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保育士の仕事内容と良いところ・大変なところ

「大きくなったら何になりたい?」というアンケートをとると「幼稚園・保育園のせんせい」は女の子の部の上位にランクします。誰しもが必ず触れる・関わる職業である事、幼い頃の幼稚園・保育園の先生のイメージが良く、大きくなるまでその印象が変わらない事がその要因だと思います。

職業として良いイメージのあるこの仕事ですが、実際の保育士の仕事内容とはどのようなものなのか、正確に知っている人は少ないのではないでしょうか?本記事では保育士の仕事内容に焦点をあて、その様子や魅力をお伝えしていきたいと思います。

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<h2>保育士ってどんな仕事?</h2>

皆さんは保育士の仕事についてどうお考えでしょうか?「子育てなら子供を産んだ家族なら誰でもやっている事で、それと同じでしょ?」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。では、子育てと保育士の仕事はどこが違うのでしょうか?

ご家庭の子育てと保育士の仕事との違い

保育士は国家資格であり、保育士は「保育のプロ」として仕事に取り組みます。一人一人の発達や状況に応じて保育を考え、専門的な知識・技術を用いて保育を行います。

「専門的な立場で子どもの成長に関わる事・人間形成の礎を築く事」が保育士の仕事です。そのため、ご家庭での子育ての代わりとして担う部分だけでなく、ご家庭で補うことのできない専門的な役割が保育士にはあるのです。

保育士になる方は、この点を多分に理解して仕事に努めることがとても大切になります。

保育士の仕事の目的

保育士の仕事の目的は、保育活動を通じて下記の点を達成することです。保育士は保育のプロとして下記の目標達成を目指して仕事に取り組みます。

1.基本的な生活習慣を覚えてもらう

保育園に通う幼児期に覚える必要のある下記の生活習慣について、保育活動を通じて子供たちに身につけてもらいます。

・食事:好き嫌いを減らし、一人で自立して食事ができるようになる
・睡眠:毎日同じ時間に眠る規則正しい睡眠習慣を身につける
・排泄:一人でお手洗いにいき、排泄並びに後処理をできるようにする
・清潔:お手洗いやうがい、入浴、歯磨きなど、清潔な状態を一人で保つことができるようになる
・衣服の着脱:着ている服を自分一人で脱いだり、新しい服に着替えることができるようになる

2.保護者が安心して預けられる確かなお世話をする

子供の状態を適切に把握しながら、毎日のお世話をしていきます。各ご家庭での大切なお子様をお預かりする以上、保育のプロとして、安心の毎日を保護者に提供します。

3.集団生活の活動を通じて社会性を育む

初めての同年代の子供たちとの集団活動を通じて、社会の中で協力し合いながら生活をしていく社会性を身につけてもらいます。

時には地域社会とも連動し、地域の活動とも通じて自分や家族以外の人たちと触れあい、人の中で生きていくことを学びます。

4.遊びを中心とした活動を通じて心身の成長をサポートする

お歌や絵、散歩など遊びを中心とした保育活動を通じて子供の心身を刺激し、子供の健やかな成長を促します。

5.ご家庭での子育てと連動して子供の成長を見守る

連絡帳を通じてご家庭での子育てと保育園での保育活動を連携させ、各ご家庭のお悩みに寄り添いながら、子供の成長を見守っていきます。

保育のプロとして、各ご家庭のお悩みに対してアドバイスを提供できることも大切です。

6.地域社会と連携して活動を実施する

3と重複する部分もありますが、地域社会と連携した活動を実施することで、子供たちの心身の成長を促し、見守ります。

保育士の仕事とは、そのすべての業務を通じて上記の点を達成することになります。

保育士が集まる保育園とは

少し硬い話になってしまいましたが、実際に保育士として働いている人はそこまで難しく考えてはいないと思います。「子どもと関わる仕事がしたい」という思いからが一番だと思います。

つまり、保育士の仕事をする為の最大のスキルは「子どもが大好き」です。逆に言えば、そうでなくては勤まりません。「子どもが大好きな保育のプロ集団」これが保育園です。

昔の呼び名は保母さんだった

ちなみに保育士は以前「保母」と呼ばれていました。平成11年4月に名称が変更され、現在の名称になりました。

その背景には保母の名称の下で仕事をする方の中に男性も多くなってきた事があります。近年男性保育士の数も年々多くなってきており、全体の約1割弱、おそらく各園に1~2名ほどの男性保育士がいると思います。それでも女性が多い職場であることは間違いないですね!

