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紅茶の種類まとめ!「アールグレイティーってなに…」の疑問を解決

一言で紅茶、といっても、その種類は多様です。秋の夜長の相棒としても最適ですが、どんな種類があるのか、ちゃんと知っていますか?

紅茶はその歴史も古く、中国では有史以前から飲まれてた飲み物です。イギリスを中心にヨーロッパで普及した後、日本には明治時代から輸入されるようになりました。
また、インドやスリランカなど、産地によって茶葉の風味や味わいも大きく異なります。気分や好みに応じて選べることも、紅茶の魅力の1つですね。

この記事ではそんな紅茶の種類や個性について、オーソドックスなものを中心に改めてご紹介します。
加えて、紅茶の茶葉が作られる製法や茶葉の等級など、知っておくと更に紅茶が楽しめる、そんな知識も一緒にまとめました。

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産地別、紅茶の種類

紅茶は有史以前から中国で薬として重宝され、その後、6世紀以降に飲み物ととして一般化しました。 17世紀、オランダによってヨーロッパに伝えられ、18世紀のイギリスでその人気が開花します。

『万病に効く東洋の秘薬』だった中国茶に、ポルトガルから嫁いできた女王が、砂糖を入れて飲み始めたのです。当時、砂糖は貴重品でした。この贅沢な習慣がイギリスの貴族社会に広まっていきます。

その後、イギリスは産業革命を成功させたことで、中産階級を中心に食生活にも大きな変化が生まれました。それまでは貴族が飲んでいた飲み物が、人々の生活に定着していったのです。

そして19世紀になると、イギリスが当時植民地だったインドやスリランカ(当時はセイロンと呼ばれていた)でお茶の栽培に成功しました。

そんな紅茶が日本にやってきたのは、1887年のこと。紅茶原産国の中国からではなく、西洋文化に憧れたことから、イギリスからの輸入だったそうです。

現代では紅茶はすっかり日本人の中に根付いており、ティーバッグや缶紅茶などで更に手軽に紅茶を楽しめるようになっています。
同時に、こだわりのリーフティーをじっくり楽しむ人も増えていますね。

では、ここからは各茶葉について、更に詳しくみていきましょう。

ダージリン

ダージリンは、インド北東部にある西ベンガル州の北部・ダージリン地方で生産される紅茶の総称です。
「紅茶のシャンパン」と呼ばれており、セイロンのウバ、中国のキーマンと並び、世界三大銘茶と称されています。

紅茶の中でも特に香りが重視されているため、香りを楽しむためにストレートティーで飲まれることが多い品種です。
この強い香りは、標高の高い山地で生産されており、寒暖の差が激しいことから生み出されています。

ダージリンには3回の収穫期があり、それぞれで味や香りが異なります。

・ファーストフラッシュ(春摘み)
若々しく爽やかな香りが特徴の反面、「青臭い」「薄い」と言われることも。
特に日本やドイツで人気が高くなっています。

・セカンドフラッシュ(夏摘み)
ダージリンの特徴でもあるマスカテルフレーバー(マスカットフレーバー)を持っているものは、このセカンドフラッシュで収穫されたものです。

そのため、他の収穫期よりも高品質、高値で取引される傾向があります。

・オータムナル/オータムフラッシュ(秋摘み)
中級品という位置づけもあり、比較的安値で取引されています。
香りは他のものに劣りますが、濃厚で丸みを帯びた味はミルクティーに合うとされています。

アッサム

アッサムは、インドのアッサム地方でつくられる紅茶です。世界最大の紅茶産地としても有名ですね。
その特徴は、茶褐色でこくが強いこと。ミルクティーとして飲まれることが多くなっています。

4月から5月がファーストフラッシュ、6月から7月にかけてセカンドフラッシュが摘まれ、生産期は11月まで続きます。

ウバ

ウバは、スリランカのウバ州高地で生産される高級茶です。
ダージリン、キーマンと並んで、世界三大銘茶にも数えられています。

その特徴は渋さを伴った深い味わいと、香り高いことですね。時にバラの花に例えられるような香りのものもあれば、スモーキーな香りのものもあり、栽培者や収穫時期によってかなりの違いがあります。

