コーヒー専門店飲む淹れたてのコーヒーは、とても美味しいですよね。マスターがドリップしている時からいい香りがして・・・。その香り、その味、プロはやっぱり淹れ方が違うから。と、思ってしまいます。
少し手間はかかりますが、ちょっとしたコツ(基本)と、手順を覚えてしまえば、プロ並み、とは言えないまでも、家でもおいしいコーヒーを淹れることが出来るのです。家でも、おいしいコーヒーが飲めるなんて、嬉しいですよね。それでは、どんなコツがあるのか、おいしいコーヒーを淹れるための「基本」を学んでみましょう。
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目次
ペーパードリップでコーヒーを淹れる順序
一般の家庭では、ペーパーフィルターでコーヒーを淹れることが多いと思います。ペーパーフィルターでもコツを覚えれば、充分においしいコーヒーを淹れることはできます。ペーパーフィルターは使い捨てなので、器具の手入れも簡単ですが、抽出の仕方でなどによって、味わいに違いが出てきます。
しかし、手軽な方法ではあるけれども、味が安定しない、という欠点があるのです。できるだけ、同じ味わいになるために、ペーパーフィルターでのドリップの基本を覚えましょう。
ドリップの作業に入る前に、次の物を準備しましょう。
【必要な器具】
ペーパーフィルター、ドリッパー(陶器製で2~4人用そ用意するのがおすすめ)、サーバー(500㏄位の物がおすすめ)、細口のドリップポット、メジャースプーン、カップ&ソーサーを揃えましょう。
豆の挽き具合は、中細挽きがおすすめです。グラニュー糖くらいの大きさです。(薄めに抽出したい人は、少し粗挽きにするといい。)
ちなみに、すでに挽いてあるパッケージ商品のほとんどは、中細挽きになっています。
お湯を沸かす
水をポットに入れて沸かします。沸騰したら火を止めます。沸騰時に立つポコポコとした泡立ちが静まった頃、95℃前後が理想の温度です。
ペーパーフィルターをセットしコーヒー粉をいれる
まず、フィルターの、底の接着部分を外側に折ったあと、次に側面の接着部分を内側に折ります。
フィルターをドリッパーに軽く押し付けるようにして、セットします。
フィルターとドリッパーは、形の合うものを用意し、隙間が出来ないようにセットしましょう。コーヒー粉をいれたら、ドリッパーを軽くたたき、全体を平らにならします。
蒸らす
先ず、全体に均一に、20㏄くらいのお湯を注いで20秒ほど蒸らします。サーバーにお湯がポタッポタッっと、落ちてくるのを目安にするといいでしょう。(お湯がフィルターの壁までいかないように)
蒸らしている間に、コーヒーが膨らむのは、コーヒーに含まれるガスが放出されるためです。ガスが排出されることで、コーヒーとお湯がなじみやすくなるのです。そうして、お湯の通り道が作られるのです。「蒸らす」という工程は、コーヒーの成分を引き出すのにとても大事な工程ということです。
20秒ほどの短い時間ですが、必ず行いましょう。
お湯を注いで抽出
「蒸らし」の工程が終わったら、お湯を再び注いで、抽出の工程に入ります。お湯は、中心から「の」の字を描くように円を広げていき、80㏄→40㏄→20㏄くらいずつ、3回に分けて優しく注ぎます。水面が上から1/3くらい下がったら次のお湯を注ぐ、位の感じです。
おいしいコーヒーのためのお湯の注ぎ方のポイント
お湯も雑にサーっと注いではいけません。コーヒーを淹れるには、ゆったりとした気持ちが必要です。急がずに丁寧に注ぎましょう。
ただ、あまり時間をかけ過ぎても、渋みが出てしまいます。2分から2分半くらいで終了するのが目安です。五百円くらいの範囲内に、「の」の字の円を描くようにです。
お湯は中心に真上から注ぐ
お湯は、中心に真上から、小さく「の」の字を描くように注ぎましょう。
お湯を注ぐ時に、フィルターの壁面から、回すように注いでいる人が結構いると思います。しかし、それは間違いです。フィルターの壁面から注いでしまうと、コーヒー全体の成分を、まんべんなく抽出することが出来ないんです。
おいしいコーヒーの成分を、残してしまってはもったいないですよね。お湯の注ぎ方のコツも、しっかりと覚えておきましょう。
大事なのは「の」の字
先ほどから「の」の字を描くように・・・と、なんども言っていますが、どうしてなのでしょうか?
