頭痛が起きている時に甘いものを食べると治ったり、甘いものを食べると頭痛がするという人は、血糖値が不安定になっていることに気づく必要があります。
甘いものによって急激な血糖値の乱高下が起こり、大きな影響を与えます。そのままにしておくと、糖尿病のリスクがかなり高い状態となり、脳卒中などの原因にもなってしまいます。
頭痛がするとなぜか甘いものが食べたくなるという人は、病的リスクを回避し、食事を見直すことをお勧めします。頭痛と甘いものの関係や、その裏側に潜む病的リスクなどお伝えいたします。
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頭痛と甘いものの2つの関係
甘いものを食べると頭痛がする人もいれば、頭痛がしたときに甘いものが食べたくなり、食べると治るという人がいます。この甘いものと頭痛には2つの関係があります。一つはセロトニンの問題、もう一つが血糖値です。
セロトニンの増加
頭痛の原因は様々ですが、その一つがセロトニンが分泌しすぎて血管が拡張してしまうためではないか、と言われています。甘いものを食べると、一時的にセロトニンが増えるため、甘いものを食べると頭痛がするという仕組みが考えられるのです。
しかし、このセロトニンによる影響よりも怖いのは、血糖値が不安定になって起こる頭痛です。
糖質を食べると、誰でも一時的に血糖値が上がります。特に砂糖を多く含む甘いものは急激な血糖値の上昇を起こします。急激な血糖値の上昇は身体にとって大きな負担となるため、急いで血糖値を下げる必要があります。
そのため、急激に上がった血糖値は急激に下げることでバランスを取っているのです。脳は、血液中の糖をエネルギーとして使っていますが、その量が安定している時が一番活動がしやすい状態です。
血糖値の低下
上述した通り、甘いものを食べると、脳内のエネルギー量は上がったり下がったりとジェットコースターのように不安定な状態です。
特に、血糖値が下がると、脳はエネルギー不足を感じ活動が低下します。脳血流の低下など様々な影響を起こすため頭痛が起きてしまうというわけです。
頭痛の時に甘いものを食べて治るのは、下がりすぎた血糖値を上げることで脳のエネルギー供給ができて、痛みが軽くなるというわけですね。
じゃあ、頭痛の時に甘いものが食べたくなるのは当たり前で、それが治療法になるんだ!と思うのは大間違い。頭痛を治すために食べた甘いもので、また次の血糖値不安定を作り出してしまうのです。
甘いもので頭痛が治る人の病的リスク
頭痛と同時に、無性に甘いものが食べたくなる、我慢できないくらい食べたいと感じるようであれば、かなりの血糖値不安定が起こっていることでしょう。
機能性低血糖症
甘いものに関係して頭痛などの症状をおこす人は「機能性低血糖症(以降、低血糖症と略)」という病気の可能性があります。
低血糖症は、血糖値を下げるインスリンというホルモンが必要以上に出てしまい、血糖値を下げ過ぎてしまいます。自然に安定した状態であれば、食後の血糖値が食前の血糖値を下回ることはありません。
しかし、低血糖症の場合は、血糖値が食前を下回ることが起こってしまうのです。つまり、食べる前よりも血糖値が下がるというおかしな状況です。エネルギーを確保するために食事をするのに、これで脳へ届けるエネルギーが供給できなくなります。
これでは生命維持として困るので、筋肉を壊したりしながらエネルギーとなる糖質を作ります。この時に分泌されるホルモンの一つがアドレナリンです。
血糖値が下がると、特に興奮しているわけでもないのに大量のアドレナリンなどが分泌されます。アドレナリンは血管を収縮させるので、頭痛の原因となり、同時にイライラの原因になります。
普段からイライラした時に甘いものを食べると治る人は、低血糖症の可能性がかなり高いでしょう。
糖尿病
この低血糖症に気が付かず頭痛のたびに甘いものを食べ続けると、やがて糖尿病へと進行します。低血糖症の場合は、高血糖と低血糖を繰り返してしますが、糖尿病は血糖値を下げる機能が破たんし高血糖状態が続きます。
糖尿病になると血管障害による脳卒中や心臓病などの合併症がおこりやすくなります。血管障害が起こるのは脳の血管も同じです。糖尿病になると脳卒中や脳梗塞のリスクが高くなるのは周知の事実ですし、そうなれば頭痛どころではありません。
実際に、脳卒中を起こした人の多くが、糖尿病などの高血糖に気が付いていなかったということもわかっています。脳梗塞の発作が起これば、麻痺や言語障害などが起こり、ひどい場合は死に至るのです。
血糖値を安定させる4つの改善方法
頭痛が低血糖で引きおこされ甘いもので治るのであれば、血糖値が安定すれば頭痛もなくなるということになります。
普段から頭痛に悩まされている人は、血糖値を安定させる工夫をしてみましょう。血糖値を安定させるためには食事改善が一番です。
- 食事バランスをタンパク質重視にする
- 食べる順番を汁物→野菜→肉や魚→ご飯に変える
- 砂糖を含まない間食をする
- 長時間の空腹時間を作らない
この4つのポイントを押さえて食事を見直してみましょう。低血糖が起こりやすい人は、大抵炭水化物重視の食事になりがちです。ご飯や麺類、パンなどが多いのではないでしょうか?
甘いものに限らず、炭水化物でも血糖値は動きます。普段の食事をタンパク質重視にすることで、血糖値を安定させましょう。間食にはゆで卵やスルメイカなどのタンパク質類がお勧めです。
大切なのが、長時間の空腹な状態を作らない事です。食事はしっかりタンパク質重視であっても、長い時間何も食べなければ結局低血糖を起こしてしまいます。空腹に気づく前に何かを食べるという習慣をつけましょう。
まとめ
頭痛の原因が甘いものだと分かっていれば、頭痛に対する改善方法があります。甘いものをやめることができれば頭痛もなくなることでしょう。
甘いものの影響で頭痛が起こっているのですから、元を断ち切れば快適な生活になるのです。低血糖症がひどい人ほど、甘いものを断ち切ることができないといわれています。
自分自身の甘いものへの依存に気づき、頭痛のない快適な生活を送られることを祈っています。
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