自分の子どもがいじめられっ子になると、親としてとても悲しいですよね。
ですが、いじめはなくならないのが現状です。そして、いじめられっ子を多く見ていくと、共通の特徴があることが分かってきました。
この記事では、いじめは加害者が悪いという大前提のもと、いじめられっ子になりやすい子どもの特徴と、もしも子どもがいじめられてしまった時の対処法をご紹介します。
親であれば、自分の子どもにはいじめとは無縁の、楽しい学校生活を送ってほしいと願うもの。
そんな学校生活を実現させるための、自衛のための手段として情報を蓄積していただければ幸いです。
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目次
いじめられっ子の特徴
では、いじめられっ子の特徴を、もっと具体的にみていきましょう。自分の子どもがこれらに当てはまっていないかどうか、セルフチェックしてみてくださいね。
不潔
太っている、痩せ過ぎているなど、見た目の違いというのは、ストレートにいじめに直結しやすい要素です。最近は上記の要素に加え、外見が不潔であることも、他の子どもと見た目が違うこと、他人に不快感を与えることから、いじめの対象になってしまうことがあります。
これらに関しては、親が気をつけてあげることが出来ますので、子どもの状態を日々チェックしてくださいね。具体的には、下記のような状態になっていないかどうかに気をつけましょう。
- お風呂に入っていない
特に夏場は汗を多くかきますので、毎日お風呂に入らないと、キツイ体臭で周囲を不快にさせてしまいます。
また、冬場でも人間が汗をかくことに変わりはありませんので、冬だからといってお風呂をサボっていると、体臭が染み付いてしまいますよ。 - 髪の毛を長い間洗っていない
頭皮のフケというのは、自分が思っている以上に目立ちます。特に黒いTシャツを着ていると、肩の上に白いフケが落ちていて不潔に思われる、ということもあります。
また、髪の毛を洗わないことで頭皮の油が固まってしまい、それが異臭や見た目の不快感に変わってしまうこともあります。 - 洋服が薄汚れている、ツギハギだらけ
着ている洋服に目立つシミが多い、破れている、目に見えて修繕した形跡がある、など、他の子どもと見た目が違う場合も、その洋服いじりをキッカケにいじめられっ子になる可能性があります。また、洋服が汚れていることで、「お前の家は貧乏だ」などという言いがかりをつけられて、それがいじめに発展してしまうかもしれません。 - 爪や歯がボロボロ
口内が虫歯だらけ、手の爪がボロボロ、なども、他の子どもとの違いから、いじめられっ子になってしまう可能性があります。口臭がくさいのも注意が必要です。
最近は衛生環境も良いので、このような見た目の悪い違いは目立ってしまいます。
気の弱い子
気が弱く言い返せない、相手に自分の意見を言えずに従ってしまう子どもは、どうしてもいじめのターゲットになってしまいいがちです。自分から積極的に行動しない、常に誰かの顔色を伺っている子どもは要注意ですね。
気の弱さは性格的なことも大きいので、一朝一夕で何とか出来るわけではありませんが、それがターゲットにされてしまっていないかどうか、子どもの友人関係も含めて気にしてみてください。
真面目な子
真面目なのは良いことですが、それが度を超えてしまうと、融通がきかない、空気が読めない子どもとして陰口の対象になってしまうことがあります。
また、空気を読んで世渡りが出来ないと、大人になってからの人間関係でも苦労をする可能性がありますね。1つのことに固執して子どもが孤立していないかどうか、子どもの行動に気をつけてみてください。
目立ちすぎる子
少数派の人を見つけて、その人のあら捜しをして優位に立ちたい人がいじめっ子の場合は、顔が可愛かったり、勉強が出来たり、何か特技を持っている子どもに対して「あの子、調子にのってる」という陰口を叩くかもしれません。
他人からの嫉妬でいじめられるというのは、一番理不尽に感じてしまいますよね。子どもの個性を殺さずに対処するためには、親が早めに気づいてあげることが大切です。
転校生
