コロンと寝転がると、い草の香りがほんのりする畳。和室部屋は日本古来からの落ち着きがある空間として、外国風のテイストが流行るなかでも畳コーナーとして一角を作るなど、現代でも多くのご家庭に愛用されています。
しかしこの畳、少し布団を敷いたままにしてしまったり、湿気の多い季節になるといつの間にかカビが発生して困った経験はございませんか?発生してしまったカビの除去方法・防止対策を学んで、快適な畳コーナーを取り戻しましょう。
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目次
いつの間にか発生したカビ。原因は?
畳表に使われている「い草」。実はこれ自体がカビの栄養となってしまいます。また織り込まれているので繊維に沿ってカビが根を張りやすくなっています。
張り替えたばかりの畳
い草は新しいものほどその吸湿性が高くなります。室内の湿気対策としては良好ですが、畳自体が水分を含みすぎてカビを発生しやすくしてしまいます。
畳の上敷きはカビやダニの大好物
寒い季節になると、ホットカーペットやコタツの下にマットを敷いたり、畳の傷や汚れ防止に絨毯などを上敷きにすることがあります。また和室を寝室にしてお布団を敷いたままにしてあると、い草は吸い込んだ水分を放出できず、内部に溜め込んだ状態になります。畳の表面に生えるカビの原因で1番多いものはこれです。その状態で畳が暖められると熱によって一層ダニの発生しやすい状態ともなります。
換気不足!部屋を閉め切っている状態
部屋を閉め切って換気不足になると、部屋中にたまったホコリが空気中の水分などを吸い取り、部屋の湿気を上昇させカビを発生させる原因になります。
いざ、畳のカビを除去!
畳を傷めてしまわないよう、正しい手順でお手入れしましょう。また、お手入れをする日は湿度の低い天気の良い日を選びましょう。せっかくお手入れした畳をしっかり乾燥させるためにとても重要なポイントです。
畳を乾かす
窓を開けて換気をします。畳をはがせる場合は天日干しもおすすめですが、ドライヤー等で熱をあてて徹底的に乾燥させるのがポイントです。
(風が強い日に窓を開けて換気すると、胞子が拡散する場合があるのでご注意ください。)
掃除機をかける
畳の目に沿って掃除機をかけます。弱めの出力で大丈夫です。掃除機で取れなかったカビには乾いた歯ブラシやタワシなどでやさしく掻き出しカビをうかせてから再び掃除機をかけます。このとき間違っても濡れた雑巾などでカビを拭き取らないように注意してください。カビが奥深くに入り込み、すぐに再発してしまいます。
消毒用エタノールを使用
霧吹きなどに消毒用エタノールを移し替え、畳全体に吹きかけ、しばらく置いて乾燥させます。その後、もう1度エタノールを吹き付けながら、乾いた布で拭き取り掃除をします。
畳を徹底的に乾燥させる
カビ除去作業の基本&仕上げは、「しっかりと畳を乾燥させる」ことです。これができないと、あっという間にまたカビが生えてしまいます。窓を開けて、空気の流れを作りしっかりと乾燥させましょう。
注意!畳にNGなお手入れ
水拭き
畳が余計な水分を吸い取ってしまうのでNGです。洗剤をつけていてもダメですよ~。
叩く
擦るとカビが中に入る気がしてトントン叩いてカビを浮かせようとすると、とっても軽いカビ胞子がフワフワとお部屋に蔓延。NGです。
重曹
只今エコな掃除で人気を集めている重曹ですが、とっても多い失敗例として挙げられているのが「畳を掃除してしまって変色」です。重曹と畳の天然素材に含まれるたんぱく質が化学変化を起こしてしまい変色します。汚れではないので2度と落ちることはありません。
カビを再発させない!3大要素
「乾燥」「換気」「掃除」この3大要素を守れば、畳のカビ予防の大きな対策となります。
カビの原因となるのは溜め込んだ水分を放出できない状態です。
乾燥
畳のお部屋では、お洗濯物の部屋干しは控えましょう。雨が続く季節でなかなか換気も難しい時はエアコンや除湿器を使って、乾燥させるように心がけましょう。湿度が65%を超えないよう注意してください。
換気
閉め切った状態にしてしまいますと、湿度はすぐに上昇してしまいます。定期的に窓を開けて空気の流れを通してあげることが室内全体の乾燥にも大きく役立ちます。
掃除
畳に掃除機をかけることで、湿気も除去されていきます。またホコリ等がたまって水分を含むこともなくなります。お部屋もきれいになりますし、マメに掃除機(掃き掃除)をすることはカビ対策にとっても効果的です。
畳は寝転がって気持ちがいいだけでなく、室内の水分やチリ・ホコリを吸収し、無害な空気を吐き出してくれる、とても優れものです。しっかりと部屋を乾燥・清潔にし、畳本来の働きができるように、マメにお手入れしてあげることが大切です。正しいカビ対策をして、快適な和室を維持しましょう!
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