ダニは湿度60%以上、温度25℃~30℃の環境を好みます。つまり日本の6月~8月(夏期)はダニにとって繁殖するのにピッタリの季節です。
一般的にどの家庭にもいると言われているのは【チリダニ】。このダニは人間の生活する家屋に生息するダニの約80%を占めているのです。
チリダニそのものが吸血するわけではありません。害を及ぼすのはその糞、死骸です。器官に入り込みアレルギー発作を起こします。(=ハウスダストアレルギー)
布団、カーペット、たたみ、ソファー、ぬいぐるみ・・・ホコリのたまりやすく、人の老廃物が付きやすい場所にダニは必ず潜んでいます。日常の掃除機による掃除でダニは撃退できるのでしょうか?
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目次
【掃除機をかけることはダニへの兵糧攻め】
【出力350W以上の掃除機を使えばダニ退治にかなりの効果が期待できる】という説と【どんなに吸引力の高い掃除機を使っても全てのダニ、その死骸、糞を取るわけではないので効果が薄い】とする説があります。
私の経験からですと掃除機を週に3回以上かければ確実に効果があると言えます。
確かに掃除機では完全にダニ、その死骸、糞を完全に取ることは不可能です。毛足の長いカーペットや布団等厚みがあるものは表面のみのダニしか吸引できないです。しかし毎日のように掃除機をかけることはダニの餌(髪の毛、フケ、皮膚、食べこぼし等)を吸い取ることになります。餌を絶ちながら数も減らしていく【兵糧攻め】方式の撃退方法が掃除機だと思います。
【ポイントはゆっくりと。色々な方向から】
ダニ退治に効果的な掃除機のかけ方は【ゆっくり】【様々な方向から】かけるのが良いです。
畳の場合は目に沿ってかけるので【様々な方向から】は無理ですが、【ゆっくり】かけます。じゅうたん、フローリングはゆっくりと縦横ななめと方向を変えながらかけましょう。ダニは爪を引っ掛けて吸引力に逆らうので、ゆっくりかけることで脱落者を増やします。方向を変えることもダニの爪の引っ掛けを少しでも多くはずすためです。
布団、じゅうたん等の毛足の長いもの・厚みのあるものには専用の回転ブラシが有効です。回転しながら汚れをたたき出し、掻き出して吸引します。この回転ブラシを使ってゆっくり掃除機をかけると綺麗に見える布団、じゅうたん等も汚れていることがわかります。吸い取ったゴミを見ると灰色の細かいほこりのようなもの(=ダニ、ダニの死骸、糞)を確認することができます。
【週3回以上の掃除機でダニを撃退】
以前、我が家にチリダニを食べるツメダニが発生したことがありました。
ツメダニは吸血するダニ。吸血されると激しい痒みを生じ、内出血のような跡がのこる噛み跡が付きます。夏休みの旅行から帰ってきて数日後だったので持ち帰ってきたのかもしれません。
家族全員が被害にあいました。バルサンやじゅうたん用殺虫剤は避けたかったので、その日から毎日掃除機をかけました。すると2日目にはだれも刺されなくなったのです。その後も週3回以上の掃除機かけを続けたらダニ被害は2度と起こりませんでした。朝必ずくしゃみをしていた者も症状が軽減しました。
【寝るときの咳、くしゃみ、鼻水・・・寝具からくるダニアレルギー】
毎日眠る寝具は湿度も温度もダニにとって最適です。おまけにフケや皮膚、皮脂等の人の出す老廃物はダニのご馳走。掃除、洗濯を怠っているとダニとその死骸と糞でいっぱいになってしまいます。
チリダニの糞は特にアレルギー原因物質(アレルゲン)の活性が高く喘息やアトピー性皮膚炎の要因となっています。糞は0.01mm~0.04mmと小さいです。乾燥するとさらに小さくなり気管に容易に入ってしまいます。
私自身もそうなのですが【自分の家以外の布団で寝るとアレルギー発作が出る】という方がいます。来客用のしまいこんだ布団や旅行先の宿の寝具にはダニの糞がたくさん付いているでしょう。それをそのままかけているので咳、くしゃみ、鼻水、目のかゆみが起きるのです。
”黒ビニール袋使用の退治法・・・ダニは涼しいところに逃げていく“
ダニを死滅させるには50℃以上の高温に2~3時間さらすことが必要です。そのため【布団や畳、じゅうたんを黒いビニール袋に入れて夏の日当たりの良い場所に置く】駆除方法はかなり効果があるとされています。
確かに布団の表面のダニは死滅するのですが、布団の中心部分の温度が低いところ(30℃くらい)に逃げのびるダニも多いのです。内側まできちんとダニを退治したいなら布団打ち直しや専門店のクリーニングにおまかせするしかないようです。費用を考えると布団を新しく買ったほうが良いかもしれません。
【ダニを0にすることはできない】
アレルギーの原因となるダニを徹底的に駆除したいと考える方もおられると思います。しかし人間のいるところに必ずダニは存在します。
人の体には多くの細菌が住んでいます。常在菌の中には悪さをするものも含まれていますが、善玉菌と悪玉菌のバランスを保って人は生きています。悪玉菌を全て殺すとなると善玉菌にも悪影響を及ぼし生命の存続自体が危ぶまれます。同じようにダニを全て駆除できる方法を行うと人自体も住める環境ではなくなるということです。
こまめな掃除を行い【健康被害が出ない程度の数にダニを抑えておく】くらいの気持ちでいましょう。
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