小さい頃の子どもってとびきり可愛いものです。特に、未就学くらいの子までは子どもたちはしゃべったり行動することが本来自由で、大人と一線を画します。
実際に自分の子どもがいたり、子どもに関わる仕事をしていればなんとなく分かるところがあります。けれど、あまり子どもと接する機会がないと子どもはどういったものか本当に分からないものです。
例えば、子どもが生まれて困ったことに直面するのは当然です。育児書を見てもその通りにはまったくいかないことの方が多いのですから。実際に子どものお世話をしたり、遊んだりしてみなければ分からないことばかりです。
また、乳幼児期は成長の発達差が大きいので、どの年齢では基本的にどういった特徴や性質があるのか見ていきます。
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乳幼児とは
産まれてすぐの赤ちゃんを乳児を呼びます。おっぱいを卒業し少し大きくなってきた幼児期から歩行が進み、行動範囲が広がることでさまざな冒険を初めます。全身であそびを楽しむこどもは目がきらきらとしています。ここでは年齢別に詳しく特徴を挙げていきます。
年齢
●乳児…0歳~生後1年未満で身体や知的機能の発育の伸びがめざましい時期
●幼児…生後1年以降~就学前までの基本的生活習慣を獲得していく時期
特徴
●乳児…出生後の1ヵ月間は新生児期と言います。産まれて1週間すると生理的体重減少が起こり、再び徐々に発育を遂げていきます。
出生時、体重は男児3000g、女児2940gが平均です。生後3~4ヶ月後は約2倍、1年後には約3倍になります。
身長平均は、男児49cm、女児48.5cmが平均です。1年後には約1.5倍ほどになります。頭囲平均は男児46.2cmで女児45.1cm。
出生時から開いている大泉門という頭の大事な部分は、数ヶ月ほど広がるが1歳半頃までにだいたい閉じることが多いです。
生後1ヵ月頃からぼんやり周りが見えるので、視界に入るものを追視したり注視します。月齢が進むにつれて視力も少しずつ発達し、聴覚や嗅覚、皮膚感覚、離乳食が6ヶ月頃に始まるとさらに味覚なども複雑に発達していきます。
早くて1歳頃から歩行が始まりますが、それまでの歩行の獲得には約1年かかり、その成長・発達の様子には順序があり、変化の幅のプロセスにはただただ驚くばかりと言えます。
生活のリズムと発達
◎新生児…仰臥位で母乳を飲む時以外はほぼねんね、まだ本当に胃が小さいので、30分おきや1~2時間おきにミルクを欲しがって泣いて起きます。朝昼晩もなくまだリズムはついていないので、起きる時間はバラバラと思っていた方が良いでしょう。子どもの性格によっても起きる時間や飲み方は違います。
◎2~3ヶ月児
仰臥位で頭を左右に動かして向きを少しコントロールできるようになります。足や手をバタバタと動かしたり、動きも少し多様さが見られ活発になってきます。お母さんに向かって笑ったり感情も複雑になってきます。
1~2時間おき、2~3時間おきなど、少しまとまった時間眠るようになります。その子独自の母乳の飲み方やリズムが少しできてくる頃ですが、母乳を飲む時以外はやはり寝る生活です。
◎4ヶ月児
首すわりをする子も出てきます。首すわりとは、うつぶせの腹臥位の状態で両腕を床につけ頭や肩を反らすように上げて、胸部を地面から離している状態を言います。
2~3時間おき、3~4時間おきなど少しずつまとまった時間長く眠り、リズムがよりできてきます。首すわりをする子も出てきて、体が徐々にしっかりしてきて、より周りのものに興味を持ちます。ガラガラをしっかり握ることもでき、おもちゃでよく遊ぶようになります。
◎5,6ヶ月児
寝返りをする子が出てきます。動きも活発さが増し、バタバタとしていたらひっくり返って寝返りしていたなんてこともあります。早い子ではお座りをする子もいます。
この頃から1回の離乳食が始まりミルクと合わせて食事タイムをとり、睡眠は3~4時間おきなど、まとまった睡眠のリズムがついてきます。夜暗くすると寝る時間という感覚を覚えて、なんとなく夜寝るようになるのもこの頃からです。
