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ブラジルコーヒーの特徴とブラジルにおける生産体制

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コーヒーと言えば世界でもトップの生産量を誇っているブラジル。ブラジル以外でも様々な国でコーヒーの生産が行われており、近年では気軽に世界中のコーヒーを試すことができるようになってきました。その中でも変わらず世界のトップの生産量を誇り、多くの人から愛されているブラジルコーヒー。

世界に多く存在するコーヒー豆の中でもなぜブラジルのコーヒーがこれほどのシェアを占めているのか、ブラジルのコーヒーの特徴、その生産体制を他国のものとも比べながら検証していきます。

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<h2>ブラジルコーヒーの生産の歴史</h2>

<h3>エチオピアからもたらされたコーヒーの苗</h3>

ブラジルにおける最初のコーヒーの栽培は1727年にブラジル北部に位置するパラ州のベレンで始まりました。コーヒー発祥の地とされているエチオピアから苗木が渡ったとされています。家庭用に栽培されていたものが海岸づたいに広まり、1820年頃からサンパウロとリオデジャネイロで本格的な栽培が始まりました。

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その当時のブラジルでは奴隷制度が行われており、19世紀前半には約150万人もの奴隷がブラジル南東部でのコーヒー栽培のために連れてこられたと言われています。その後、1880年代になるとブラジルにおける奴隷制度は衰退し、奴隷たちに代わってヨーロッパの移民たちを賃金労働者として雇用することとなりました。

<h3>コーヒーの価格の変遷</h3>

やがて1900年代に入ってからはコーヒーの配給が過剰となったことで市場価格が下落、それにより価格維持政策が行われ、コーヒーの価格が上昇し、コーヒーの生産が拡大。1920年代には世界のコーヒー市場はブラジルのコーヒーが世界のシェアの80%を占めることとなります。

しかし、1929年の世界恐慌でコーヒー産業がそのあおりを受けると、その後は連邦政府機関がコーヒーの買い取りや貯蔵を決定するなどして、国家がコーヒー産業を牽引し、安定した供給ができる体制が整います。

<h3>スペシャリティコーヒーよりも伝統的なスタイルを重視</h3>

1950年代になると世界的にコーヒーの生産が盛んになり、それに伴ってブラジル産のコーヒーの占める世界シェアは徐々に減少してきています。それでも現在では350万人が農村のコーヒー産業に従事しており、その親しみやすい庶民的な味を提供し続けるブラジルがコーヒー大国であることは間違いありません。

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<h2>ブラジルコーヒーの特徴</h2>

<h3>生産方法</h3>

ここで、ブラジルのコーヒーの特徴を他の国のものとも比較しながら挙げていきます。

ブラジルのコーヒーの90%は実をそのまま天日乾燥してから果肉を除去するという「ナチュラル製法」を行っています。製法が昔ながらの伝統のシンプルな方法であるがゆえに、管理の不具合が品質に直に反映してしまうため、豆の扱い方が重要となります。

<h3>豆の種類</h3>

現在、ブラジルではサンパウロ州、ミナスジェライス州、パラナ州を中心に、およそ60億本のコーヒー豆が栽培されており、7割がアラビカ種、残りの3割がロブスタ種と呼ばれています。

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≪アラビカ種≫~取扱い注意のデリケートな豆~

原産国はアフリカのエチオピア。アラビカ種は高温多湿に弱く、霜や霧、乾燥などの気候の変化や病害虫の影響も受けやすいことから標高1,000~2,000mの高地で栽培が行われています。発芽から収穫できるようになるまで5~6年かかり、そこからおよそ30年で収穫ができなくなってしまいます。高地のため収穫にも大変な労力が必要となりますが、それだけに、他の品種にはない豊かな風味や酸味を持っています。また、多くの亜種も生産されています。

≪ロブスタ種≫~丈夫で安価!・・・でもストレートで飲むのには不向き~

高地で栽培されるアラビカ種に比べ、ロブスタ種は低地でも栽培可能、病害虫にも強くアラビカ種よりもずっと安価で手に入ります。そのように生産のしやすいロブスタ種ですが、ストレートで飲むと特有の刺激的な苦み、キツイ渋みが出てしまうので、ブレンド豆として、また、インスタントコーヒーやリキッドタイプのアイスコーヒーなどに多く使われています。

<h2>世界のコーヒーの特徴</h2>

世界一の生産量を誇るブラジルのコーヒー豆ですが、他の国と比べてどのような強みがあるのでしょうか。近隣国のコーヒー生産状況と比較してみます。

<h3>コロンビア</h3>

ベトナム、ブラジルに次いで世界第3位の生産量を誇るコロンビア。標高の高い地域で栽培されていることがほとんどで、その地形と気候条件の多様性から、豆の味わいも異なっていることが特徴。芳醇な甘みと柔らかなコクとのバランスが良いマイルドなコーヒー。

<h3>グアテマラ</h3>

中米ではメキシコに次ぐ生産量のグアテマラ。そのほとんどが山の斜面で栽培されている。フルーティーで甘みがあり、ほどよい酸味が味わえる。近年はスペシャルティコーヒーの生産に力を入れている。

<h3>エチオピア</h3>

世界のコーヒーの原産国と言われているエチオピア。国土のほとんどが山岳地帯であり、現在でも一部のコーヒーは野生の樹木から収穫されている。上質な酸味とフルーティーな甘み、スパイシーな香りで「モカ」と名付けられて輸入されている。

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<h2>ブラジルコーヒーの魅力とは</h2>

前述したような近隣国との違いを見てみると、他国が限られた土地の条件の中でその土地特有の風味のコーヒー豆を育てていったことに対し、ブラジルは他の国ではできなかった国を挙げての農地改革により、広大なコーヒー農園を所有することができたこと、そしてその広大な土地を利用することで実現した「ナチュラル製法」と呼ばれる、コーヒー豆を広い場所に敷き詰めて天日干しする製法を用いたことで、豆の甘さを増加させ、味の深みと幅を広げることができたことなどが挙げられます。

そして何より、消費者にとっては比較的安価であっても風味が安定しており、クオリティの高いコーヒーが気軽に味わえること、またもっと上質のコーヒーを望む人には、ロースターと呼ばれる豆の専門店や、珈琲専門店などである一定以上の品質基準をクリアしたスペシャリティコーヒーを手に入れることもできる。そんな気楽な普段の一杯から、こだわりぬいた一杯まで様々な楽しみ方ができることも大きな魅力なのではないでしょうか。

普段何気なく飲んでいたコーヒーですが、その豆の産地によって製造法が違う、風味が違う。その歴史や作り手の熱意に思いを馳せながら、豆を選んで、その違いを、香りをじっくり味わってみるのもいいですね。

 

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