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モンスターペアレントになる原因と周囲への悪影響とその実例・原因

今や幼稚園や小学校など教育施設は当たり前、塾や教室にもその存在区域を増している「モンスターペアレント(モンスターペアレンツ)」。ちまたでは「モンペ」や「モンペア」などという略称まであり、モンスターペアレントを題材としたドラマ化もされました。

日本教育技術学会会長であった向山洋一氏がクレーマーでは片付けられない、そんな親を「モンスターペアレント」と名付けたのが最初のようです。また、日本だけではなくアメリカでは、ヘリコプターで上空から周りを監視しているようだ、ということから「ヘリコプターペアレント」などとも呼ばれています。

さて、世の中にはどんな「モンスターペアレント」がいるのでしょう。当の本人は実は「モンスターペアレント」になってしまっている自覚がないことも多いのだとか。自分がモンスター化してしまわないように、原因追求をしておきましょう。

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「モンスターペアレント」の行動・実行例

前述した向山氏が「モンスターペアレント第一号」と名付けたキッカケともなったモンスターは、長時間、教師に向けて怒鳴り散らしたり、四六時中学校に電話をかけてきたり、学校崩壊にもなりかねないようなモンスターだったそう。他にも実際にあったモンスターペアレントの行動・実行例をご紹介します。

子供のケンカに介入

いわゆる子供同士のケンカ。それを目撃した母親は子ども以上に激怒。我が子の否など一切認めず、相手の子供が全て悪いような物言いをし、担任教師や相手の親に不当な責任・処罰を要求してくる。モンスターペアレントの典型パターンですね。

水泳の授業で、男子の上半身裸の水着姿を見て授業をボイコット

「うちの○○くんが変な目的で盗撮でもされたらどうするの!?」という金切り声がとある区立小学校に響き渡った。プール開きが行われた7月のこと。近年の児童を対象とした性犯罪増加や性の対象が幅広くなっていることに対し心配してのクレームだとか。このクレーム、実は一人の親だけではなく数人からあがっているというから驚きです。中には女子同様、全員同じ水着にするべきだと平等性を訴えた親もいたとか。

なぜウチの子に掃除をさせるのか

掃除当番を拒否。「なぜ月謝を払ってウチの子を預けているのに、わざわざ汚いものに触れ掃除を強いられているのか許せない。どうしても教室を掃除したいのならば業者を雇えばいいじゃないか!」と役割分担も受け入れてくれないんですね。

子供を侮辱したとし、保育士の解雇を要求

「先生が私のこと「ブス」と言った」という娘の発言をキッカケに事件は勃発。もちろんそんなことは言っていないと弁解すると「娘が嘘を言うはずがない。嘘つき呼ばわりして侮辱された。そんな信頼ならない担当保育士では娘が可哀想だし、他の子も可哀想だから解雇してほしい」と園長先生に直談判。

転売目的で名前を書かない

遠足の日。当日の持ち物の水筒に名前が書かれていなかった子どもがいたので、無くさないように保育士はその子の名前を水筒に書いてあげました。遠足を無事終え、帰宅した子どもの持ち物を見て「コレは限定品だったから高く売れるはずだったのに、名前を書いたら売れないじゃない!どうしてくれるの?」と転売目的できないことでクレーム。

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モンスターペアレントが及ぼす周囲への影響

クラスにモンスターペアレントがいるということは、教師や子供、その他の保護者にも関わってくるので影響力はかなりのものだと言えます。

  • ・まずは教師

先生たちも教育従事者とはいえ、公務員のサラリーマン。かつ複数人の子供を相手にしていながら、えこひいきするようなこともできないですし、そんなクレーム処理を続けていたら、心も体も壊してしまいますよね。実際、鬱病になってしまった先生や退職することになってしまった先生も多くいます。

  • ・次に子供たち

モンスターペアレントはどうして大声をあげ理不尽な主義主張をするのでしょうか。それは我が子かわいさからの親バカ言動なのか、はたまた教育ママか。それらとは少し違って、我が子や親本人の利益重視で理不尽なことだとしても押し通そうとしてしまうので、親自身の精神的未熟さが原因とも言えるでしょう。