◎7,8ヵ月児
安定したお座りをするようになります。すりばいや後ずさりなどの格好のようにはいはいの前触れを見せ、日々進歩して徐々に色々なところへはいはいで動くようになります。
離乳食は2回になります。生活にリズムもつき、男女差や子どもの性質によって色々な面で違いも見えてきます。
◎9.10ヵ月児
はいはいがしっかり出来るころです。高バイをする子も出てきます。早い子ではつかまり立ちも見られます。興味のあるところへ動くことができるようになり、さらに感情も豊かになります。
離乳食は3回になります。歯がいくつか生えたことにより噛むことで脳に刺激がいき、日々賢くなってきている頃です。
◎11,12ヵ月児
生活リズムはほぼ安定し、1日3回の完了期の離乳食とミルクで、午前睡と午後睡の2回寝になる子が多いです。
歩行に向けて着々と発達が進み、早い子では歩行の1歩が出る頃です。自我も出てきて感情をあらわにすることもしばしばです。
●幼児…平均体重は2歳半で出生時から約4倍、4歳では約5倍となります。平均身長は3歳半頃~4歳で出生時から約2倍になります。
◎1歳半
午前睡がなくなり、午後のお昼寝1回になります。1歳頃までは夜に何回か起きていた子も、しだいに母乳やミルク離れして、夜中1回も起きずに寝れるようになります。
音楽やリズムに合わせて踊ったり、クレヨンなどでお絵描きも出来るようになります。
◎2歳
体の動きが活発になり、走ったりジャンプしたりできるようになります。階段を一人で上り下りも、ある程度安心して見ていられるようになります。大人の簡単な指示が分かり、理解力も進んできます。
服を自分で着たり、簡単な身の回りのことを出来るようになります。自分でやりたい気持ちが芽生える頃で、ひどく我が強い時は、俗に言うイヤイヤ期とも言います。
気に入ったおもちゃや絵本があると繰り返し見たがる、遊びたがるのも特徴です。食事面では普通食で、3歳にかけてスプーンやフォークから、トレーニング箸や普通のお箸に移行していく時期です。
トイレトレーニングが始まります。少しずつトイレで排泄できるようになってきます。
◎3歳
基本的な生活習慣が身につき、集団生活が可能な頃です。幼稚園に入れる年齢でもあります。体はますます発達する頃で、3歳で三輪車が乗れ、かけっこで皆と走ったり、遊戯をしたりも出来ます。
遊ぶ時は平行遊びなので、友達と隣り合わせでも触れ合っていないことが多いですが、心配はいりません。
手先も発達し、頭足人という頭から手を足が出ている特徴的な絵を描くようになります。自我がより強くなり、自分を大いに出す頃です。
自分からおしっこと言ってトイレに行き、排泄できるようになります。
◎4歳
ごっこ遊びなど模倣遊びが盛んで、友だちと一緒になって遊ぶ。想像力が豊かな子どもたち同士でやりとりしながら、または先生など大人を介して遊んだりする。
しだいに人の顔が上手に描けるようになってくる。はさみ、のり、折り紙など、手先が器用になることでできる遊びが増える。
◎5歳
子ども達同士で一緒にあそぶ、連合遊びをする。役割を決めて当番活動もできる。スキップやなわとびもできる。
自分からは昼寝をほぼしなくなる。
◎6歳
子ども達同士で話し合って何かを作ったり、ゲームをしたり、目的を持って遊ぶことができるようになる。協同遊びや組織的遊びと言う。ルールを守って遊べるようにもなる。
ぐんぐんと体が伸びてくるため、節々が痛む子もいる。
言葉
●生後1ヵ月…生理的微笑と言って、にこっと笑ったように見えることがあります。「あー、うー」などのなん語を発します。泣くことで周囲の人に訴えかけます。
●生後2,3ヵ月…周りの人からあやされると笑う。泣くことが主で訴えますが、感情が複雑になってくるため、泣き方にもバリエーションがつき、何を訴えてるか、お母さんは分かるようになってきます。
●生後4ヵ月…キャッキャと声をたてて笑う。
●生後5,6ヵ月…自分の名前を呼ばれると振り返る。
●生後7,8ヵ月…人見知りが始まる。知らない人だと抱っこはもちろん、見ると泣き出す。