上級の品種はストレートティーとして香りを楽しむことも多いウバ茶。そのため、好き嫌いが分かれやすい紅茶でもあります。試飲が出来る場合は、買う前に飲んでみることをオススメします。

キームン

祁門紅茶(きーむんこうちゃ)は、中国の安徽(あんき)省祁門県で生産されている紅茶です。ダージリン、ウバと並んで世界三大銘茶に数えられています。

鮮やかな赤い水の色と柔らかい味わいが特徴で、その香味は果物や蘭の花の香りを内蔵すると言われているほど。5分以上じっくり蒸らして味わうのがポイントです。

精巧な工程を経て等級が選別されており、時間と労力をかけて丁寧に作られた紅茶は、「紅茶のブルゴーニュ酒」と称されることもあります。

ヌワラエリア

スリランカといえばウバを思い浮かべるかもしれませんが、そのウバと反対側に位置する高地・ヌワラエリアで生産されているのがこの茶葉です。

淡いオレンジの水の色と、適度な渋み、花のように優雅な香りが特徴です。ストレートティーとして楽しむのが最適ですね。
その渋みと茶葉の色から、日本の緑茶に近い感覚で楽しむことが出来ます。

等級別、紅茶の種類

紅茶のパッケージをよく見ると、「BOP」「OP」などの表示があるものがあります。
これは紅茶のグレードを示していることを知っていますか?

等級区分のやり方は生産地などによっても異なりますが、オーソドックス製法の4区分とCTCを知っておくと、パッケージを見るだけでどんな紅茶なのかを大まかに判断することが出来ますよ。

オーソドックス製法とCTC製法

紅茶の製法には、オーソドックス(伝統的)製法と、アン・オーソドックス(非伝統的)製法(CTC製法)に大別されます。最近はこの2つの方法を合わせた製法も見られるようになってきました。

・オーソドックス製法
約200年前に中国で完成した手作りの製法です。その後イギリス人によって機械化されました。
その製法や機械設備は、年々改良が加えられています。
茶葉の外観を重視したリーフタイプと、水色や香味を重視したブロークンタイプの2通りがあります。

主な工程は、下記の通りです。

1.摘採(てきさい)
茶葉を人の手で摘み取ります。摘まれた生葉は傷がつかないように工場へ運ばれます。

2.萎凋(いちょう)
生葉をしおれさせて葉を柔らかくして、次の工程への準備をします。

3.揉捻(じゅうねん)
葉に圧力をかけて形状を整えると同時に、茶葉の組織や細胞を破壊して、空気に触れるようにします。

4.玉解き・篩い分け(たまどき・ふるいわけ)
塊になっている茶葉をほぐします。

5.酸化発酵
温度と湿度が管理された部屋に茶葉を置いて、酸化発酵を促します。

6.乾燥
熱風で乾燥させていきます。ここで紅茶らしい風味が固定されて、貯蔵や輸送にも耐えられる品質になるのです。

7.仕上げ
余計な茎やくずなどを取り除き、茶葉の大きさごとにグレード分けがなされていきます。

また、現代ではオーソドックス製法の揉捻の後に、葉を切断する機械を使うことで、オーソドックス製法に近い香りと味わいを活かしつつ短時間で抽出出来る『セミオーソドックス製法』も、世界的に取り入れられています。

・CTC製法
特殊な設計のCTC機という揉捻機を使います。ちなみにCTCは、「CRUSH(押しつぶす)」「TEAR(引き裂く)」「CURL(丸める)」の頭文字をとっています。
発酵をより効果的に行い、短時間で大量の紅茶を作ることが出来ます。
ティーバッグの普及に伴ってこの製法も急速に普及しており、現在は紅茶生産量の半分を占めるほどになりました。

オーソドックス製法の等級

オーソドックス製法で作られた紅茶は、その形状や大きさなどによって区分されます。
下記の基準は茶葉の大きさと外観を表示しているだけなので、品質の良し悪しではありません。