外部から来た分かりやすい「よそ者」ということで、いじめのターゲットにされてしまう可能性があります。子ども自身も慣れない環境で不安のはずです。幼少期の転校は親の事情によることがほとんどだと思いますので、学校生活がスムーズに始められるように、特に気を配ってあげてください。
次ページ:子どもが送るサイン
子どもが送るサイン
いじめられている子どもは、いじめられている事実を隠そうとすることが多いですが、日常生活の中で何らかのサインを出していることがあります。
それに気付くことができれば、子どもの傷が浅いうちに、事態に対応出来るかもしれません。
日々接している子どもの違いに気付くためにも、下記内容を気にかけてみて下さい。
学校の話をしない
これまで、学校や友達の話を喜んで話してくれていた子どもが、パタリとその話をしなくなったら要注意です。また、自分から話をしなくても、親から聞けば話をしてくれていたのに、それずらもはぐらかしたり拒絶をするようになったら、学校で何か嫌なことが発生している可能性があります。
思春期で難しい時期の場合は、判断が難しいかもしれませんが、このような時は無理やり聞き出そうとすると逆効果になる可能性がありますので、親が焦ることなく、子どもの様子を見ながら対策を考えましょう。
また、これまで部活に打ち込んでいたのに消極的になったり、友達と一緒に登下校していたのに一人になったり、逆に、急に人間関係が変わった場合も要注意です。
学校を休もうとする
頭が痛い、気持ち悪い、お腹が痛い、など、体の不調を訴えて学校を休むことが続いたら要注意です。
本当に具合が悪い可能性もありますが、病院へ行くことを拒絶されるかもしれません。
いじめられていることを親や周囲に言い出せずに1人で抱え込んで、そのストレスが体の不調を引き起こしている可能性があります。
子どもは自分がいじめられている事実を隠そうとする傾向があります。1人で引きこもって過ごしていたり、放課後に遊ぶ機会が極端に減ったりと、突然内にこもり始めたら注意深く様子を観察してみてくださいね。
明らかにストレスが溜まっている
上記のような体調不良を訴えるにとどまらず、食欲が目に見えて減ってきたり、過食になってしまったり、と、あからさまな変化を見つけたら、子どもとじっくり話し合いましょう。
他にも寝不足気味、年齢にかかわらずおねしょをする、表情変化が乏しい、突然感情的になる、入浴を嫌がるなど、これまでとは明らかに違うサインは、いじめのストレスによって引き起こされている可能性があります。
場合によっては医療機関に頼った方がいいかもしれません。専門家の意見も参考にしながら、ストレスの原因を根気強く見極めていくことが大切です。
対処法
では、上記のようなサインを見つけたとき、どうすればいいのでしょうか。
前の項目からの繰り返しになりますが、親が焦って問い詰めたり、子どものことを確認せずに先走って行動してしまうと、子どもが心を閉ざすのみならず、学校や相手との関係も悪化してしまう可能性があります。
そして、できるだけ両親で対応するのが望ましいですね。自分1人でいきり立っても、学校や相手からコチラ側の一人相撲だと思われてしまう可能性があります。そして何よりも、パートナーから「気にしすぎだ、大げさにしすぎだ」などと背中を撃たれてしまう可能性も否定出来ません。
また、話が複雑になってから相談すると、「どうしてもっと早く言わなかったのか」と問い詰められ、パートナーが疎外感を感じて協力してくれなくなってしまうかもしれません。
子どもがいじめられているかもしれないと感じたら、まずは両親で話し合い、今後の方向性をすりあわせておきましょう。
離婚や死別などでひとり親家庭の場合は、自分の両親や信頼できる人に相談しておいて、話し合いのときなど、いざとなった時に子どもを預かってもらうよう頼んでおくのも良いかと思います。
そして、特に下記3点に関しては、しっかり対処しましょうね。
次ページ:子どもに対して
子どもに対して
まずは被害者である子どもに寄り添い、隣に立つ気持ちで接してみてください。そして、家が落ち着ける場所だと思わせる雰囲気を作りましょう。
今は共働きの家庭も多く、子どもとじっくり話をする時間をとることそのものが難しいかもしれません。そんな日々の中で、大人が率先して時間を作る努力をしましょう。