●生後9ヵ月~11ヵ月…バイバイが言えたり、動作に合う言葉やしぐさをする。
●生後12ヵ月…マンマ、ニャンニャン、パパ、ママ、など単語1語を喋るようになる。
●1歳2ヶ月~6ヶ月…単語の数が増えてくる。
●1歳後半…簡単な大人の指示が分かり、行動できる。
●2歳…「マンマ、ちょうだい」など2語文が言えるようになる。
●3歳…言葉の発達がめざましく「ママ、公園に行こうよ。」など3語文で話します。
●4歳…友達と会話をしながらごっこ遊びを楽しむようになる。
●5歳…友達の気持ちを想像してやりとりをする。大人を介してトラブルを収めるが、自分の気持ちを言葉で伝えることができる。
●6歳…友達の気持ちを共感して子ども同士で話し合い、トラブルやいざこざがあっても解決していくこともできるようになる。仲間と一緒に何かを作ったり活動したり苦労や喜びを経験していく。
子育てで注意すべきポイント
子どもが成長していく過程のなかでみんなが通る、育児に大切でとても必要な身辺の自立やお世話があります。年齢別でかなり異なるのでそれぞれ時期をみて手助けしていくことが必要です。
睡眠
●新生児
24時間体勢です。間隔が狭く、頻回に寝たり起きたりします。
●生後2~5ヵ月
徐々に睡眠と覚醒の間が空いてきますが、4,5ヶ月になるとなんとなくリズムもつき、3,4時間寝た後ミルクをあげてまた眠る、という形になってきます。
●生後半年~12ヵ月
離乳食が始まると食後に眠るようになります。徐々に午前睡と午睡というリズムに移行して、食後に少し遊んで眠るというスタイルになります。
●1~1歳半
歩行のため活発になり、よく食べることで眠る時間もまとまってきます。徐々に午前睡がなくなります。
●2~4歳
午後睡のみになり、2,3時間はまとまって眠りますが、睡眠には個人差がありほんの少ししか寝ないでも大丈夫な子もいます。夜は早めに寝かせてリズムを作ってあげましょう。
●5~6歳
体力がつくので、よほど疲れた時以外はほぼ午睡もしなくなります。夜は9時には寝かせましょう。
運動
●新生児~生後半年
新生児からの運動発達は、上から下へと発達します。目、首、腕、手、腰、足といった順番におりてきます。追視ができると、頭を動かしキョロキョロと周りを見るようになります。首に筋肉がつくと頭が自由に動かせて首すわりが完了です。
手や腕に動かせると色々なものを触りたがり、手の自由がきくとさらに全身で動こうとします。背筋を使いひねってひっくり返る寝返りが完成すると、次は体の重要な部分の腰がしっかりとしてお座りができます。
●生後半年~1歳
腰がしっかりとしてお座りできたら、最後は足が発達します。歩行が最終目標で動きを獲得するために、次は筋力を育てるハイハイ、高バイ、つかまり立ちをします。
ある一定期間ハイハイをしていたらこけずにしっかり歩けると言われていますが、発達は個人差があるためちょっとハイハイしたと思ったらすぐ立った、なんてこともあるのでこればかりはその子しだいです。
●1~2歳
歩行の獲得により、少しずつ散歩ができるようになります。転ぶことも多いのでよちよち歩きですが徐々に上手に歩くようになります。音楽に合わせて体を動かすこともできます。簡単なボール投げ、滑り台もします。
●2~3歳
両足でジャンプしたり、駆け足、足ふみができます。ボール蹴り、散歩、まねてダンスも上手になります。
●3~4歳
細かい動作が出来るようになり、はさみや箸を上手に使えます。お絵描きでマルや人の顔を描いたりできます。積み木やブロックで形を考えて想像力豊かでバラエティーに富んだ構成遊びをします。
●4~5歳
ますます器用になり、三輪車が上手になります。集団遊び、あぶくたった、鬼ごっこなどができるようになります。足の筋力がついてきたため、比較的長い距離を散歩できます。
●5~6歳
運動機能はますます発達して、縄跳び、竹馬、ルールのある集団遊びのドッジボール、集団ゲームなどをするようになります。
排泄
●新生児~1歳半