<h2>保育士の勤務形態</h2>

多くの職種もそうだと思いますが、保育所に勤める保育士も多様な勤務体系があり、大別すると常勤勤務・非常勤勤務に分かれます。非常勤勤務はいわゆるパートの雇用体系と同様で、他の職種に比べ非常勤の割合が多い傾向があります。

常勤の保育士の勤務体制

常勤の勤務体制は変形労働時間制、いわゆるローテーション勤務を採用している施設がほとんどです。時間の幅はその施設によって違いますが、認可外保育所では長時間開所している施設もあり、その場合は夜間勤務もあります。勤務形態等は施設によって様々です。

保育士として常勤の勤務を希望されている方は、まずは自分の希望する働き方がどのようなものかを明確にしてから保育園を探すようにしましょう。

<h2>保育士のお仕事を一日の流れ</h2>

保育士の具体的なお仕事内容を理解するために、具体的な一日の流れを見ていきましょう。一般的な保育士の一日をご紹介します。

1.子供たちの受け入れ準備

朝出勤し、子ども達の受け入れが出来るように準備・掃除をします。子どもによっては開所すぐ来る子もいますので、仕事を分担して行い、開所時間までには受け入れ準備が完了している状態にします。

特に大切なお子様を預かる以上、衛生管理はしっかりとしておくことが大切です。毎日のお掃除だからといって、決してざっと流すということはしません。保育のプロとしての一日はまずこのお掃除から始まります。

2.子供のお預かり、体調管理

お預かりする際には、子どもの体調の様子、気になる点など保護者に確認をします。その後、視診・触診・検温を行います。体調管理は1日を通じ、常に注意を促します。特に冬場など流行性の感染症が流行する時期には配慮が必要です。それは保育園が集団生活の場であり、施設経由で感染する事を防止する為です。

3.お散歩やお歌などの活動

保育園での活動は年齢、季節、施設、目的によって様々です。散歩をしたり、園庭で遊んだり、制作を行ったり、歌を歌ったり、このような活動をクラス単位あるいは異年齢などで行います。すべての活動の基本は「遊びの中で」がキーワードです。

活動の方針は保育園の考えによって異なるため、働く場合には自分の目指す保育に園の方針が合っているのか、預ける場合には自分の子育ての方針に沿っているものかを前もって考えることが大切です。

4.お昼、食育

お昼は自園調理をしている施設も多く、その場合は、給食にも教育的・道徳的要素、マナーなど「食育」として園独自の方針があります。

子育ての経験がある方ならお分かりかと思いますが、0、1歳児の食事は大変です。ご家庭で一人でも大変なのに、0歳児なら保育士一人に対し約3人、1歳児なら約6人担当しなくてはなりません。そのような時でも、給食の食べ具合をチェックする事は欠かせません。

その後は小さい子は午睡します。乳幼児突然死症候群(SIDS)は睡眠中に発生する可能性があるため、保育士は睡眠の状態を細かくチェックしています。保育士の昼食は交代でとり、睡眠中でも子どもから目を離さないようにしています。その後午後の活動やおやつの準備、おやつを食べて、保護者のお迎えを待ちます。

5.事務処理、明日の準備

勿論それで終わりではなく、子どもの帰り支度のチェック、視診・触診・検温、掃除や連絡帳の記入、日誌等の書類記入、明日の準備などを行います。文字にしてみるとなかなかハードな仕事ぶりがうかがえますね!

<h2>保育士の仕事の良いところ</h2>

保育士は上述した通り、思ったよりもハードワークです。ただ、「やりがい」という点は、何物にも替えがたい大きな部分です。子どもの成長はなかなか目には見えませんが、子どもと信頼関係を築いたり、子ども達の笑顔に癒されたり、子どもの成長と共に自分も成長していける仕事だと思います。

また女性にとって大きな節目である出産・子育てに対し、仕事で得た経験が活かされたり、心に余裕を持つことが出来ます。また、子育て後、再就職した際は、今度は自分の子育ての経験が仕事に還元され、それが大きな経験値となります。仕事とご自身の生活の共に相乗効果が得られるのはこの仕事の大きなメリットともいえます。

<h2>保育士の仕事の大変なところ</h2>
全ての仕事でも同じだと思いますが、保育士の仕事も楽しいばかりではありません。女性の職場という位置づけではかなりハードな部分もあります。小さい子の保育においては、抱っこにおんぶ、片手に1人ずつ・・・なんてことは日常茶飯事です。コツをつかむと体に負担のかからない抱き方が出来るようになりますが、それでも日々腰に負担がかかったりします。

また大きいクラスの子はとても元気です。一日中パワフルに園で生活します。保育士も一緒になって遊んだり生活しますので、帰宅後の体のケアはとても大事ですね。また、勤務中ほとんどの時間は子どもの保育に費やしますので、書類を書いたり、保育の準備、行事がある時などはどうしても勤務時間内に仕事をこなすことが困難な時もあります。

また、保育に関する事、保護者との関わりなどストレスを感じる場面も多いです。体力面と精神面、両面でタフさが必要だといえます。

<h2>まとめ</h2>
保育士の仕事は本当にハードです。仕事量に対しての給与という点でも満足していない方も多いと思います。ただ、働いている人に共通して言えるのは、「子どもが大好きで、この仕事に誇りを持っている」という事です。

仕事が大変でも、「○○君が立った!」「お話してくれた」「先生、いつもありがとうって言ってくれた」「ごめんなさいが言えるようになった」「逆上がりが出来るようになった」など成長の色々な部分を見れる事が本当に幸せです。これから沢山の人が保育の仕事に携わって頂けたら嬉しいです。

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