に乗り切るためにはエアコンの使用が欠かせないものとなっています。しかしエアコンの使用により電気の使用量がグーンと増えて、電気代が上がってしまうのも事実です。そこで、できるだけ電気代を節約するためにはどうしたらいいかを考えてみたいと思います。
コンセントを抜く
電気製品は、コンセントを入れたままにしておくと使用していない時でもほんの少しだけ電気を使っている(待機電力といいます)ので、「使用していない時はコンセントを抜く」というのはよく言われていることです。これはエアコンにおいても言えることです。
しかし、最近のエアコンのほとんどは、待機電力がわずかな量になっているので、エアコンを頻繁に使用するこの時期はあまり気にしなくてもいいようです。ただ、長期間使用しない時期は抜いておきましょう。
一日の利用時間を短縮
エアコンは他の電化製品と同じように、つけて最初の数十分ほどが一番電気を使用します。ですから「頻繁につけたり消したりしない方が良い」ということは言えます。
ところで、最近は「一日中つけっぱなしにしておいた方が節約になる」という話も聞きますがそれは正しいのでしょうか。
エアコンだけではなく、電気代の計算は下記の計算式で計算することができます。
消費電力(kw)×使用時間×ご自宅の電気代単価=1日の電気代
ですので、一日中つけたままではやはり電気代は高くなってしまいます。
エアコンは、つけて最初が電気をたくさん使うのですから、30分ほどの外出などの時はつけたままでおいて、数時間単位で使用しない時は消しておくのが節約に繋がるということです。
必要な時だけ使うようにしましょう。
設定温度
エアコンの設定温度も大きくな節約につながります。
ニュースや情報番組などでも話題になる点だと思いますが、理想の設定温度は28℃です。それでは少々暑いという意見をよく耳にします。エアコンは1度の設定温度の変化で1割もの消費電力の削減になると言われています。
そのことを踏まえて、どうしても28℃では耐えられない、という人は、設定温度を少しだけ下げても、他の方法と組み合わせながら節約をしてみましょう。
また、暑くてなられない、というような人もいると思います。夜は27℃の設定温度で寝るのが一番いいそうです。それでも暑いという人は、やはり扇風機の併用です。そして、忘れないで必ず首振りにして下さい。扇風機の風も長い時間当たり続けていると体調を崩してしまいますから。
タイマーをかけて寝て、切れてまた暑くなってつける、という使い方も消費電力が増えてしまうことになってしまうので、27℃設定で運転し続けるのがいいでしょう。
その他に、快眠グッズもいろいろ販売されています。アイスノンやひんやり寝具等を使っていろいろ工夫してみて下さい。
自動運転
エアコンの電気代を節約するには運転方法の設定、という方法もあります。
エアコンの運転は機種によっても違いはありますが、「弱」「中」「強」等幾つかの」設定がありますが、「自動運転」に設定して運転するのが一番節約になります。
エアコンは、設定した温度に室温を保つように作られているので「自動運転」で使用すれば設定温度に近づくと自動で運転を弱めてくれるので消費電力が抑えられるのです。
コスパの良いエアコン
エアコンも毎年新機種が出され、省エネ機能も向上しています。」
エアコンの省エネ性能を表す数値に「APF」(Annual Performance Factor)〔通年エネルギー消費効率〕というものがあります。これは簡単に言うと、ある一定の条件でエアコンを運転した時の消費電力1キロワットあたりの冷房、暖房の性能を表したものです。つまりAPFの数値が高いものほど省エネ能力が高い製品ということになります。
店頭に展示されている製品やパンフレットにはAPFが表示されていますのでチェックしてみるといいでしょう。
では、APFに沿ってコスパ(コストパフォーマンス)の良いエアコンを幾つか上げてみます。
三菱「FZシリーズ」APF7.5
日立「X/XJシリーズ6畳用」APF7.5
パナソニック「シャープF-Xシリーズ6畳用10畳用」APF7.3
ダイキン「RXシリーズ」14畳用」APF7.2
東芝「DRシリーズ6畳用14畳用」APF7.0
富士通「ノクリアXシリーズ14畳用」APF6.9
三菱と日立の省エネ度は高いようですね。その他は僅差というところです。
部屋の広さや一般家庭用業務用など、用途によっても違ってくるので購入時にはパンフレットなどでいろいろ調べて自分の家に合ったものを選ぶのが良いでしょう。
まとめ
メーカーは、各社とも省エネ化には力をいれて毎年新製品を発売しています。エアコン選びには「APFの値を必ずチェックする」ということも電気代の節約としては大事ですが、使用する部屋の広さにあったエアコン、そしてそれぞれの機種の特性もよく調べて自分の生活スタイルに合った製品選びも大事になると思います。
電力を無駄にしないように、エアコンの電気代を節約することは自分たちでも直ぐにできるのです。まずはフィルターのお掃除をしてみてはいかがでしょうか。次に室外機の周りの整備をし、そしてエアコンを正しく使用しましょう。
きっと翌月の電気代は少し減っていることでしょう。楽しみですね。
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