「の」の字を描くように、ということは、中心から円を描くように注ぐ。ということなんです。そうすることによって、コーヒー粉全体に均等にお湯を巡らせ、丸く膨らませて蒸らすことが出来るからです。
ドリッパーは、三角帽子を逆さまにしたような形をしています。その形に添ってコーヒー粉が入っているわけですから、当然中心部分の層が一番厚く、外側へ行くほど薄くなります。ですから、均等にお湯をいきわたらせるためには、層の厚い中心部分から、徐々に注いでいくのが一番いいのです。
注意してほしいのは、「の」の字にお湯を注いでいく際に、コーヒーフィルターの一番外側(壁)の部分まで、注がないのがコツです。フィルター部分までお湯を注ぐと、壁に沿ってお湯が流れやすくなり、そこにお湯の通り道が出来てしまいます。一度通り道が出来てしまうと、お湯は流れを変えることはできません。
外側のコーヒー粉の層は薄いので、充分にコーヒーのおいしい成分を抽出することが出来なくなるんです。当然コーヒーも薄くなってしまいますし、まろやかな味にならなくなってしまうのです。だから、「の」の字は、とても大事なコツというわけです。
抽出後のカスもチェック
表面のカスを見て下さい。
カスの厚みが均一になっていて、表面に細かい泡が残っていれば、雑味のないクリアな味のコーヒーが淹れられたサインです。表面にできる泡というのは、コーヒーのあくなんです。あくが取れて、おいしいコーヒーがドリップされた、ということです。
その他の大事なポイント
ペーパーフィルターでの、ドリップコーヒーの淹れ方の手順は覚えられましたか?
是非一度挑戦してみて下さい。・・・と、その前に、もう少し大事なポイントがありました。これらのポイントを押さえれば、さらにおいしく淹れられるでしょう。
粉の量の参考基準
コーヒー粉の分量は、カップ一杯分(約140㏄)あたり、10~12gが適量です。2杯分で20g前後、3杯分で25~30g前後、4杯分で35~40g前後が目安です。あとは、お好みで調整してください。薄いのが好みの人は少なめに、濃いのが好きな人は多めが良いでしょう。
また、コーヒー豆の種類や焙煎具合はお好みで、出来ればお店で焙煎してもらうのが、新鮮で良いでしょう。
どんな水を使えばよいか
お湯を沸かす時、水道水でいいのか、ミネラルウォーターがいいのか?どんな水を使ったらいいのか気になりますよね。
基本的に日本の水道水は安全ですので、水道水を使って大丈夫です。
ただし、次のような注意ポイントがあります。覚えておいてください。
塩素臭を軽減する:水道水には、消毒のため塩素が入っています。一度沸騰させると軽減します。また、浄水器を付けるとさらに改善されるうえに、手間も省けるのでおすすめです。
朝、蛇口から最初に出る水は使わない:これはよく言われることですね。前日の水が溜まっているので、使わない方がいいでしょう。
鉄分の多い水は使わない:水道管が古くなっていたり(錆びているかもしれないので)、瞬間湯沸かし器の水を使わないでください。水の中の鉄分が出てくるのでコーヒーのタンニンと結びついて、味や色が悪くなります。
ここで、覚えておきたい、水についてのポイントをあげておきましょう。
【水による味の違い】
水によっても味は違ってきます。水には、硬水と軟水があります。
硬水:コーヒーの成分と反応しやすい、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを多く含んでいる。
硬水を使ってコーヒーを淹れると、苦味が強くなる傾向がある。
軟水:サラッとした飲み心地の水。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが少ないのでコーヒーの成分に影響を与えにくい。軟水でコーヒーを淹れると、マイルドで酸味の効いた味わいになる。コーヒーそのものの特徴が出やすい。
上記のような点からいうと、コーヒーには軟水の方が向いているようです。しかし、人それぞれ好みの違いはありますから、自分の好みの水を使ってみるのがいいでしょう。ちなみに、日本の水道水は、ほとんどが軟水です。ですから、日本では水道水を使用しても、おいしいコーヒーを淹れられるんですね。
抽出温度の目安
先ほど、「お湯を沸かす」の手順の時にも示した通り、95℃前後(92℃~96℃)くらいが抽出温度の目安です。おいしい飲み物には、飲み頃の温度があります。コーヒーも同様です。
同じ品種で同じ焙煎度のコーヒーでも、お湯の温度によって味に違いができます。それは、抽出される成分が違ってくるためです。
低温:酸や糖など粒子が小さく軽い成分が抽出される→苦味や渋みは抑えられるが、軽い味わいになる。
高温:軽い成分の他に、苦味や渋みなど粒子の大きい成分も抽出される→苦味や渋みの成分が早く出てくるので、苦味の強い味になる。
では、、飲み頃の温度はどれくらいでしょうか。
抽出前に95℃前後だったお湯が、抽出中に少しずつ冷めてきて、出来上がった頃が80~82℃ほどになります。そして、一番おいしいと感じられる、飲み頃の温度は68~70℃です。
実際に飲む時に温度を計ることはできませんから、ゆっくりと飲むのが良いということでしょう。
初級者を卒業したら挑戦したい抽出器具
