国際化、そして海外旅行の増加など、異文化に触れる機会が多くなっている現在、子供たちにはどんな影響があるのでしょうか。ママが小さい頃に異文化に触れる機会がなかった場合、子供の目線に立ってその影響についてなかなか想像しづらいと思います。
今回は子供がどんな影響を受けるかについてまとめていきます。
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文化の定義とは
‘異文化’という言葉に含まれている‘文化’とはどんな意味でしょうか。まずは文化の定義について考えてみましょう。
レイモンド・ウィリアムズという人物は、「生活のある特定のあり方の記述であり、それはたんに芸術や教育だけではなく、制度や日常の態度の中にある一定の意味や価値を表現するもの」と捉えています。つまり文化とは、人々の生活の習慣、考え方、価値観、行動様式、そしてそれらを体現したものなど、ありとあらゆるものを指しているということです。
異文化体験
異文化体験をすることによって、感受性の強い子供たちは内面的に相当な刺激と触発を受けることになります。それまで日本での生活で得られたあらゆる価値が崩壊するような大きなショックを受ける子供もいます。異文化体験とは、刺激の連続なのでそうなるのも仕方がありません。そして、日本の価値と全く異なる世界や価値が体系的に存在しているということを思い知るいいきっかけとなります。
一つの文化しか知らないということは、比較することができないということです。しかし、もう一つの文化を知ることで相対性が生まれ、広い視野を持つことができるようになります。
異文化理解教育の必要性
異文化理解教育とは、以下のようなことを学ぶために必要です。
・自分と異なる文化や容姿を持った人に対する思いやりと寛大さ
・人権尊重意識
・世界で通用するマナーやおもてなしの技術
・不快感や劣等感、優越感を対象とした普遍的で平等な態度
・異文化交流を楽しみたいという意欲
・論理的で節度のある討論能力
・自国文化を外国語で表現する力
異文化を理解するためにはこのようなことが必要になっていきます。また、人間の価値判断や好き嫌いの感情は、幼少期から刷り込まれてきた文化規範の中に限定されるため、できるだけ小さいうちから異文化に触れておくと良いですね。そうすることでより早く国際理解や異文化理解ができます。そして、教育の中にどんどん取り組まれると理解が早まり機会も増えるので嬉しいですね。
子供のうちから異文化と接することのメリット
自分の生まれ育った文化と異なる外国文化に接することによって、カルチャーショックを受けることがあります。カルチャーショックによって以下のような様々な症状をきたします。
⒈不慣れな文化的格差に慣れよう、従おうとする努力による緊張感
⒉本来自分が生活していた環境から根こそぎ奪われたと感じる喪失感
(個人が親しんでいた仲間、レクリエーション、食事、文化的刺激、社会的地
位などを奪われたという意識や感覚)
⒊新しい環境内にいる人たちの目で感じる拒絶されたという意識
⒋価値観や自己アイデンティティーの感覚をめぐる混乱
⒌自文化、異文化との間にある差異に気付いた時の驚き、不快、不安、憤慨、嫌
悪の感情
⒍新しい環境の中で必要な役割を適切に演じることができず、うまく対応できないために生じる無力感
このような症状をもたらすカルチャーショックは、小さいうちから異文化に触れることによって受ける可能性は少なくなります。
子供が異文化に触れる良さは、やはりその吸収力です。大人になってからでは、なかなか自分と異なる存在や生活様式を受け入れることができず、思い込みも増えていきます。しかし、子供はまだ十分な経験をしていないので、たとえすべてのことを覚えていなくても、感覚的に異文化体験をしたことを覚えているのです。そうして得た知識を驚くべき吸収力で身につけ、自由な発想をし、幅広い分野で活かすことができるのです。
まとめ
小さいうちに異文化に接することでカルチャーショックを受けることが少なくなり、みんな平等であること、共有し合うことで異文化の良さを知ることがで
きることなど、広い視野を持つことができます。しかし、異文化体験をすることで、驚きや悲しみを覚えることもあるでしょう。その感情を知ることで、悩んだり考えたりして、自文化にとらわれることがない人間になっていきます。このようなことから、異文化体験は子供にとても良い影響を与えるのです。
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