「レギュラーコーヒー」と「インスタントコーヒー」この2つのコーヒーの違いをご存知でしょうか?その呼称の違いや特徴などを詳しく見ていきましょう。
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レギュラーコーヒーとはコーヒー豆を焙煎して、挽いた状態のものを指します。一方、インスタントコーヒーとはそのレギュラーコーヒーを抽出し、乾燥させた粉末で、お湯に溶かしてそのまま飲むことが可能です。
つまり、レギュラーコーヒーとは豆の種類や淹れ方を説明する用語ではなく、大まかに言うとインスタントコーヒー以外の飲み方の全てのコーヒーを指します。レギュラーコーヒーにあたるコーヒーがどのような種類があるのか挙げていきます。
<h2>レギュラーコーヒーの種類</h2>
<h3>ドリップ</h3>
ドリッパーと呼ばれる器にコーヒー豆をろ過するためのフィルター(紙タイプと布タイプの2種類)をセットし、挽いた豆を入れてお湯を注ぎ、コーヒーを抽出します。通常は熱湯の入った細口のポットからお湯を注いで抽出しますが、長い時間をかけて水で抽出するウォータードリップ(水出しコーヒー、ダッチコーヒー)という淹れ方もあります。
<h3>サイフォン</h3>
真空濾過式と呼ばれる方法で、フラスコのお湯をアルコールランプで熱して、蒸気の圧力によってお湯を移動させて抽出します。
<h3>フレンチプレス</h3>
紅茶の淹れ方と原理は同じですが、ポットにコーヒーの粉とお湯を直接注ぎ、金網のフィルターで粉を押し下げてコーヒー液を分離させて抽出します。
また、2005年には「エアロプレス」という淹れ方も新しく開発されました。これは、フレンチプレスがお湯を金網のフィルターで押し出す淹れ方なのに対し、大きな注射器のような器具を使い、空気の圧力でプレスする方法です。これは豆を蒸らす時間なども取らなくてよく、短時間で抽出できるため、初めての人でも簡単に美味しいコーヒーを淹れられるツールとして注目を浴びています。
<h3>エスプレッソマシーン</h3>
ストレートコーヒーよりも更に濃縮されたエスプレッソを淹れる機械。高温高圧の蒸気で抽出します。
<h2>インスタントコーヒーが生まれるまで</h2>
<h3>レギュラーコーヒーのメリット、デメリット</h3>
レギュラーコーヒーのメリットとしては、コーヒー本来の持つ味わい、香りなどを損なうことなく楽しめること、様々な豆の種類、挽き方、抽出方法を選ぶことでまた違う味わいを楽しむことができることなど、その選択肢の広さが挙げられますが、一方でコーヒー豆、抽出方法いずれも選択肢がありすぎて何を選んだらよいのか迷ってしまう、ということがあります。
また抽出に時間のかかるものは時間に余裕のある時でないとできませんし、専用の器具の購入も必要となります。
<h3>コーヒーの飲み方の遍歴</h3>
コーヒーは飲み始められた当初は挽いた豆を煮だしてその上澄みを飲む、トルコ式と呼ばれる飲み方をしていましたが、フランスで1711年にコーヒー液を布で濾す方法、1800年頃にはお湯を注ぐためのポットが考案され、現在のドリップコーヒーの原型が生まれました。ドイツでは1830年にコーヒーサイフォンが、また1908年には布のドリップの代わりにペーパードリップが開発、1901年にはイタリアでエスプレッソマシンが実用化されます。
こうしてコーヒーは様々な国でその土地独自の文化、歴史の影響を受けながら、次々と独自の魅力を開花させていきました。
<h3>日本人もその開発に携わったインスタントコーヒー</h3>
インスタントコーヒーは1700年代後半からイギリスやアメリカで開発が試みられました。アメリカに渡った日本の科学者もその開発に携わったという記録もありますが、様々な人々の手による開発を経て、1909年にはアメリカで大量生産が本格的に行われ、特許が申請されました。
そのインスタントコーヒーが日本に輸入され始めたのは1950年代。後に1960年には森永製菓によって国内生産が開始され、一般家庭にも広く普及するようになったのです。
<h2>インスタントコーヒーのメリット、デメリット</h2>
インスタントコーヒー人気に一役買ったのはアメリカ軍の兵士だったと言われています。第一次世界大戦時、兵士たちが戦場でコーヒーを飲む時に、インスタントコーヒーは手軽に手に入れられる飲み物として重宝されていました。兵士たちは戦場から母国へ戻った後も、インスタントコーヒーを愛用し、一般家庭にも出回るようになっていきました。
このように器具を必要とせず、持ち歩きもできていつでも思いついた時に気軽に飲めることができるインスタントコーヒーですが、その製造過程においてレギュラーコーヒーにあった味や香りが失われてしまうため、コーヒー本来の味わいを楽しむためにはインスタントコーヒーは物足りなさを感じてしまうかもしれません。
インスタントコーヒーが人気を博したファーストウエイブと呼ばれる時代から、カフェラテなどエスプレッソドリンクの流行するようになったセカンドウエイブ、そして近年は更にサードウエイブと呼ばれる高品質にこだわる時代となり、インスタントコーヒーの役割はその時代に合わせて変わってきていると言えます。
<h2>おわりに</h2>
芳醇な味と香りを堪能できるが、器具やフィルターなどを用意しなくてはならないこと、また淹れるための時間が取られてしまうレギュラーコーヒーに比べ、気軽に飲めるが味や香りは物足りないと感じてしまうインスタントコーヒー。
レギュラーコーヒーはコーヒー好きの方でしたらそのひと手間をかけることも味わいの一つとして楽しむこともできます。また、インスタントコーヒーは例えばコーヒーゼリーやティラミスを作る時の土台に使うなどお菓子作りでも活用できますし、何よりもお湯を注ぐだけで飲める手軽さは他のものにはない魅力です。
近年は紙製のドリッパーとフィルター、コーヒー豆が一体化したドリップコーヒーも普及し、特別な器具を使わなくても簡単に自分でドリップコーヒーを淹れることもできます。また、コーヒー豆の品質にこだわり、焙煎も自分のお店で行うというお店が増えたことで、珈琲専門店それぞれにも個性が出て、いろいろなお店に行く楽しみもできました。
それぞれの違いを理解したうえで、その日の気分によって飲みたいコーヒー、淹れ方、場所を選んでいく。これからのコーヒーの楽しみ方はその多様性を楽しむことなのかもしれません。
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