胃が小さいので少量ずつ頻回に出ます。新生児では、黒色で胎内の分泌物を含む黒便が産後すぐに出ます。その後は黄色いべチャッとした便に変わります。ミルクだと色が濃い目で母乳だと黄色い便など、飲むもので多少変わります。
離乳食が始まると便が徐々に変化します。しだいに色が茶色く、硬くなってきます。便秘がちになる子もいますが、本人がつらそうでなければ様子をみてよいでしょう。
●1歳半~3歳
年齢が上がるにつれて排尿の間隔があいてきます。たびたび出ますが、2歳頃になると「おしっこ」と知らせて失敗もありますが、少しずつトイレが可能になります。大人がトイレに誘うことでやる気も出ます。
最初は3層など厚いトレーニングパンツで試し、薄いものに変えながらしだいにトイレに行くことを習慣にしていきます。3歳ごろにはもう排尿、排便ともどちらもできオムツが取れている子も多くなります。個人差があるので焦らず、がポイントです。
●3~4歳
一人でトイレに行き排泄が出来ます。排泄後、上手く拭けないこともあるので様子を見ながら手伝うことも必要です。
●5~6歳
就寝中のオムツが完全にとれます。排尿間隔が長くなり、3,4時間は空くようになります。
衣服
●新生児~1歳半
赤ちゃんは体温が高くて汗をかきやすいため、厚着はしないようにします。肌着はロンパースがお腹が出ずに動きやすいでしょう。面100%が肌に優しく汗をよく吸収します。
●1歳半~3歳
活動が多くなってきて自分で脱ぎ着するので、セパレートの肌着を着せましょう。
●3~4歳
ボタンのついた服だと手先の練習になって良いです。
●5~6歳
ぐんぐん体が大きくなってくる時期です。少しサイズが大きめのものを購入しておけば来期も着れます。
乳幼児のできること3選
乳幼児は大人の常識で考えていることを見事覆してくれます。それくらい大人とは違う柔らかい頭で感性が優れていると言えます。そんな乳幼児の子ども達ができることってなんでしょうか?
発想・想像力が豊か
枠に捉われない思いつきがとても優れています。おもちゃを買ってあげても、遊ぶのはたった2,3日なんてよく聞く話です。例えば身近な廃材になるもの、スーパーの袋、お菓子の箱、ただの毛糸、などなんでも使って見立てて作ることができ、ごっこ遊びを始めます。
遊ぶことが仕事、大人を困らせる
子どもは遊ぶことが全てです。大人の用事というものは子どもの1番の苦痛です。用事は子どもの1番の大事ではなく、スーパーに行っても本当は走り回りたい、早くして、と言われてもじっくり見ていたいものがあるから動かないのです。
していたい何かが子どもにとって大事なことで全てが遊びなのです。何でも遊びとして大人が認識していると、すぐ怒らず心も広く接しやすくなります。
ママ、パパが1番!喧嘩の仲介役をしてくれる
乳幼児の小さい頃は、お世話がなにかと大変です。でも、子どものお世話や家事をママだけがしてパパは仕事でしない、なんてことで喧嘩になることが結構ある時期です。
そういう時に限って、赤ちゃんは泣いたり、余計に甘えたりしてくるので周りの雰囲気を察する力が実はあると言われています。
大好きなママやパパが怖い顔や声で言い合いしていたら悲しいですよね。喧嘩をしていた大人も、そういう子どもに気付いて「ごめんね」の気持ちで折り合いがついたりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?乳幼児くらいの子どもって、小さい大人のようで全く違う、可能性を沢山秘めた1人の人間です。年齢によって本当に発達が異なるので育児も発達に沿って手立てが必要です。
特徴を知ると、子どもを知らなかった人でも、「ああ、そうか」と少し納得して子どもと接することができるのではないかと思います。子どもは1人ひとり本当に個人差や個性があるので、子どもによって違うことを頭によく入れておくこともとても大切なことです。
特徴を踏まえて、子どもやその周りの大人が”皆違ってみんないい”気持ちのよい社会にしていきたいものです。
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