  1. OP(オレンジペコー)
    細かい針状の長い葉であることが多く、水色は明るく薄いもの、香味が強いのが特徴です。
  2. P(ペコー)
    葉が太めでよく揉まれており、水色はOPよりやや濃くなります。
  3. BP(ブロークンペコー)
    下記のBOPよりもサイズが大きく、芯芽も含まれていない中級品。増産用に使われることが多くなっています。
  4. BOP(ブロークンオレンジペコー)
    需要が最も多い紅茶です。葉のサイズが小さくて多くの芯芽が含まれており、よく揉まれています。
    水色や香味が強いのが特徴です。
  5. BOPF(BOPファニングス)
    BOPよりも細かくなり、水色も濃く早く抽出されます。ブレンドに多く使われる上級品です。
  6. F(ファニングス)
    ひらべったく、ダストよりも大きいサイズです。
  7. D(ダスト)
    葉のサイズが最も小さい等級です。

フレーバーティー

フレーバーティーは、茶葉に香料を吹きかけて香りを強めたものです。
茶葉自体の味や香りが穏やかなものを使用し、香料の数だけ種類があるので、種類が豊富なのが特徴です。

Apple

飲みやすいアップルティーですが、使われているほどんとは人工香料です。
主に香りが甘い青りんご系と、甘くて酸味のある赤りんご系があります。

アールグレイ

アールグレイは、ベルガモットで柑橘系の香りをつけた紅茶です。
フレーバーティーとしての歴史は最も古く、原料には祁門茶が使われることが多いようです。

落ち着きのある香りはアイスでも比較的香りが分かりやすいため、アイスティーに用いられることも多くなっています。

キャラメル

甘い香りが特徴のキャラメルティーは、これからの季節にもピッタリ。
香りのみならず紅茶のコクも楽しむことが出来ます。

フランボワーズ

フランボワーズは木いちごのこと。独特の甘酸っぱい香りと柔らかな酸味は、疲れた体をリフレッシュさせてくれます。
スイーツとの相性も良いので、女性に好まれやすいフレーバーティーの1つです。

ラプサンスーチョン

松葉で燻して香り付けしたフレーバーティーです。
日本ではその香りがしばし正露丸に例えられるほど、強い香りが特徴です。
そのため、好みがはっきり分かれますが、その香りに魅せられた愛好家も多く、世界中で愛されています。

ブレンドティー

ブレンドティーとは、味や香りのバランスをとるために茶葉が配合された紅茶です。
事前にパッケージングされて販売されているものは、ほとんどがブレンドティー。専門のティーブレンダーが、時にその国の水質も考慮して、いつ飲んでも美味しい紅茶を作り上げています。

例えば、その年の茶葉の生育状況や、その国の水が軟水か硬水かによっても、紅茶の味は大きく変化してしまいます。
ティーブレンダーはそれらの状況を全て把握した上で、万人に向けた紅茶を生み出しているのです。

紅茶好きが講じて、自分でブレンドを楽しんでいる人も多くいます。
しかしながら、初心者がいきなりブレンドに手を出すのは難しいかと思いますので、まずは市販されているものを飲んでみて、自分はどんな味が好きなのかを知るところから始めましょう。

イングリッシュブレックファスト

その名の通り、朝食用に作られた紅茶です。頭と体を目覚めさせるべく、濃厚な味わいのものが多くなっています。
主に使われているのはインド茶とスリランカ茶ですが、近年はケニア茶を使うこともあります。

アフタヌーンブレンド

おやつと一緒に午後のひとときを楽しむこのブレンドは、香り豊かなものが多くなっています。
ストレートでもミルクティーでも楽しめるので、食べ物に応じて選びたいですね。

ロイヤルブレンド

メーカーによって名称などが異なる場合もありますが、上品でバランスの取れた味わいの紅茶が多くなっています。
主に使用されている茶葉は、ダージリンやアッサム、スリランカ茶です。

まとめ

いかがでしたか?紅茶、と一言で言っても、産地やその特色などで、とても細かく分類されます。名前しか知らなかったような紅茶についても、少しは知ることが出来ましたでしょうか。本記事が少しでも皆さんの紅茶の関する知識を深いものにする手助けとなったなら幸いです。

これだけの種類があれば、きっと、一人一人に合ったお気に入りの一杯を見つけることが出来るはず。
これから寒くなる季節に向けて、ぜひとも自分好みの紅茶を探してみてくださいね。

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