例えば朝食か夕食は一緒に食べる時間を作ったり、食器の片付けを手伝ってもらってその間は話をする時間にしたり、宿題を一緒にやりながら話をしたり、など、時間は短くて構いません。
1日の中で子どもの話を聞く時間を確実に作り、それを積み重ねていくことが大切です。時に殺伐としている家庭の雰囲気を見直すことで、子どもが家で格好つけなくてもよい状態にしてあげてください。
親が話を聞いてくれること、家で待っていてくれることに子どもが安心感を持ってくれれば、学校で悩みがあると真っ先に相談してもらえるようになるのではないでしょうか。
子どもには子どもなりのプライドがあります。特に思春期に近い子どもの場合、親の心配ばかりを押し付けるのは逆効果になりますので、子どもから「あのね……」と話せるような、そんな雰囲気を作れるように、環境を整えてあげましょう。
そして、時には学校を休んでもよいこと、本当に辛い時は転校も出来ることなど、その場から離れてもよい、逃げてもいいんだよということを伝えてあげると、子どもの気が楽になるかもしれませんね。
学校に対して
学校へ話をする場合は、電話で連絡をしてから、担任の先生に時間を作ってもらってください。
そして、いきなり「子どもがいじめられています。何とかしてください」と訴えるのではなく、最初は「家で子どもの様子がおかしい。学校で何かあったのではないか」という相談から始めましょう。
今は学校側もいじめ対策に力を入れているところが多いので、話を聞いて、それだけでも気にかけてもらえるはずです。
ただし、何かを壊されたり、怪我をさせられたりというような、あからさまないじめを受けている場合は、その証拠(怪我の写真や、嫌がらせのメールなど)を持参して、対応を訴えても良いかもしれません。そして、ここで両親が揃って相談にいくと、学校に対しても効果的です。
もしも、担任が非協力的だと感じてしまったら、より力がある人(学年主任→教頭→校長→教育委員会)に、順を追って相談してください。そして、立場が上になるに伴い、「これまでにこんなことがあった」という事実を文章にまとめておくと、自分も感情的にならずにすみますし、相手にも齟齬無く伝えることが出来ます。
この文章には、具体的な事実のみを記載しましょう。写真などの証拠があるとより強力です。
感情で訴えるのではなく、「こんなことがありました。学校は何をしているんですか?」と淡々と訴えるほうが効果的です。そして何よりもこちら側が引くつもりがない、なあなあでは済ませないという覚悟も伝わります。
そして、学校側が「調べます」といったら、期日を約束しましょう。その日までに結果が出なくても必ず報告をして欲しいという約束をとりつけておくと、はぐらかされずにすみます。
ここでは学校に対して責任の所在を訴えるのではなく、子どもが楽しく学校で過ごせるような対策を講じるように訴えてみてください。
いじめっ子の親に対して
いじめっ子の親と話し合う時は、直接ではなく、学校などの第三者に間に入ってもらうようにしましょう。いじめの根幹が家庭問題にある場合も多く、いじめっ子も自宅では両親から虐待を受けていたり、それに近い扱いを受けていることがあります。要するに、子ども以上に手に負えないこともあるのです。
被害者がオドオドしていると、相手につけこまれてしまいます。毅然とした態度で望みましょう。
加害者が話し合いに応じない可能性もありますが、それでも直接連絡をとって会いに行くことは控えて、学校などを挟むようにしましょう。言った言わないの水掛け論になることを防ぐことが出来ます。
そして、相手が「謝ればいいんだろう」という開き直った態度で接してきても、毅然とした態度で接しましょう。形だけの謝罪でなく、「じゃあ、今後どうするのか」を、しっかり約束させることが大切です。
まとめ
学校でのいじめは家庭では気づきにくく、対応が遅れてしまうことがあるかもしれません。
いじめに気づいた、その瞬間からで構いません。まずは焦らず、大人として確実に対応していけば、道が開けます。
一番つらいのは、最前線でその現実と向き合っている子ども自身です。
ときには子どもと一緒に休みながら、子どもが安心出来る環境を取り戻してあげてくださいね。
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