ペーパーフィルターでのコーヒーの淹れ方ができるようになったら、一段階上の中級?の器具にに挑戦してみませんか?ペーパーフィルターでは、味が安定しない、ということですが、他の器具ではどうなのでしょうか?淹れ方もちょっと難しくなるかもしれませんね。どんな器具かあるのか、覚えながら、淹れ方も少し学んでみましょう。
サイフォン
コーヒー専門店でよく見かけるのが、サイフォンでの抽出ではないでしょうか。
コーヒーが出来あがるまでの過程を一番楽しめる、見た目にも楽しめる方法です。
注意するのが火加減で、ヘラでコーヒーを攪拌(かくはん)する工程が、重要なポイントです。
【必要な道具】
ロート&フラスコ、アルコールランプやムービーヒーター等お湯を沸騰させる熱源、竹べら、布フィルター、ろ過機、メジャースプーン、細口ドリップポット、カップ&ソーサー
コーヒー粉の挽き方は、中挽きです。(グラニュー糖とザラメの中間くらいの大きさ)
一杯分の量は、15g程度(お湯160㏄)が目安です。
【淹れ方の手順】
・フィルターを準備する:ろ過機にネルフィルターをかぶせて周りのひもを絞る。(おろしたてのネルフィルターは、コーヒー液で煮沸して、糊をとりのぞいておく)
・フラスコに160(一杯分)のお湯を入れて沸かす。(フラスコの半分くらいが160㏄の目安)
フラスコの周りについている水滴は、必ず拭いておくこと。
・フィルターに一度お湯を通して温めて、水気を切る。
・フィルターが冷めきらないうちに、温めておいたロートにセットする。ろ過機の留め金をロート管の先端に引っ掛け、ずれないように竹べらで調整する。
・ロートに一杯分のコーヒー粉を入れる。
・フラスコの中のお湯が沸騰しているのを確認して、ロートをゆっくりフラスコに差し込む。
・お湯がロートに上って来たら、粉を竹べらで攪拌(かくはん)する。
浮いている粉を軽くほぐしながら、素早く粉をお湯と馴染ませる。数回円を描くようにするのがポイント。
・上から、泡→粉→液体の3層になっているか確認。
・火を弱めてそのまま15~45秒ほど置いておく。(1分を超えないように注意!苦味やえぐみがでてしまうので)
・もう一度竹べらでロートの中の粉を軽く攪拌して、コーヒー液が完全にフラスコに落ちるのを待つ。
・完全にフラスコに落ちたら出来上がり!
【抽出後のカスを見てみる】
抽出後のカスを見て下さい。ドーム状に盛り上がり、一番上層部分に泡がついていれば、おいしく抽出できたサインです。
コーヒーメーカー
コーヒーメーカーは、家庭でも業務用でも、一番使われている器具ですよね。
コーヒー粉を入れてスイッチを入れるだけ。手間いらずのべんりな器具ですが、やはり、器具によって味は違ってきます。
器具選びに注意したいところです。
ペーパードリップで学んだように、「蒸らし」は大切なぽインドですから、その辺を踏まえて、機能を注目しておきたいところです。
評判のコーヒーメーカー
・ハリオ(HARIO)珈琲王 コーヒーメーカー V60:「蒸らし」の工程にとことんこだわっており、プロの味に勝てるとも劣らないコーヒーを簡単に入れることができる。ハンドドリップ抽出のおいしさを再現した製品です。
プロの間でも名前をあがる、優れものです。
・パナソニック 沸騰浄水コーヒーメーカーNC56:豆の挽き分け機能を搭載し、好みに応じて挽き方を変えられます。
また、豆を挽き終えたミルまで自動洗浄。手間のかからないコーヒーメーカーです。
・象印 珈琲通 EC‐TC40
安価でシンプルなデザインのコーヒーメーカーですが、98%カルキを除去する浄水器付きで、豆本来の味を引き出します。コンパクトで場所を取らないのも嬉しい製品です。
・象印 珈琲通 EC‐AS60‐XB:抽出温度95℃にこだわりをもったコーヒーメーカーです。リーズナブル価格も魅力的です。
トルコ式コーヒー
トルコ式コーヒーは、フィルターを使わない抽出方法です。「ターキッシュコーヒー」とも呼ばれています。
他のコーヒーとは違う、独特な味わいのコーヒーです。
【必要な道具】
イブリック(銅、または、真鍮製の長い柄のついたひしゃく型の器具)、ガスコンロ
深入りのコーヒー豆を、極細挽きにして使用します。一杯分の目安は、コーヒー6~7gに対して、水60~70㏄程度。砂糖はお好みで入れるのですが、5g位を用意しましょう。
【入れ方】
・イブリックに、コーヒー粉と水をいれる。砂糖を入れる時は、ここで一緒に入れる。
・火にかける。極弱火にかけ、スプーンでかき混ぜながら温めていく。
・泡が吹き立ってきたら、火から降ろす。スプーンで軽く掻き混ぜ、再び火にかける。
これを、3回ほど繰り返して出来上がり。
・カップに注ぐ。少しそのまま置いて、粉が沈んでから、上澄みを飲む。
まとめ
ここまで、ザっとですが、おいしいコーヒーを淹れ方を学んできました。
いかがでしたか?おいしいコーヒーを淹れることができそうですか?
ペーパーフィルターでしたら、揃える器具も少なく、片付けも楽なので、まずは、ペーパーフィルターに挑戦してみてください。
今までよりおいしいコーヒーを飲むことが、きっと出来るでしょう。
おいしいコーヒーにクッキー?それとも奮発してケーキにしちゃいます?
午後のまったりした、コーヒーブレクを楽しんでみませんか?
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