そんな親に育てられるわけですから、子供の教育にも良くはありません。「この親にしてこの子あり」といった悪い意味で親の背中を見て育ったような、ワガママで平気で理不尽なことを言う大人になりかねません。

また、実の子供だけではなく、その周囲にいる子供達にも影響がないわけではありません。授業中に教室に大人(他の子の親)が怒鳴り込んできたりしたら単純に怖いですよね。信頼している先生に向かって罵倒して困っている先生の姿も見たくないでしょう。

  • ・周りの保護者にも影響が

個人的に思っていた希望が「でもコレはワガママだよな、だから我慢しよう」と自重できていたとして、でも他の人が同じ主張をして通ったら、「私も!」と主張したくなったりしませんか?

一人では言いにくいが、多数になったら…という思考は日本人にはありがちな思考で、一人のモンスターペアレントが言い出した主張が、いつの間にか保護者全体の希望になることもあります。そして元々はモンスター化していなかった親が初期モンスターに変身し、第2のモンスターと成長してしまうのです。

このようにモンスターペアレントは腐ったミカン同様に影響力が絶大と言えるでしょう。

「モンスターペアレント」の原因と対策

学校や子供への依存が強すぎたり、過保護であったり、逆に育児放棄気味で親個人の都合を主張していたり・・・。モンスターペアレントにも色々な種類がいます。ただ共通して言えるのは、自分や子供の都合しか考えられていないということ。ただ悲しいかな、モンスター化してしまった親も、時代のせいで変わってしまった悲しきモンスターである側面も持ち合わせています。

子供への依存・過保護

代表的である原因は、我が子を思うあまりの過保護からくる要求。事件や事故、子供の成長に対して、子供の心や体を守ろうとしての行動ですね。しかし過保護を通り越して過干渉になってしまうと、周囲との調和を乱す原因になります。過干渉になることで、子供の自尊心を低くさせてしまうことにも繋がることでしょう。

  • 学校や教師への不信感

ひと昔前まで学校は全て正しく、何か体罰的なことがあっても「子供が悪かったから体罰を与えられた。先生ウチの子がすみません」という感じでした。

しかし、近年学校で起こった、いじめや教育の範囲を超えた体罰に対して、いじめを黙認していたり、事件を隠蔽しようとしていたり、と学校側の信頼に欠ける対応が多く、世間的にも学校や教師に対する不信感が強まりました。そのため、学校に全て任せていられないという気持ちになった保護者も増え、モンスター化してしまった親も多いのです。

また、世間のイメージだけでなく、先生がいじめ問題や進路に対し、真摯に向き合っていない、行動してくれないような現場でも、親はモンスター化してしまいがちです。

時代の変化

日本の国民性は元来、自己主張の強い方ではありません。周囲の人との共存が前提にあり、そこでの調和を大事にされてきました。しかし、近年の欧米化で住居や就業スタイルも多様化し、便利な世の中になったと共に、周囲の人との関係性は希薄に。女性も社会進出し、主義主張を行う世の中。個人主義的な価値観を持つようになったのには複合的な要因があるのです。

対策は主張を聞かないこと

モンスターペアレントの主張を聞いてしまったとします。すると、どうでしょう。「主張が通ったということは、やっぱり私が言ったことは正しかったんだ→主張して正解だった→また何かあったら言うべきだ!」という思考に転換されます。そうなったらエスカレートするばかり。収拾がつきませんね。下手したら第二、第三のモンスターペアレントを増殖させてしまうかもしれません。

また、もしママ友がモンスターペアレントだと気付いたら気をつけてください。ちょっと距離をとった方がいいかもしれません。というのも、そのママ友が理不尽な意見で「あなたもそう思わない?」などと共感を求めてきた際に同調してしまったら、クレームを言う協力をさせられたり「○○さんも言っていました」と勝手に巻き込まれてしまうかもしれません。

誰だって我が子はかわいいですし、学校側の対応や時代や環境の変化に対し、子供を守るために、問題定義したり提案すべきこともあります。ただ、身勝手で自己中心的すぎる主張は「モンスターペアレント」扱いされてしまいます。個人主義にならざるを得ない現代の親たち。それでも道徳心や団体主義の価値観を忘れたくはありませんね。

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